家庭科評定3がラブライブの衣装をつくる。
・はじめに
こちらの記事の内容は、
・服飾の知識・経験「0」
・中学の家庭科の評定「3」(多分関係ない)
の服飾完全初心者が衣装を製作する話です。宜しければご覧頂けると幸いです。
・製作にあたって
私はラブライブ!の"衣装"が好きで、Aqoursを追っていた時からキャラクター・キャストさんと同じ物を身に付けてライブに参加するのが夢でした。
今年の2月にLiella!5thLIVEに参戦した時に気づいたのですが、Liella!ファンってオシャレな方が多いんですよね。ファンの中で『概念コーデ』の文化があるとか。
皆んな凄いな〜〜とファンの皆さんを眺めていたら、シェキラ衣装をメンズ用に作り変えて着用している方を発見。スカートをパンツスタイルにすれば男性でも着れるのか、なるほど!と感心しました。
会場でたまたま見かけたのを機に、自分もメンズ用の衣装作ってみよ〜とちょっとした好奇心でやってみることに。
・どの衣装を作るか
今回製作したのがLiella!のユニット『CatChu!』の衣装です。
黒基調で差し色に赤が入っているシンプルなデザインに一目惚れしてしまいました。
クールなデザインの衣装なのでスカート部分をどうにかすれば男性が着用しても違和感は無さそうです。
ちょうどLiella5thの千秋楽でユニット毎に開催される、ライブ&ファンミーティングツアーの情報が公開されたのもあり、悩むことなく決定しました。
1.道具・材料の購入
まず、服飾の技術もなければ知識も道具もありません。なにもかも0からのスタートで、『何から始めればいいのかわからない。』状態でした。
悩んでいても仕方がないので、とりあえず必要なものを揃えることに。
《購入品》
・コンピュータミシン(¥30,000)
・ミシン糸数種類(¥1,000)
・布 (¥5,000)
・合皮(¥1,000)
・金具(ナスカン、バックルなど)(¥3,000)
・カシメ・ハトメ(¥2,000)
・逆開ファスナー(¥3,000)
・ハトロン紙(¥1,000)
・レザー紐(¥1,000)
・Yシャツ(¥5,000)
・定規(¥1,500)
・チャコペン(¥1,000)
・裁ちばさみ(¥2,000)
・その他雑費(¥10,000)
ざっと計算して約70,000円ほど。気にしない。気にしない…
可能な限り再現性を上げるためにも金具やレザー紐の太さなど小物類は同じものを購入。キャストさんのSNSに掲載されている写真や動画を参考に、店舗や通販サイトを隈無く物色しました。
主に楽天市場やオカダヤ(手芸専門店)を利用。特に新宿にあるオカダヤは品揃えが豊富で、ほとんどの道具や材料を揃えることができました。
2.メンズアレンジのデザインを考える
キャラクター・キャストさんが着用しているのはいわゆる「ジャンパースカート」。ジャンパースカートは、ベストとスカートが一緒になったワンピースのようなものを指します。
これをメンズ用に作り替えなければなりません。そこで、スカート部分を全部取っ払って「ベスト」のような見た目にしようと考えました。
3.製作
デザインを頭の中で考えたところでいよいよ製作作業に。
〜〜ベルト製作〜〜
まずは、作りやすそうな赤色のベルトを作ります。
「ハトロン紙」という模造紙を使って型紙を作成。ある程度決めていた長さを測って紙に書くだけだったのでこれは簡単!
実際に型紙に金具を通してみて、適切な長さに微調整。
型紙が完成したところで合皮に転写していきます。
合皮で作るとかなり柔らかく、強度が足りていなかったので、自宅に余っていたクリアファイルを切り、裏地に両面テープで貼り付けました。(本革にすれば良かったTT)
カシメ(留め具)を取り付けて、ベルトは完成!
〜〜ベスト製作〜〜
続いて、布を使って「ベスト」を作っていきます。
こんな感じでやればできるでしょ~と頭の中で考え、自己流の作業手順を策定しました。
①身体のサイズを測る
②型紙を作る
③布に転写する
④ミシンでステッチを縫う
⑤ジッパーを取り付ける
⑥バックルを付ける
正直、不安しかありませんが、”勢い”で乗り切ります。
①身体のサイズを測る
自分のサイズを測るといってもどこをどうやって測ればいいのかわからなかったので、自分の身体にピッタリ合った洋服の幅・丈の長さを測ればいいかと思いつき、適当に採寸。既になんとかなれ~!!の精神。
②型紙を作る
型紙を作るのに衣装の構造を知る必要があります。
ちょうど型紙を作ろうとしたときに『ディストーション』のMVが公開されたので、血眼になりながら視聴。(薮島朱音さんがかわいい)
見たところ、前面の部分と横・後ろの部分の2つに分かれていて、つなぎ目をジッパーで縫い合わせていることが判明しました。(厳密に言うと、前面・横と背面・スカート部の3つに分かれています。)
この情報を基に型紙を作っていきます。
マス目が書かれたハトロン紙を使いましたが、これがとても便利でした。採寸した長さ通りに書き、縫い代を余分に足すだけだったので、ただ定規でまっすぐ線を引くだけ。
簡単じゃん!と調子乗っていたら、問題発生。
カーブはどうするの…?
直線は引けてもカーブは直線定規だとどうしようもありません。調べてみると専用の道具があるらしく、購入を検討しましたが、買いに行く時間もなく断念。
仕方なく気合いの”フリーハンド”で乗り切ります。
なんとか完成し、型紙同士をテープで貼り合わせて、身体に合わせてみる。
まぁ形にはなってる…???気にせず次へ。
③布に転写する
型紙を作り終えたので、布に転写してみます。布生地には裏表があるらしく、この時に初めて知りました。購入した「ツイル」という生地はよく見ると斜線があり、左上がりが「表」で右上がりが「裏」になるみたいです。
(一度、知らずに裏表間違えて転写しました。)
布の上に型紙を配置してうえから線でなぞります。転写後は裁ちばさみを使って裁断していきます。
④ミシンでステッチを縫う
ミシン縫いが一番の最難関ポイントでした。
中学生以来、約10年ぶりにミシンを使います。まっすぐ縫うだけなら良いのですが、問題はまたしても『カーブ』。
ミシンに引っ張られないように少しずつ曲げながら微調整しなければなりません。YouTubeの動画を参考にやってもなかなかうまくいかず諦めかけました。
どうやらカーブ縫いはミシン初心者の最初の壁とも言われているみたいです。
ミシンができなければ手縫いで縫ってみようと思い、チャレンジしたのですが、、、
ご覧の通り、見るに堪えない有様です。
気を取り直して、ミシンでもう一度チャレンジすることに。
今度は縫う前にチャコペンで下書き線を描いてから挑戦してみました。すると…
意外と上手くできました…!!軌道が見えているのと見えていないのでは大違いでした。
この調子でステッチを縫い進めていきます。
⑤ジッパーを取り付ける
ジッパーは左右に「テープ」と呼ばれる縫い代があります。テープ部分に布を重ね、ミシンで縫い合わせていきます。縫い途中でジッパーがずれないように専用の両面テープをあらかじめつけておくことで、難なく縫い付けることができました。
⑥バックルを付ける
バックルを付けるために生地に直接穴を開けていきます。穴を開けたらハトメと呼ばれる金具で穴の補給を行い、バックルを通せば完了。
4.完成‼️
一目見てCatChu!の衣装と判別できるくらいの仕上がりにはなりました。
当初の到達目標が『CatChu!の衣装と認識できるクオリティ』だったので、個人的にはかなり満足です。
実際にファンミ愛知・宮城公演に着用して参加しましたが、長時間着用しても問題なく、耐久性もバッチリでした。
・さいごに
拙い文章でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。
余談にはなりますが…
最近、Liella!のコスチュームブックを購読しました。
この本を読んでいて気づいたのですが、私はラブライブの衣装がただ好き。というより、
製作者が映えるように工面して衣装を製作。
↓
キャストさんが衣装が映えるようにパフォーマンスする。
この『過程』を含めて衣装が好きである事に気づきました。衣装を通じて、製作者とキャストが尊重し合っている相互の"関係性"も素敵ですよね。
画像引用
・ラブライブ!公式サイト
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