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“奇をてらう”空間デザインの手法

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「奇をてらわない」というデザイナーはたくさんいるが、「奇をてらう」というデザイナーはなぜかいない。 「奇をてらう」意味: わざと普通と違っていることをして人の注意を引こうとする。…
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#設計事務所

20年の仕事をふりかえる7(16年前)

【2006年/キルビルを再現したパチンコ店】 パチンコ店ランドマークEXのリノベーション。パチンコ店はやはり入店時にテンションが上がる方が良い。 映画が好きで、いつもを色んな映画を見ながら空間のコンセプトを練るが、(そう言えば昔、空間作りは映画制作に似ていると、うちの親父も言っていた。)この頃はタランティーノにハマっていてキルビルの影響がモロに出た案件。キルビルの誇張した和の世界観に惹かれた。 エントランスの土間を掘り下げ、強化合わせガラスの床下に石庭を作った。頭上を鏡

20年の仕事をふりかえる 4

【2003年】一級建築士を取得し、初めて設計した鉄骨2階建の小さな店舗。ファサードの柱をV型に、外壁面をVの両辺に沿ってランダムに出入りさせた。1つの枠組みを決めて、その中でランダムに動きをつけるのは今でも好きな手法。これは大学時代の恩師、末松利紀先生の影響かもしれない。末松先生は私と同じくギタリスト。デザインには「リズムとノイズ」が必要だと仰っていた。 KTXアーキラボ 建築設計事務所 KTXアーキラボ オフィシャルサイト

20年間の仕事をふり返る3

【18年前: 鉄板焼 憩家】 初めて月刊商店建築さんに掲載して頂いた思い出深い案件。天正三木屋さんに続き、ここでは壁面を伝う滝を作った。 エントランスに一部生簀を兼ねた池を作り、池に渡したガラスの橋を歩いて店内に入る。水中ポンプで壁の上端まで池の水をポンプアップし、そこからオーバーフローさせて水を落とす。やはりここでも水の動きに悩まされた。 石貼りの壁全体的にまんべんなく水が流れてほしいのに、水は束になって枝分かれして落ちる。水を流した瞬間「なんでやねん」となった。オーバ

20年間の仕事を振り返る2

【19年前:天正 三木屋】 地下防空壕が出てきてびっくりした案件。クライアントは天正時代の三木城主の末裔。贈答用の手延べうどんを製造し、オンライン販売されていた。事業拡大のため試食もできる直売所をつくりたいというご依頼でした。注文が入れば、エントランスに設置したカマドの羽釜でグツグツとうどんを茹でる。大きな御影石の天板からの湧水が水盤へと流れ、絶えず水の音を響かせる。 工事が始まって水盤を作るため重機で土間を掘削したところ、地面にえらく大きな空洞が口をあけた。重機が転落して

再生

WAF-INSIDE 2019アムステルダム大会優勝時のプレゼン動画

空間デザインのワールドカップ INSIDEは2年ごとに決勝の舞台を変える。審査員とオーディエンスの目の前で行われるライブプレゼンテーションでその年の世界一のデザインを決めるエキサイティングなデザインアワード。決勝に参加するファイナリストにはザハハディドやBIG、ネリ&フー、OMA、MVRDV、へザウィック、日本からは日建設計など、超有名な建築設計事務所が名を連ねる。 動画は2019年アムステルダムで行われた決勝戦にて弊社の作品 Cloud of Luster(結婚式場チャペルの設計)が優勝したときのもの。 10分間のプレゼンの後、8分間の質疑応答。全て英語で行われる。 World Architecture Festival 公式チャンネルの動画のため日本語字幕なし。 作品詳細はコチラ↓ Cloud of Luster by KTX archiLAB https://ktx.space/2019/03/21/cloud-of-luster-chapel/