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Worlds2023 ファイナリスト WBG特集

 皆様こんばんは、Kubocciです。ついにWorlds2023決勝のカードが決まりましたね。準決勝はどちらも白熱した素晴らしい試合でした。
 今週は決勝に向けて、ファイナリストの両チームについての特集記事にしていこうと思います。
 両チームの因縁や、各選手の特徴、見所など、多少長くなっても面白いものを書くぞ!と気合を入れて書いているので、よかったら楽しんでいってください。それではどうぞ。


TOP TheShy

こちらは注目ピック

抜群の筋力を持つ絶対的エース
 まず紹介するのはチーム最高戦力、TheShyだ。準決勝でも大暴れしたこの男は、2018年に若干19歳にしてWCSを制している。
 当時所属していたチーム、IGはチーム全体が非常にアグレッシブで、個々人の筋力で敵を制圧するという、理不尽と言ってもいいほどのパワーを誇っていた。 
 TheShyはその後、長くIGの顔として活躍していたが、WCSを獲った年ほどのインパクトは残せていなかった。
 そして昨年、WBGへ移籍。チームのトップサイドにパワーを与え、新たなゲームプランをもたらした。WCSまでにそのスタイルの完成度を上げてきたチームは、一試合ごとにコンディションを上げ決勝まで上り詰めている。
 間違いなく原動力となっているTheShyが、新時代の最強TOPレーナーZeusを相手にどのような戦いを繰り広げるのか、注目してほしい。

プレイスタイル
 まずレーン戦ではほぼ確実に勝利を収める力がある。8、9割がたは勝っているという印象で、TheShyと対戦するチームはガンクに2回は行かなければいけないと言われるほどだ。
 そうして得た有利を自身のパワーとし、アグレッシブに集団戦を起こしに行くシーンが多い。集団戦と言ってもほとんどが横入りで、単独での暴れ性能を活かすタイプだが。少々やりすぎてしまうことも多々あり、コーチから口酸っぱく怒られているそうだ。かわいいね。


BOT Light

安定感抜群の本格派ADC
 続いて紹介するのはBOTレーナーのLightだ。現在22歳、チーム最年少の彼は、ネームバリューでいえば決勝のメンツの中で最も低いと言っていい。
 WCSには2度目の挑戦で、初出場は2年前にLNGの選手の一人としてだった。結果はグループステージ敗退に終わっているが、当時からの売りであった安定感にさらに磨きをかけ、ついに栄光の舞台までたどり着いた。
 現在のWBGと当時のLNGの共通点として、上半身にパワーを置いたチームということが挙げられる。そうしたチームに在って、BOTレーンに安定感をもたらすことができるのが、Light選手の強みであると言えるだろう。

プレイスタイル
 先にも書いた通り、BOTレーンを安全に過ごすことができるのが特徴だ。さらにメタに応じた様々なピックが可能で、チームにいると嬉しいというのが一番の誉め言葉と言える。
 また、Light選手は終盤の集団戦でもきっちり仕事のできるタイプだ。主にTheShyのおかげ(せい)で難しい盤面が構築されることが多い中、ADCとしてダメージを出し続ける姿はなかなかに見ごたえがある。ほかに目立つプレイヤーが多いのであまり注目したことはないかもしれないが、Lightを中心にWBGの集団戦を見るのも新たな発見があるだろう。


SUP Crisp

2度目のWCS制覇を狙う名手
 SUPのCrisp選手は、2019年にFPXの選手としてWCSを優勝している。当時のチームはMIDレーナーのDoinb選手、JGのTian選手を中心としたマクロチームで、SUPのCrisp選手もチームへの貢献度が高かった。今回の決勝で対面するT1のKeria選手の実に4歳上で、経験値の差は間違いなくあるだろう。Keria選手の若さとプールにどう対抗していくのか注目が集まるところだ。

プレイスタイル
 Crisp選手はエンゲージチャンプが得意で、今大会の序盤でもレオナを3連続でピックするなどしていた。しかし準決勝では打って変わって、エンチャンターを巧みに使いこなしており、彼のキャリアの長さを感じさせられる。
 BOTのメタが主導権の取り合いに重きを置くものになってきているので、彼の得意チャンピオンたちは出てこないかもしれない。それでもT1、ひいてはKeria選手が作り上げたメタについていくだけの力を持ったプレイヤーなので、決勝でも活躍を見せてくれることだろう。


JG Weiwei

冷静なゲーム運びが売りの司令塔
 4人目に紹介するのはスタメンのジャングラー、Weiwei選手。SN、V5、BLGと、これまでWBGを含め、4チームでキャリアを歩んできた。チームのネームバリューは決して低くなかったが、5位以下でシーズンを終えたことしかなかったため、大きな舞台は今回が初と言っていい。
 現在23歳の彼にとっては、最初で最後のWCS制覇のチャンスかもしれない。気合の入り方も人一倍だろう。開幕直後の緊張はもう見えない。世界一の名門 T1との試合に向け、準備は万端だ。

プレイスタイル
 Weiwei選手は冷静にゲームプランを遂行できるJGだ。BANPICKから生まれる敵の急所を正確に把握しており、試合状況に応じて的確につくことができる。事前のプランから外れることがあればすぐさま軌道修正に移るので、そこでも事故が起きない限りはいい勝負に持ち込めるだろう。
 また、WCSではTheShy選手が調子を上げてきていることもあり、TOPレーンにハードに張り付くシーンも多々見えた。T1相手に奇抜な戦略をとってくる勇気があるのか、彼のメンタル面も非常に重要だ。


SUBJG Karsa

まさかの控えとなったLPL屈指のジャングラー
 WBGにはJGに控え選手がいる。それがこの男、Karsaだ。控えに回ってこそいるが、もともとLPLでも指折りのジャングラーとして知られており、今大会にも出ていたLNGのTarzan選手や、JDGのKanavi選手とも並び評されていた選手である。その選手を控えに追いやるほどのパフォーマンスをWeiwei選手が見せているという何よりの証明であり、チームにとっていざというときの最高の控え選手なのだ。もし決勝でWeiwei選手のコンディションがよくなければ出て来ることもあるかもしれない。


MID Xiaohu

MSIを3度制しWCSすらも手にするか
 選手から最後の紹介になるのはチーム1のキャリアを持つXiaohu選手だ。WCSと並ぶもう一つの世界大会、MSIを3度も制した彼は、ついにWCSを手にするのか。最後に立ちふさがるのは長く争ってきたFaker選手と、素晴らしい脚本は出来上がっている。Xiaohu選手の決勝での活躍に期待がかかる。

 そんなXiaohu選手、実はTOPでプレイしていたこともあり、非常に器用で、同時に攻撃的な選手という印象だ。当時もTOPルシアンなどをプレイしており、アグレッシブなプレーでチームをけん引していた。

プレイスタイル
 TheShy選手と似通っている部分があり、レーン戦での筋力と集団戦でのアグレッシブさを併せ持った選手である。とくにテレポートの使い方はかなり挑戦的で、ハイリスクハイリターンなシーンも多くみられる。今大会では裏目に出てしまっているシーンも多々あり、T1相手に飛び出してしまわないかはいささか不安が残っている。しかし、そういったファンの不安を塗りつぶし、栄光を掲げてほしいものだ。


COACH Daeny

現在のT1の種をまいた名将
 今回、特集ということでヘッドコーチの紹介もしたいと思う。WBGを決勝まで導いたのが、DK、T1でのコーチ経験もあるDaeny氏だ。2020年にDWGのサブコーチとしてWCSを制覇したことのある彼は、2021年にはT1でヘッドコーチをしていた。今回決勝で対戦するT1と直接の因縁がある唯一の男だ。
 そして何より重要な情報が、彼がT1でヘッドコーチをしていた際にテストされていたメンバーがZeus、Oner、Gumayusi、Keriaの四人ということだ。そう、今のT1の面々なのだ。Daenyコーチのまいた種が芽吹き、今、決勝の舞台で相まみえる。弱点も恐らくわかっていることだろう、どのようなゲームプランを立てることができるかが、勝敗を大きく左右する。


決勝のBANPICK考察 WBGサイドより

 最後にBANPICKの予想をつらつらと。

 まずはBANされる可能性が高いところから紹介したいと思う。筆頭はTheShy選手のランブル。まず開かないと思った方がいいが1戦目に試しにT1が開けることはあるかもしれない。BOTレーンに関してはT1サイドのほうが手札が多いことからあまりBANされないだろう。ただ、カリスタに関しては1stBANフェイズで消えることもあるかもしれない。ジャーヴァンⅣもT1は無視してこないだろう。TierSかつWeiwei選手の持ち味も出るピックなのでなかなか開くことはなさそうだ。

 こちらから優先的にBANしたいのはオリアナが筆頭だ。Faker選手が非常に強力で、かつ唯一アジールで対抗できている。逆にXiaohu選手がオリアナにあてられるカードが少ないためできればBANしておきたい。
 また、ザヤに関してはLight選手のパフォーマンスがあまりよくないため、ピックされたくない場合はBANが必要だろう。


 続いてPICK候補だが、ここはレーンごとに分けて紹介していこう。

 まずTOPレーン。優先度はランブル>エイトロックス>その他だろう。ランブルが開いたなら1stPICKで抑えてもいいほどに、TheShyのランブルにはパワーがある。エイトロックスは1stPICK候補ではないものの、先出で安定して勝ちに行くことが可能なため優先度が高い。
 加えてこの2体がT1に取られてしまった場合でも、それぞれナー、グレイブスなどで対抗できる。さらに状況次第ではタンクの選択肢もあるため、PICK段階から影響力が高いのがTheShy選手のトップレーンという印象だ。

 つづいてJG。優先度はジャーヴァンⅣ>ヴァイ>その他だ。ジャーヴァンⅣは言わずもがな、ヴァイも相当パワーがある。エンゲージ役を担当したいため、イニシエータータイプのジャングラーが基本になるだろう。その上で、TOPサイドで有利が取れる可能性が高いことから、ベル=ヴェスヴィエゴなどのチャンピオンも出していい。BO5のどこかで出番はあるはずだ。

 MIDレーンに関して。優先度はニーコ>オリアナ>シンドラ>その他だ。まずTierSクラスの中からニーコ、オリアナは優先して取っていきたい。開いたなら1stPICKの筆頭になる。また、Xiaohu選手のシンドラは高いパフォーマンスを発揮しているため優先度は高い。逆に言うとこれら以外のチャンピオンはあまりパフォーマンスが高くない印象だ。本人の得意チャンピオンからポケットピックが飛び出し、ルシアンなどは見られるかもしれない。

 BOTレーンはかなり不利なBANPICKになる。正直T1の手札が多すぎるからだ。優先度はカウンターが複雑なため定義しづらい。しいて言うならケイトリンは優先度が高い。大体の相手にはロングレンジで最低限レーンができ、相性によっては容易にドミネートが可能なピックとなっている。Gumayusi選手が準決勝で見せたジンに回答が用意できているかがカギになりそうだ。

 最後にSUP。BOTレーン同様、T1側の手札の多さから不利なBANPICKになるだろう。Crisp選手も出せるチャンピオンは多いはずだが、得意のエンゲージチャンピオンたちが出しにくい現状、苦しい展開になる。優先度はラカン>レナータ>その他といったところか。チームとしてどんな方針をとるのか、核となるレーンなのでしっかりと準備しているはずだ。


 以上、決勝直前 WBG特集でした。選手の経歴なども知っておくとプロシーンの観戦がより楽しいものになると思います。その一助となれたら幸いです。次回は土曜日更新 T1特集です、お楽しみに。ではまた。

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