雨ヲ喜ビ風ヲ楽シム
11月15日、無事に130期ボートレーサー養成所入所試験の1次試験が行われました。
1次試験はまず
中卒程度の国語数学理科社会の問題が1教科につき15問の全60問が制限時間40分で行われ、
その後に体力テストを下の順番で行います。
❶ 握力(両手で90kg以上)
❷ 背筋力(140kg以上)
❸ 立位前屈(20cm以上)
❹ 上体反らし(60cm以上)
❺ 垂直跳び(60cm以上)
()内の数字は合格者の平均と言われている数値です。
学科試験は8割以上と言われているので48点以上が目安になります。
あくまでも目安なので、その時受けた人がレベルが高ければ数値は上がりますし逆もあります。
自分が受けた名古屋の会場には4つの支部の受験生が集まり、200名程の受験生がいました。
この中から1次試験を合格するのは30〜40人くらいです。
2回1次試験をパスしていますが、決して簡単ではありません。
自分が以前受けてた時は学科試験が60分だったので戸惑いつつも何とか全科目を時間内に終えることができました。
試験結果がこちらです。(答案は渡されないので推測になります)
学科試験
60問中迷った問題が6,7問。おそらく50点前後
❶ 握力 92.5kg
❷ 背筋力 135kg
❸ 立位前屈 25.5cm
❹ 上体反らし 48cm
❺ 垂直跳び 65cm
めちゃめちゃ良いわけでもないですが、悪くもありませんでした。
そして5日後に結果の入った封筒が届きました。
不合格でした。
ボートレーサーを目指し始めて3年になります。
今の会社に入って、この試験に合格してボートレーサーになることを目標に頑張ってきた1年2ヶ月の月日はたった1枚の紙によって、儚く散りました。
現実は厳しい。残酷だなと思いました。
ボートレースは他のスポーツとは違い、
その競技を行なって合否をつけるものではないのであのボートに乗ることさえも許されずに、スタートラインに立つこともできずに終わります。
本気になって夢を追うことは容易ではありません。
2回目の試験で初めて2次試験に行き、今回が最後と決めて臨んだものの合格できませんでした。
その時の自分は、夢ができた時に使うと決めていた貯金を使い果たしていましたが、
初めての2次試験を受験して自分が感じた課題を克服すれば受かるかもしれないと思い、後悔したくなくて親にお願いしてお金を借りて3度目の試験を本当に最後の1回と決めて受験しました。
全てをやり切りました。
もうこれ以上やれないと言える程やり切りました。
でもまた、2次試験で不合格でした。
ちなみに2次試験は福岡のボートレーサー養成所で3泊4日で1次試験に合格した人と推薦の人の計200人程度で行われます。
そして3日間で2次試験の全ての科目を終え、4日目の朝に200人全員が荷物を持って講堂に集まり合格発表が行われます。
ひとりひとりに養成所番号と言う番号が割り振られており、合格者の番号が1番から順番に発表され、不合格者は番号を飛ばされる形になり、不合格だった人はそのまま荷物を持って既に用意されたバスに乗せられ近くの駅で降ろされすぐに解散になります。
1回目の2次試験に不合格になった時は帰りの飛行機で「この飛行機落ちないかな」と思いましたが、
2回目の2次試験に不合格になった時は、正直清々しい気持ちでした。
俺ってここまで本気になってやれるんだな、という自信になりました。
親にも、
不合格だったけど全力出したし、ここまでやれて清々しい!という話をしたら
よく頑張った。
これでお前の自信と力になればいい
いい経験ができたと思う、頭切り替えて前見ていけばいい。
借りたお金は返さなくていいからね、お金の心配したらなんもできんくなるからな
と、言ってくれました。
言葉がでませんでした。
そして今の会社に入り、
最後の可能性である"ツテ"がここの会社にはあるかもしれない、それならもしかしたらもう1回頑張ったら受かるかもしれない。
そういう思いで1年2ヶ月の間、色んなことがありながらもボートレーサーになる夢の為だと思って今回の試験まで頑張ってきました。
当たり前ですが、
苦労すれば夢が叶う訳ではありません。
全力でやれば夢が叶う訳でもありません。
でも、その場にいなければ夢は叶いません。
でも、本気でやればやる程不安は大きくなり、試験に落ちた時の辛さも大きくなります。
今回4度目の試験になりますが、
過去3度の試験と違うところが1つあります。
それは、
『周りの人の為に頑張ってきた』
ということです。
今回の試験は、自分の試験に向けたトレーニングなどをSNSで発信するようにして、
自分を支えてくれる周りの人達が自分が頑張っている姿を見て少しでも、
自分も頑張ろう!
と思ってもらえればなという恩返しの気持ちがあって頑張ってこれました。
今までの試験は自分がなりたい、という気持ちが強かったのですが今回に関しては、先程話した親だったり家族だったり、前回の記事で話したしんどい時期に支えてくれた友達や今まで関わってきた人たち、そしてボートレーサーになった暁には自分の知らない人にまで影響を与えられる人になりたいと思ってやってきました。
試験は1次試験で落ちてしまいましたが、
今までにないくらい多くの人が、
かっこよかった!
お疲れ!
自分も頑張ろうと思えたわ!
熱かった!
などとコメントをしてくれて、
少しでも誰かの為になれたかなと思うと、
なりたい自分に近づけた気がして嬉しい気持ちになりました。
もちろん、ボートレーサーになって恩返しするのが1番良かったのは間違いありません。
今後については、まだ考え中です。
前述した通り、本気になることは容易ではありません。
でも、いつまで続くかわからない人生の中でまた何かに夢中になってチャレンジして、今回以上に嵐のような出来事が起きても、怯まず、驕らず、溌溂と生きていきたいと思います。
雨ヲ喜ビ風ヲ楽シム
Vamos
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