無駄な言い訳集め
⚠️ネガ⚠️
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人を大切に思えない記憶が、誰にも話せない思いを発した言葉が、ズブズブと時間をかけて、自分を蝕む夜がある。
蝕まれるのは数時間後か、はたまた数日後か、数年後かもしれない。
こう言う時は何をやってももうダメだ。寝るしかない。寝るしかないにも関わらず、こういう日、寝ることは容易くない。
朝が来るのが嫌で、明日も自分をやるのが嫌で、そんな明日が来るのが嫌で、眠れない。
なんてダメなんだろう、そう自分を責めている方が楽だ。自分はダメだと気がついている、わかっている。その事実は自分を肯定する蓑になる。ズルい。
コンクールで負けた日も、眠れなかったな。
彼氏の浮気に気が付いた日も、眠れなかったな。
大切な人と喧嘩した日も、眠れなかったな。
母親の、葬式の日も、眠れなかったな。
なんで眠れないか、眠れない日は時間の分だけよく考えるので分かっている。目を閉じて、ひとりぼっちで辛いことから逃げられないよりは、ネタを書いたり、読書したりに逃げた方が楽だから。いつか向き合わなきゃいけないし、一旦切り替えて眠る能力を大人になるなら身につけなきゃいけないのに、目を背けて眠らない選択を取った方が楽だから。
こんな日に書いても、いいものが生まれないことはわかっている。それでも、目をつぶって、辛いことに襲い掛かられ、それを振りほどいて切り替えて眠る努力をするよりは、眠らず、望まない朝日に睨みをきかせる方がマシだ。
一度切りかえる、その能力を身につけなければ、生きていくのはとても大変なのに、今日も私はこのノートに逃げている。
眠りにさえつければ、解決することが山ほどある。昔、睡眠学習♪なんて言いながらテスト前に睡眠をとる都合の良い理由にしていたけれど、本当に寝さえすれば気持ちも脳も切り替わる。なのに、寝ることから逃げてしまう。怠惰で逃げてしまう。切りかえる努力から逃げてしまう。
人は死ぬ時は一人だ。
結局、自分と生きていくしかないのに、そんな自分が嫌になってしまう。
スーパーナルシストの私でも、たまにそんな夜がある。
寝るという行為は最も死に近い。
死ぬことを「深い眠りにつく」なんて言うくらいだ。寝てる間、我々生を持つものになす術はない。意識もない、記憶もない。そんな時、人は最もひとりぼっちだ。
死ぬ時は一人、眠る時も一人。恋人と手を繋いでいようが、抱き合っていようが、誰かに見守られていようが、夢の中では一人なもんは一人だ。逆に言うと、家族が怒声を浴びせながら争っていようが、借金を取り立てられようが。眠りの世界に行けば、眠りにさえつけば、一人になれる。
思ってもいない、傷つけたくて発したあの言葉が無ければ、何か違ったんだろうか。
あの日、泣けなかった理由が、いつか分かるんだろうか。
何度後悔してもしたりないこの夜を超え続ければ、ちゃんと一人で眠れるようになるんだろうか。
そんなことを考えても仕方がないのに、今日も、考えることに逃げてしまう。
考え続ける私の夜は、見る人を選ぶ私のネタは、いつか、いつの日か、どうしようもない自分と生きていく理由になってくれるんだろうか。
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