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初心者の戦型選択について(なぜ奇襲はいけないのか)

はじめに

こんばんは。ヤマンザ子です。

「初心者のうちから奇襲を学ばせるべきではない。」というのは多くの将棋ファンが思うことでしょう。しかし、なぜ「奇襲がよくないか」というのは結構論理的に説明するのは難しいです。上達の妨げになるというエビデンスがあるわけでもないですし。将棋指しというのは多かれ少なかれ奇襲にボコボコにされたことがあるわけで、「自分がされたら嫌だからそう教えてるんじゃないの?」という邪推さえ脳裏をよぎるかもしれません。

そして、「趣味としてやるんだから奇襲でもなんでも好きなの指せばいい。」という方もいるでしょう。私は奇襲反対派で、趣味として将棋を始めたいという方にこそ奇襲はやってほしくないです。その理由を今から書き綴ろうと思います。

趣味のコミュニティ

趣味というものは、「完全に一人で楽しむもの」と「ある程度コミュニティの中で楽しむもの」の二つがあると思います。例えば、前者はジョギングや芸術鑑賞、後者はテニスや音楽を演奏することなどがあるでしょう。将棋は、インターネットの普及で前者としても後者としても楽しめる趣味ではあります。別に24やウォーズで黙々と指してもよいですし、部活動や支部、友達などと仲良く指すのもよいでしょう。
ここでは主に後者の楽しみ方を目指す方に向けたお話を展開していこうと思います。

仲間内で楽しく将棋を指す場合

友人などと将棋を指す場合に、奇襲しかできないと「アイツとやっても奇襲ばっかされてイヤ」となりかねません。特に初心者同士だとなまじ奇襲がハマっちゃう(有段でもハマるときはハマる)ので、「アイツとはもうやりたくない。」と仲間と疎遠になるリスクがあります。初心者同士だとスマブラでカービィの下Bばっかするやつと対戦するのだるいし負けたらムカつくじゃないですか。あんな感じです。
人間である以上、どうしても好き嫌いがあります。好きな戦法、嫌いな戦法いろいろあるでしょう。仲間内で仲良く将棋を指す場合、わざわざヘイトを集めやすい戦法を指し続けるのは得策ではないと考えます。たまに指す分には面白いのでいいと思います。

将棋教室の場合

将棋教室に通われていて、そこの生徒同士で指す場合は、教えられた戦法に準拠したほうが無難です。先生が丁寧に教えた棒銀や矢倉、四間飛車をガン無視で鬼殺ししてたら先生悲しいでしょ。将棋は人の嫌がることをするゲームですが、履き違えないように。人間関係を意識した戦型選択を心がけましょう。(個人的にはそういう生徒がいたら棋力でボコボコにして改心させたくなります)

仲間と切磋琢磨して強くなりたい場合

仲良く指す仲間ではなく、「仲間で強くなりたい!」という思いで指す仲間の場合もあるでしょう。そういう場で奇襲を指す場合もお勧めしません。なぜかというと、一緒に指す仲間の経験値が偏るからです。
将棋には色んな戦法があって、それぞれの経験値があります。奇襲ばっか相手させられてると、その奇襲への対応はうまくなりますが、ほかのメジャー戦法に対する経験値が入りません。
そして奇襲を指す側も、対策されるとどうにもならないので頭打ちになりがちです。となると、奇襲する側もされる側もあんまり強くなってないということになりかねません。極端なことを言うと、奇襲だけできる初級者と奇襲の対応だけうまい初級者ができあがります。lose-loseですね。
あと、「四間飛車の対策勉強したから練習対局付き合って。」みたいなのの声は奇襲マンにかかることはないのでそういった意味でも損だと思います。

一人でネット将棋を楽しむ場合

これはもう「好きにせえ」という感じですが、先述の通り人間には好き嫌いがあります。嫌われやすい奇襲ばかりやっていると、「こいつ奇襲してくるやん。おもんな。負けたら接続切ってきそう」と思われることになります(将棋ファンの多くは、「奇襲してくるやつとコナンの犯人みたいなアバターの奴は切断厨なり不成厨なりのマナ悪だ(コナンの犯人アバターは奇襲もしてくる)」という偏見を持っています。)。それが気にならないなら好きにしたらいいと思います。ただし、奇襲はいいですがマナー違反はやめましょう。

さいごに

長々と書きましたが、今回は上達という観点よりも、人間関係を重視した奇襲の是非についてでした。奇襲ばっか指すのは人間関係においてリスクが大きいと思います。上達という観点については私よりも強い人が書いてくださるかもしれませんね。


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