関西大学で放送中の「妖怪オンエア」について #3 (考察)
今日最終回が放送されるらしい、関西大学の学内ラジオ「妖怪オンエア」。考察と大層な言い方をしていますがただの妄想の書き散らしですのであしからず。
これまでの記事はこちら。
基本情報の整理
わんわんわんだーらんど
KBCが放送していると主張している番組。第6回で実際に流れたものの次の回で収録班が行方不明になったとのことで放送休止中。
毎週何らかの動物にフォーカスを当てている動物番組。ペットの写真を募集している。
コーナーは以下。
・ワンだふるなアニマルスイーツ
動物のデコレーションを施されたスイーツ、「アニマルスイーツ」を紹介するコーナー。
・今週のワンポイントトリビア
詳細不明。おそらく動物のトリビアを紹介?
・わんわんワンショット
リスナーから送られてきたペットの写真を紹介するコーナー。写真はKBCの公式Twitter( @kbconair )から確認できる。
また、第7回で大型ペットショップへのロケが予定されていたが中止になったらしい。
妖怪オンエア
関西大学のスピーカーをジャックして放送している、妖怪の妖怪による妖怪のためのラジオ番組。公式Twitterもあるが基本暗号で読むのが大変。オカルトやSCPの話を怪異の目線から語っている。
コーナーは以下。
・今昔風説集
リスナー妖怪からのお便りを紹介。内容は基本都市伝説関連で、時にはお悩みが届くことも。
・特異事件報告委員会
SCP記事やその派生ストーリー(オリジナルもあり)を妖怪目線のニュース形式で紹介。
・御伽九物語
九物語だが第六回が抜けているため八物語になりそうなコーナー。ホラー関連の絵本などを朗読し、たまにトークもするコーナー。コーナー後に都市伝説のある童謡を流すのが特徴。
・今週の愛玩生物
UMA(未確認動物)を飼っている妖怪からのお便りを読み、UMAとの生活を夢想するコーナー。
OPでは毎回ゲゲゲの鬼太郎のOP「ゲゲゲの鬼太郎」と妖怪ウォッチのOP「ゲラゲラポーのうた」をマッシュアップしたものが流れる。
EDでは番組を聴いていた妖怪から番組の話題に即したリクエスト曲が送られてくる。
第6回に何があったのか
「妖怪オンエア」は基本的に「わんわんわんだーらんど」の放送時間を乗っ取っているんですが、第六回だけ失敗しています。これはなぜか?
これに関しては第七回で「人間に一度お祓いの歌『レッツゴー! 陰陽師』で祓われました」と語っているのですが、もう少し詳しく見ていきます。
陰陽師の存在
第五回のEDに届いたお便り。
「妖怪を飼っている」と発言し、陰陽師のアニメの曲をリクエストした「アベノ」さん。その効果は第六回で発揮されます。
第六回の問題の彼。ラジオネームを並べると「アベノセイメイ」となり、「安倍晴明」が完成します。ということで、おそらく陰陽師によるお祓いなのでしょう。楽曲のリクエストを逆手に取る策士でした。しかし完全には祓いきれなかったよう。
生き残った「妖怪オンエア」
私はこの原因を「第六回」というところに感じます。
キリスト教における「666」はヨハネの黙示録の「獣の数字」ということで不吉とされています。今回はそれで弱まった可能性がなくもないのかなと。陰陽道とは異なる宗教なので真偽は不明。
そして「わんわんわんだーらんど」は「妖怪オンエア」の影響を受けます。
わんわんワンショットにSCPが混ざり、EDトークのBGMは叫び声に改変され、リクエストのメッセージはSCP-444-JP。
この「444」という数字が「6」との相乗効果を示したのかも。
こうして呪い返すことにより妖怪オンエアは覇権を握りなおしたのですね。
疑問点
この回で明らかになったことがいくつかあります。
「呪い」としての歌の効果
「妖怪オンエア」は直接放送内容を改変した(EDのBGM)
改変はSNSにも影響
妖怪オンエアの声はわんわんわんだーらんどの声と一致
宣伝画像の背景はウシの皮
ここから生まれる疑問点もいくつか。
妖怪オンエアは毎週関大に「呪い」を振りまいている?
妖怪オンエアはどういうプロセスで乗っ取っているのか
SNSは画像や歌に込められたミーム(≒呪い)の影響なのかまた別なのか
なぜ声が一緒なのか
ウシの皮????
この辺りを考えながらその他の出来事に触れていきましょう。
酩酊街の「ここにいるよ」さん
現在酩酊街の住人となっていると思われる「ここにいるよ」さん。
酩酊街にいるなら忘れられてないといけないのでもしかしたら別人かも。それか「知られていない」なら「忘れられた」に入らないのか?
……そのあたりはヘッドカノンにお任せするとして、いったん同一人物だと思いましょう。
ひとりかくれんぼで自分から自分を隠したこの方。
第七回では酩酊街の紹介記事にて発見されました。妖怪オンエアの方も指摘していましたね。
さらに気になるのはここ。
存在を忘れ去られるとは、妖怪のなかでは死を意味するといってもいい状態なようです。妖怪も忘れ去られたら酩酊街へ行きつくのか、酩酊街に行かないと忘れ去られたときに存在を保てないから「不可逆」というリスクを負ってでも酩酊街へ移住するのか。
どちらにせよ、酩酊街は妖怪にとって「あの世」と言えるのかもしれません。
「わんわんらんど」と「わんわんわんだーらんど」
わんわんらんどが一時的に妖怪オンエアのジャックから抜けたのを「第一章」とするならここからの流れは「第二章」と言えるかもしれません。
存在しないペットショップ「わんわんらんど」
みなさんは「わんわんらんど」をご存じですか? SCPの方じゃなくて。
いや、ある意味SCPの方ですね。
「わんわんわんだーらんど」の人達がロケに行くと主張した「わんわんらんど」はこんなところです。
・1000坪の敷地を持つ日本最大級の犬専門ペットショップ。
・郊外に立地しているにもかかわらず、毎日多くの客で賑わう。
・取り扱う犬種類は最多。
・もはやワンちゃんのテーマパーク。
どこですか、という感じ。スペックだけだと連日CMで見かけてもおかしくないレベルではないでしょうか。実際の、というかSCP記事内の「わんわんらんど」は田舎の廃ペットショップです。どうして実在すると思い込んだのでしょうか。
顛末(「わんわんわんだーらんど」より)
「わんわんらんど」へ赴いた「わんわんわんだーらんど」取材班はどうなったのか。これは2つの目線から知ることができます。
まずは「わんわんわんだーらんど」から。
KBC公式が「わんわんわんだーらんど」について言及した最後のツイートです。これ以降「わんわんわんだーらんど」は放送されていない様子。
案の定というか、やっぱりわんわんらんどはわんわんらんどというか。
その翌週には公式Twitterまでもが「わんわんらんど」に飲み込まれたようです。バッドエンドと言っていいでしょう。
顛末(「妖怪オンエア」より)
わんわんわんだーらんどがどうなろうが、妖怪オンエアは平常運転。なんなら放送中止にならない分乗っ取られててよかったね、というか。
そんな「妖怪オンエア」第八回のニュースで「わんわんわんだーらんど」関連らしき事件が取り上げられました。
SCP-070-JP「わんわんらんどと犬ではないなにか」の通りのことが起きていますね。
大学生たちは無事「犬ではないなにか」に取り込まれましたとさ。
ここで一つ不審なのが、「現担当者の尽力により」というところ。
「わんわんわんだーらんど」収録班を嵌めた何者かがいるとすれば、SCP-070-JPはEuclidまたはKeterまでありうるレベルでは?
どうしてこうなった?
なぜ「わんわんわんだーらんど」収録班は騙されたのか。わんわんらんどの実在性に関してはそういうミーム(または催眠)の可能性があります。
そして、これに関しては「妖怪オンエア」は無関係であると私は考えます。
根拠としては「妖怪オンエア」第八回のニュースでの反応です。妖怪オンエアの方々の反応は「罠にはめた」という感じではなく「因果応報」という感じでした。なんならあまり大学生たち自体に関心を抱いていない様子。
そもそも「妖怪オンエア」の方々が「わんわんわんだーらんど」収録班に悪意を抱くのはお祓いされたときのはず。そして、その時にはすでにわんわんらんどへ向かうことは決定していました。
もしかすると「妖怪オンエア」が振りまいた「呪い」が「わんわんわんだーらんど」収録班に影響を及ぼした結果かもしれませんが。まあこれは陰謀論じみた言説ですね。
総合的考察 ≪「妖怪オンエア」とは?≫
ここまで出た情報から、「妖怪オンエア」とは何なのかを今一度考察します。
スピーカーをジャックした理由は?
まず、「どうして関大のスピーカーをジャックしたのか」というところから考えていきます。
「関大のスピーカーをジャック」というと、否が応でも関大生の耳に音を入れることになるということ。ただ、「妖怪オンエア」の方々は自分たちの声が人間にも聞こえていることに気づいていないような発言もありました。
では関大生の耳に入るのは関係ないのか、というとそうでもないかもしれません。それこそ「呪い」です。
「妖怪オンエア」は呪いとして毎週民謡を流していました。「セイメイ」さんによれば「歌は長い呪文」とのこと。つまり妖怪オンエアは関大に毎週呪いを振りまき続けているのです。
ではなぜ呪いを振りまき続けたのか? 鍵は何度か擦られた酩酊街の住人にあるかもしれません。
「ここにいるよ」
「ここにいるよ」氏は自分の存在を見失い、酩酊街の住人となりました。その時に判明したのが、「妖怪は忘れられたら消滅する」ということ。要は誰かの中に存在を残し続けることが大事というわけです。
そのために「関大のスピーカーをジャック」というのはかなり有用なのかもしれません。マンモス校かつ有名私立の関大には多くの人がいます。その人たちに呪いを伝播し、自分の影響下におければ存在は保ちやすくなるはず。
つまり、「ここにいるよ」という呪いを振りまいているのではないか、ということです。
(単に関大に妖怪がうじゃうじゃいるのかもしれないけど)
妖怪の悪行は存在維持のため?
ちょっと余談です。「妖怪は忘れられたら消滅する」のだとしたら、どんな妖怪も目立たなきゃいけないはずです。目立つ方法として手っ取り早いのは? これに関してはネットが答えを出しています。
「炎上」です。妖怪がその存在を維持するために一番コスパがいいのは、悪行で人の心に残り続けること。だから妖怪は人を怖がらせるのではないでしょうか?
「恐怖」という「トラウマ」は簡単に忘れることはできないので。
(そう考えると、何もしてないのに勝手に存在を世に広めてくれた水木しげるにはそりゃ感謝するわな、という)
妖怪のラジオではなく、ラジオの妖怪
ここまで考えて出た結論が、これ。
「妖怪のラジオではなく、ラジオの妖怪」
妖怪オンエアの話者は全員「私」と名乗り、相手を「私さん」という。
これは両者が同じ存在だからでは?
そして住んでいる場所が「関大の各スピーカー」というのも、そのままの意味だと捉えることができます。
「関大のスピーカーに妖怪が憑りついている」ということです。
そう考えると、妖怪オンエアがスピーカーをジャックするのは当たり前ですね。だってラジオの妖怪なんですから。
妖怪オンエアの声はわんわんわんだーらんどの声と一致するというのも、模倣していたとすれば話は早いです。
「妖怪の妖怪による妖怪のためのラジオ」の「妖怪」も、総称としての「妖怪」ではなく、
「ラジオ妖怪のラジオ妖怪によるラジオ妖怪のためのラジオ」
だったのではないでしょうか。つまり、今回我々を振り回し、呪いを振りまいたのは
ラジオ妖怪「妖怪オンエア」
だったのではないでしょうか。
後記
ここまで非常に楽しませてもらいました。あと数分で最終回が始まります。楽しみにしていますよ、「妖怪オンエア」さん。
SCPクレジット
下記は全てCC BY-SA 3.0に基づきます
・Taboo
by PeppersGhost (公開年:2018)
http://www.scp-wiki.net/taboo
http://ja.scp-wiki.net/taboo
・SCP-444-JP - █████[アクセス不許可]
by locker (公開年:2014)
http://ja.scp-wiki.net/scp-444-jp
・酩酊街ヘッドカノン
by k-cal (公開年:2018)
http://k-cal-scp.wikidot.com/meiteigai
・SCP-1922-JP - 忘れ、行き着く、酔い潰れる
by kyougoku08 (公開年:2016)
http://ja.scp-wiki.net/scp-1922-jp
・SCP-070-JP - わんわんらんどと犬ではないなにか
by broken_bone (公開年:2018)
http://ja.scp-wiki.net/scp-070-jp
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