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Nintendoって何が凄いの?

私が生まれた次の年にファミコンが誕生してから、現在までの三十数年間…欠かさず側にあった身近な遊びがゲームでした。

最近ではスマホの性能がかなり向上し、一昔前の据え置き機(PS2やPS3くらい)レベルのゲームが、普通に携帯で遊べる様になり、驚きを隠せません。

そんな中、コロナ禍やStay Homeの影響もあって爆発的に売り上げを伸ばしたのがNintendo Switchではないでしょうか?

みなさん既にご存知かと思いますが、このNintendo Switch…非常にスペックが低いです。TV出力の解像度も最大で1080p(要は200万画素)なので、下手したらスマホゲームよりグラフィックはショボいんですよね。

じゃあ、なんでこんなにも注目されて売れ続けるのか。Nintendoの昔から変わらない姿勢にその秘密があります。

小さい頃、私は親から何度も怒られました。スーパーファミコンの本体を買うときに、同時に買ったソフトがファイナルファイトだった時のことです。

『なんであんたは人を殴ったり蹴ったりする暴力的なゲームがいいの?』

私の中では今でも覚えているくらい衝撃で、心にずっと残っている言葉です。確かにゲームといえば、今はあつ森とか平和なゲームも多いですが…昔も今もまだまだ多くが…というか殆どが『戦い』のゲームですよね。

ドラクエも、FFも、スト2も、モンハンも、バイオハザードも、GTAも…どこかに血の要素があり、殺しの要素があるリアルなゲームが非常に多いです。とても我が子の前では遊べません。変に影響されたり真似しちゃうと怖いので。

Nintendoのゲームは、一部を除いて殆ど血が出ません。死亡も滅多にありません。かといって子供向けのゲーム専門会社かといえばそうでもありません。コロナ禍で最も売れたゲームは『あつまれどうぶつの森』であり、一切の戦闘がありませんし、買っているのも遊んでいるのも殆どが成人です。

さらに、ゲーム機といえばグラフィック性能や絶対的なスペックが重視されがちな業界にありながら、Switchは必要最低限の低スペック。でも何倍もの性能を誇るPS4やXboxシリーズより圧倒的に売れてる事実がある。

この戦略、私が生まれた頃から(ファミコンの時代から)一切ブレてないんですよね。で、この考え方ってYouTubeにも少し通じるものがあるんです。

YouTubeもまた、他の最強サービス(例えばNETFLIX等)に比べて桁違いにすごいコンテンツがあるわけでもないし、画質も4Kの動画なんて少ないし、絶対的なスペックは低いんですよ。でもなぜかクセになる。特にうちの息子の様な2〜3歳児前後の子供たちは、もう放って置いたら1日中見てますよ。ホントに中毒性がありすぎます。最近ではキッズ用もありますし。

Nintendoの凄いところは、まさにそういうところ。飛び抜けて素晴らしい性能でもないんだけど、何故か分からないけどクセになるんですよ。画質が悪かろうが関係ない。物事の本質を見抜いているし、射抜いているんです。

私はこの度、ご縁があって購入権利が抽選で当たったのでSwitchを購入してみました。開けて遊んでみて最初に思ったのは『うーん、スマホで十分じゃないのかなぁ』という第一印象。でも遊んでいくうちに、色々とクセになる仕掛けがあるんですよ。

まず、会員サービスがすごく安い!1年契約で2,400円です。それさえ払ってしまえば、ファミコンとスーパーファミコンのソフトが無料で遊べちゃうし、ダウンロード版のソフトを安く買える特別なチケットも買える様になるし、ゲーム内で使用する限定アイテムだってもらえちゃうんです。私は頭で考える前にポチって契約してました!笑

次にというか、Switch既に持ってる人はご存知かと思うんですが、携帯できるゲーム機なのに、TVに出力して大画面で遊べちゃうこと。これって昔誰もが夢見た未来のゲーム機の姿ですよね。Nintendoはそれを普通に実現させてきた。コントローラが左右別々に外れるという奇想天外な提案で。

そして何よりも、子供と一緒に、家族と一緒に安心して楽しめる。敵を殺さない、血塗れにならない。多くのソフトが本当に平和なんです。なのにクセになる。楽しい。みんなで共有したい。あぁ何て最高なんだ!っていう図式になっちゃうんです!笑

相手を倒す、殺すことに私のゲーム人生の多くを注いできましたが、そういうことが面白さとイコールになるわけでは決して無いんだな!と改めて痛感しました。

話は少し脱線しますが、私が東京でアパレル のグラフィックデザイナーとして働いていた頃、一緒にガンダムの30周年プロジェクトを進行していたバンダイさんの紹介で、任天堂さんとコラボさせていただく機会がありました。

その時に思ったのは、任天堂さんって何か他の会社とは違うんですよ。うまく言えないけど、1つ1つの作業や確認もせかせか急いでいないというか、時間をかけてでも良いものを確実に生み出そうっていう姿勢を強く感じて…あぁ、こういう会社の風土だから、無理にスペックを突き詰めたりせずに、良い作品がたくさん生まれるんだなぁって思いました。

せっかく購入権利が当たったSwitch、これから家族でじっくり楽しんで使いたいと思います。

そして私自身、任天堂の様な『絶対的なスペックで勝負するんじゃない、みんなで共有する楽しさを大切に!』という精神で、今後進んでいきたいと思います。

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