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【京都大】授業レビュー 2023年度前期

こんにちは、Gappyです。
これを書いているのは2023年11月、前期が終わって3ヶ月も経ってしまいました。
2023年度前期に履修した授業の概要と個人的な感想をまとめてみました。

2023年度前期時間割

まとめ方としては

授業名
担当教員
授業概要(群、分野(分類)、単位数)、とった成績
おすすめ度、難易度
授業の詳細、感想

というふうにしたいと思います。
おすすめ度に関しては必修科目やそれに準ずる科目は「必」をつけています。
それではどうぞ。

※中国語は文法・演習をセットで取ることが前提になっているのでレビューもまとめています。

全学共通科目

基礎物理化学要論

中村先生
自然群-化学(基礎) 2単位 B(81)
【おすすめ度】必
【難易度】★★★★☆

物理化学の基礎(簡単という意味ではない)を半期で触ることができます。対面授業が基本ですが、授業資料はPandAで配布&Zoomで配信(録画なし)なので出席しなくても問題ないです。
難易度は私の頭が足りていなかったのか1回生向けにしては重い気がしました。半期で1冊の教科書を完成させるので1回あたりに進むペースが速く、予復習をしないと基本的に付いていけません。また、PandAで配られるスライドも計算過程が省略されていたり、かなり難解な参考文献を参照していたりするので、試験前だけスライドを見て勉強するのはかなりしんどいです。要予復習!!!
学期で2回レポート課題が出て、それが成績評価の2割になります。このレポートがかなり大事で、成績になるならないを抜きにしても復習として最適なんですよね。理解が遅れていたとしてもこのレポートに真面目に取り組んだので多少は噛み砕けた気がします。
期末試験は学期中のレポートから数問全く同じ問題が出るので、よく復習しておけば単位は来ると思います。


日本国憲法

音無先生
人社群-法・政治・経済(基礎) 2単位 B(80)
【おすすめ度】★★★★★
【難易度】★☆☆☆☆

授業名の通り、日本国憲法に関する授業です。完全オンラインで、資料は全てPandAで配信される上、試験100%の授業だったので初めの数回しか講義を聞いていないです。教科書の指定がありますが、授業は講義スライドに関する話しかしないので買わなくて大丈夫でした。
試験は論述問題が3題、授業で扱った事項説明問題が2問、授業で扱っていない事例に関する合憲性判定の問題が1問の計3問です。事項説明問題は授業資料をよく復習すればある程度書けます。目的手段審査に関しては正解がない問題なので、手法に関してよく勉強した後はなんでもいいので合憲性を問う裁判を探して、それに関して自分なりに論じる練習をすると良いでしょう。試験前に数日勉強すれば単位は貰えるのでおすすめです。
あと、補足ですが日本国憲法は教職免許に必要な科目なのでCAP超過しても届出すれば履修できます(学部学科によるので要確認)。


線形代数学(講義・演義)A

永見先生・菊地先生
自然群-数学(基礎) 3単位 A(86)
【おすすめ度】必
【難易度】★★☆☆☆

理系なら必ず取ろうね、というタイプの授業。この科目が前提になってる授業は山ほどあります。とは言っても、単位取得自体はさほど難しくないです。
まず講義が毎週月3にあります。数研出版『線形代数』の半分ほどを半期で学習します。授業はPandAで配信されるプリントが中心ですが、かなり解読が難しいので教科書と並行して読むのが良いです。授業の最後に簡単な問題を1〜2問だけ解いて提出すれば出席点が貰えます(どれくらい貰えてるか分からないし、そもそも出席点なしの先生も多い)。先生は熱意があるのか速く話しすぎてよく息切れしていました。あと昼ごはんを食べてからの3限ということもあってとても眠かったです。
さらに講義とは別に、隔週火2に演義の授業があります。講義の内容と連動した例題の解説を聞いたあと、残った30分ほどでめちゃくちゃ簡単なクイズを提出するだけです。演義では課題が出ますが、これは授業中に解説した例題の類題なので、授業に出席していれば満点取れます。
成績評価は期末試験7割と演義成績3割です。演義の授業中のクイズと課題を提出しておけば多少ミスがあったとしても20点スタートなので単位は貰いやすいです。期末試験の問題は演義の課題で扱った問題の類題や簡単な計算問題なのでほとんど勉強しなくても7割くらいは取れます。証明問題はそもそも正解させる気がないと先生は仰っていましたが果たして……?
この授業は成績が60点を下回った場合でも40点あれば追試を受けれるのでそのラインは死守しましょう(正直、演義に出席していれば60点を割るようなことにならないですが……)。


情報基礎演習[工学部]

小谷先生・加藤先生
情報群-(基礎) 2単位 B(82)
【おすすめ度】必
【難易度】★☆☆☆☆

LaTeXやFortranについて学習する授業です。出席はありますが、ICではなくPandAで一言の感想を書くだけなので一切出席しなくてもなんとかなります(良い子は出ようね)。地球工学科ではFortranを1回後期の般教でも専門でもバリバリ使うので、履修しないのは悪手です。
成績評価は各回の課題が3割で、最終レポートが4割、期末試験が3割なので、レポートさえまともに取り組めば単位はきます。しかも最終レポートは課題で作ったファイルを1枚にまとめて、追加で少しコードを書いたりするだけなので簡単です。
期末試験はコンピュータやLaTeX、Fortranに関する簡単な知識があれば解けるので、テキストを確認しましょう。私はレポート評価7割に甘んじて試験にノー勉で挑んだ結果、A評価を逃したので、期末試験は勉強しましょう。
教科書の指定がありますが、それと別に配られるテキストさえあれば全く困らないので買う必要はないです。


英語リーディング

中森先生
外国語群 2単位 A(86)
【おすすめ度】必
【難易度】★★☆☆☆

先生が言語習得理論の専門家なので、その理論に関する先生の論文を読む授業です。大量の文章(半期でA4判200ページくらい)を扱うので精読するというよりもスキミングするような読み方が身に付きます。
出席点が2割で残りは中間試験、期末試験が4割ずつでした。
授業ではICによる出席は取らず、授業内の課題を提出することで出席になります。聞いた話だと6回休んだ人でも単位がもらえたらしい……?授業内の課題は英問英答問題で、出題後しばらくしたら先生が解答箇所を教えてくれるので話を聞いていれば問題ないです。
中間試験も期末試験も形式は同じで、参照なしで英語学習に関する要点をまとめて、自身の経験や今後の学習についても言及するといったものでした(もちろん英語)。とにかく量を書いておけば単位きます。
ちなみに、中森先生は再履になった人にもおすすめらしい(そもそも再履なんかなるなという話ではある)。


自然現象と数学

松井先生・浜先生
自然群-数学(基礎) 2単位 C(71)
【おすすめ度】必
【難易度】★★★☆☆

これは線形代数微分積分を実際の現場で扱う講義です。前半は松井先生が担当で、簡単な微分方程式を扱います。毎回小ネタを用意してくれて面白かったです。後半は浜先生が担当で、梁の力学を行列を通して考えるというものでした。
難易度としては前半は微分積分学A(次項)で扱わない範囲なのでちゃんと勉強しないといけないです。後半は計算自体は簡単なので、授業さえ聞いておけば問題ないです。
成績評価は試験と出席の両方を使いますが、配分は覚えてないです(そもそも言ってたか?)。
試験は前半の内容を中間試験で、後半の内容を期末試験で問われる形式です。松井先生の試験は過去問があったのですが、リサーチ不足で(というか勉強する気がなかった)手に入れられなかったのでボロボロでした。浜先生の試験はそれなりに勉強していたつもりだったんですが、こちらもさほどの出来だったので結果として今期唯一のC評価……
最低でも1週間前から試験勉強はしないといけないという反省を得ました。


微分積分学(講義・演義)A

明石先生・梶原先生
自然群-数学(基礎) 3単位 A(88)
【おすすめ度】必
【難易度】★★★☆☆

こちらも線形代数学Aと同様、理系なら必ず取ろうね、というタイプの授業です。この授業を前提している科目はかなり多いのではないでしょうか。
この授業では、高校数学でも扱う微分積分を再定義した上で扱います。講義と演義に分かれているシステムは線形代数学Aと同じです。講義が毎週水3にあり、演義が隔週火2にあります。線形代数学Aの演義と交互に授業がある感じですね。
講義は学術図書出版『理工系の微分積分学』の半分ほどを半期で扱います。とにかく理解不能。新しい用語などがあるのはまだ耐えれますが、定理の証明は本気で何を言ってるか分からなかったです。これを好きでやっている人がいるのは素直に感服です。そもそもこの教科書は割と難しい部類の教科書(後期の先生が言ってた)なので、読みこなすのも無理でした。なので教科書と別に数研出版『微分積分』、『チャート式 微分積分』を参考にしていました。
演義は授業中にガッツリ演習問題を解いて提出するタイプの授業でした。授業中の課題は書いていればOKなので分かるところだけ解いた後は板書を写すだけです。宿題も出ますが、授業中に扱う演習問題の類題だし、正答でなくても取り組む姿勢があれば3点中2点は貰えるので特に問題ないです。
成績配分も線形代数学Aと同じで期末試験7割、演義成績3割です。
期末試験は演義で扱った問題の類題がメインで、「講義であれほど扱った証明はどこにいってん!?」という感じでした(証明問題メインやったら確実に落単してたけどね)。そういうわけで難なく単位はもらえましたが、授業の理解度はかなり低いのでまずい……。
こちらの科目も成績表の成績が40点以上60点未満の場合、追試を受けることができます。


英語ライティング-リスニングA

高橋先生
外国語群 2単位 B(84)
【おすすめ度】必
【難易度】★☆☆☆☆

いわゆる“ライリス”の授業です。エッセイ書く授業ですね。私のクラスは前期が日本人の先生でした。高橋先生はめちゃくちゃ優しい。誰も課題をやらないので数回で課題が無くなりました(←カス)。
成績評価は、シラバス通り、授業内課題60%、リスニング30%、学術語彙10%です。授業内課題は、パラグラフライティングが10点、ファイナルエッセイの下書きが15点、ファイナルエッセイが35点でした。ファイナルエッセイはほとんどの人が満点だった(ここまでユルいのは高橋先生だけだと思う)と思うのでそうそう単位を落とす人はいなかったと思います。
リスニングはgorillaの履修状況とリスニングテストで成績がつきますが、gorilla真面目にやってればリスニングテストは悪くても6割程度は取れるので、gorillaを真面目にやれ!! Nottaっていうサービス使えばスクリプトを書き起こしてくれるので復習したい人は活用してみてね。
学術語彙は平均して7点くらい?真面目に勉強すればよかったね。

ILAS Seminar-E2 :Critical Thinking in Ethics

Campbell先生
少人数群 2単位 A+(100)
【おすすめ度】★★★☆☆
【難易度】★★★★★

今期唯一のE科目ですね。1回前期からでも取りやすいということでILAS Seminar-E2を履修することにしたのですが、本当に大変でした。まず初回の段階で私は予想を大きく裏切られたわけですよ。「……あれ、日本人ほとんどいなくね?」
授業名で分かると思いますが、この授業は哲学に関するゼミなのでそもそも人気が無かったんです(事前登録の段階で定員大幅に割ってた)。じゃあ日本人5人くらいで授業するのかな〜、と思って教室に行ったら留学生が15人くらい、日本人は自分含めてたった4人! しかも私はコミュニケーション苦手なので英語で自己紹介すらままならなく、マジで履修取り消しするか考えましたね。その後何度か授業に出て留学生の子と仲良くなってなんとか履修しきりました(ちなみに、初めは4人いた日本人も、最後には僕と、帰国子女で英語ペラペラな子しか残ってませんでした)。
授業では、英語力というより英語が喋れなくてもその場に居続けるメンタルの方が育ったんじゃないかと思います。仲良くなった留学生の子は日本語ペラペラだったので私は本当に英語で喋ることがほとんどなかったです。これを今になってめちゃくちゃ後悔してます。普通に大学行ってても英語ネイティブと喋る機会なんて無いですからね。せっかく取るのなら英語で喋る努力はした方が良いです(英語を聞き取るのは思いの外できるもんですよ)。
成績評価は、シラバス記載のものから変更されて期末レポート100%でした。。これはびっくりでしたが、書いて提出したら全員100点と先に言われていました。その約束通り、ちゃんと100点貰い、今期唯一のA+(←もうちょい頑張れ)になりました。
Campbell先生は本当に優しくて、細かくは書きませんが英語が喋れなくても授業に参加できるように色々工夫してくださったので本当に感謝してます。人社のE2も担当されているので良かったら取ってみては?

基礎有機化学I

藤田先生
自然群-化学(基礎) 2単位 B(82)
【おすすめ度】★★★★☆
【難易度】★★☆☆☆

名前の通り、有機化学の授業です。高校科学で発展事項として学習する電子軌道や分子構造(これ調べたら新課程で扱うらしい……)、反応機構など、有機化学の基礎を学びます。
この授業はクラス指定だったのですが、準推奨だったので履修していない人も多かったですね。授業は教科書のほぼ全部を扱いますが、高校で聞いたことがある話も多いのでそれほど付いていくのも苦労しませんでした(まあ化学好きだし)。教科書に沿ったスライドを用いて授業は進みますが、後日スライドもPandAで配信されるので授業に出れない人でもなんとかなります(2限なんだし出ろ!!)。
成績評価は期末試験8割、学期中に提出するレポート2割です。出席点はありませんでした。レポートは採点なしで提出状況だけ見られるので、分からなくてもとりあえず出せばOK。期末試験は8割くらいは過去問と同じ問題ですが、用語説明問題はすべて入れ替わるようなのでよくスライドを見返しておきましょう(しかもここは配点高いらしい)。
コースによって有機化学を今後必要とするかは異なりますが、単位取得は難しくないのでおすすめしておきます。

中国語IA(演習)・中国語IA(文法)

(演習) 姜先生 外国語群 2単位 B(76)
(文法) 小出先生 外国語群 2単位 B(81)
【おすすめ度】★★★★☆
【難易度】★★☆☆☆

中国語の授業です。英語以外の外国語を学ぶのはもちろん初めてなのでちょっとワクワクしてました。初めて3回くらいは発音の練習で、その後簡単な文法を習います。日本語や英語と異なり、中国語は声調言語という、音の高低で意味を区別する言語(言語論は専門外なので間違えてたらごめん)なので、発音がかなり重要です。
演習では3回の授業につき1回、文法では指定教科書の文法編1章につき1回小テストがあります。どちらの授業でもこの小テストが成績の2割を占める上、復習にも役立つものなのでそれなりに勉強しました。
成績評価の残り8割は期末試験です。演習は4択問題でHSK(中国語の検定試験)に似た形式のものが出されます。文法では記述問題が中心で中文日訳や日文中訳、整序問題などがあります。どちらの試験も教科書の内容しか聞かれないので、文法や単語をよく復習する必要があります。
いわゆる二外の中では簡単な方だと思うので特別興味がある言語が無ければ履修しても良いかもしれません。

物理学基礎論A

八木先生
自然群-物理学(基礎) 2単位 A(86)
【おすすめ度】必
【難易度】★★★☆☆

この授業では古典力学を扱います。高校の時とは異なり、ベクトルや微積分を前提として使うので数学が苦手だと苦労するかもしれません。指定教科書の半分くらいを半期で扱います。完全対面で授業もスライドではなく手書きの板書だけで進みます。ただ、教科書の内容以外を触ることはないので、自力で勉強することも不可能ではないです。
成績評価は期末考査と平常点が最も成績が良くなるような配分で合算されます(10:0〜8:2)。毎週教科書の演習問題1問が課題として出て、これが平常点になります。遅延提出も可能なので、必ず全ての課題を出しましょう。期末考査は課題で扱った演習問題や、課題としては扱っていない教科書の演習問題から6問出題されます。きちんと復習していれば6割は必ず取れます。
ちなみに、ここで扱う知識は後期の物理学基礎論Bや力学続論でも必要なので十分な理解が必要です。

基礎化学実験

自然群-化学(基礎) 2単位 B(79)
【おすすめ度】必
【難易度】★★☆☆☆

今期唯一の実験科目です。地球工学科だと般教の実験科目として基礎化学実験および物理学実験の履修を強く勧められているのですが、話を聞く限り物理学実験は鬼単(いわゆる鬼単とは違い、単位取得率は低くないものの負担が大きすぎる)なので、基礎化学実験を履修することにしました。
びっくりなことに出席点だけで52点(4点×13回)あるので、単位は余裕でもらえます。
授業の前には実験ノートを作る必要があり、大掛かりな実験なら1時間くらいかかります(丁寧に作れば……)。これがないと実験がそもそも成り立たないので必ず用意しましょう。実験自体はそれなりに面白いので、授業に行きたくないと思うことはなかったです。
実験後はレポートを書く必要があります。レポートは提出点が1点、内容点が3点満点で、それなりに適当に取り組んで2点、提出点と合わせて3点といったところでしょうか。1分野につき4回実験をし、1分野につき1点以上のレポートが最低1つないと単位がもらえないので、毎回適当なレポートを出しているとそもそも単位認定の基準から外れることもあるので注意してください。
大事なことなので念押しです。2コマ2単位だからといって取らないと鬼単の物理学実験から逃げられなくなるので履修してください。

専門科目

地球工学総論

2単位 A
【おすすめ度】必
【難易度】★☆☆☆☆

1回生前期唯一の専門科目かつ地球工学科の数少ない必修科目です。
授業は全体講義とゼミに大別され、全体講義では土木、資源、環境全ての分野について学習します。ほとんどの全体講義では簡単なレポート課題が課されます。また、全体講義の一環として桂キャンパス見学があります。いくつか研究室を見学できて楽しいです。
ゼミは1グループにつき2つの研究室が割り当てられ、分野は選ぶことができません。内容も研究室によってまちまちで、レポート発表を課す先生もいる一方で、フィールドワークの課題を出す先生もいます。数は少ないですが全く課題を出さない先生もいます。
成績評価は出席状況とレポートなど課題の提出状況で評価されます。
これを落とす人間はいません(断言)。(本当に何もしなければ落単するかもしれませんが……)

いかがでしたか?
ぜひ皆さんの履修登録の一助になればと思います。

それではまた。

外部リンク

京都大学シラバス

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