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中古Let'snoteのすゝめ

2019年秋にPanasonicのノートパソコン、レッツノートを中古で買った。正しくはLet'snoteと書く。

2ヶ月以上使ってみて気に入ったので、購入に至る経緯と使用感、中古購入は良い感じだという雑感をここに残すことにした。トップ画は実測。軽いです。

敬遠してきたLet'snote

ずっと長くMacを使ってきたが、もしWindowsのノートPCを買うときはThinkPadやSurfaceを選ぶつもりだった。日本メーカーのものは苦手で、特にLet'snoteは敬遠してきた。

Let'snoteは強度の確保や光学ドライブ搭載を理由に筐体が分厚く、VGAや有線LANなどの古い規格の端子も残し、面積の広い円形タッチパッドは何年も変わらない。そして高価である。ビジネスモバイルPCを標榜することを口実に、進化を諦めたようにも独善的にも見えてしまう。

Let'snoteには熱心なファンが多い。しかし彼らの一部は、自分の高価なLet'snoteを不必要に粗雑に扱い、壊れないことを武勇伝のように語ることがある。道具を大切に使わないことを正当化するような風潮を私は好まない。

何より英語配列のキーボードを選びにくいことが、その配列を愛好する私には看過できない。歴代の12.1インチの主力機種では、特定の仕様のみだが英語配列が設定され、法人向けとして限られた販路で販売されてはいる。しかしこれはお試しで手を出すにはあまりにも高価過ぎた。

半年売れ残っていた中古英語配列仕様

超希少種の英語配列Let'snoteが3年落ち無保証で中古で通常の相場よりも安く販売されているのを偶然見つけたのは2019年の春のこと。もっとも当時私は前年秋にMacBook Airを購入したばかりであり、英語配列を安く試す好機とはいえ、苦手なLet'snoteにわざわざ乗り換えるという発想はなかった。

困ったことに私はMacBook Airの薄型キーボードとの相性がすこぶる悪かった。慣れることに期待して使っていたが日々ストレスは貯まる一方で、購入から1年が経つ2019年秋、遂にMacのノートをメインで使うことを諦め、キーボードの出来が良いWindowsのノートPCに交代させることを決意した。

代替候補はキーボードの評判の良いThinkPadだったが、CPUの世代変更と重なり、またキーボードの設計変更も直近で行われていたため、リーズナブルな構成を見出だすことが困難だった。未経験の中古PC購入も視野に入れたとき、前述の英語配列Let'snoteが少し値下げされつつも依然として売れ残っていたことに気付いた。Let'snoteのキーボードも評判は悪くはない。

この機会を逃すとLet'snoteとは一生縁がないかもしれないと思いつつ、苦手なLet'snoteを買って良いのかという葛藤を抱えた。私は3週間程度悩んだが、最後は「いい買い物の日」の大量ポイント還元に背中を押された。

モダンPCではないノートPCの進化系

かくして手元に届いたLet'snoteだが、分厚いボディはやはり野暮ったい。古いLet'snoteと比べれば洗練されているが、傍目には誤差範囲だろう。伝統の円形タッチパッドも懸念通り使いやすいとは感じず、Macの出来の良いトラックパッドが懐かしくなった。とはいえマウスを別途用意しなければいけないほどのものではなく、簡単な画像のトリミング程度ならば凌ぐことができる。

良い意味で裏切られたのがキーボードで、12.1インチモデルのこれは一般的なキーボードよりも上下に幅が狭く、構造そのものも筐体の窪みにシート状のものを貼り付けたもので頼りなさげに見える。

だが印象に反してキーは打ちやすい。ストロークが2mm確保されていること、キーボードが筐体そのもので裏打ちされていること、一見アイソレーション風だが、よく見ると昔ながらのキーボードの構造を踏襲しているのが打ちやすさの理由だと思う。ちなみにMacBook Airは0.7mm程度しかない。

VGAや有線LANの端子と併せて総じて古典的なノートPCが方向性をそのままに中身だけ新しくなったような印象で、Microsoftの言うところのモダンPCとは対極にある。以前の私がそうであったように、苦手な人は苦手だろう。しかし使ってみると悔しいけれども悪くはない。むしろ良い。少なくとも洗練を極めすぎたきらいがある昨今のMacと併用するのには丁度良いように感じるのだ。

中古で買うのが良い理由

普段人に勧められないような買い物ばかりしているのだけれども、私としては珍しく中古のLet'snoteは他の人にも一定時間使ってみて欲しいとおせっかい心を発揮させるものだった。

新品の価格を考えるとLet'snoteの中古は割安感がある。もちろん最新型に近い方がカタログスペックもベンチマーク測定結果も高い。しかしどのみち長時間に渡る重い負荷のかかるゲームや解析などには向かない。文章の執筆やプレゼンテーションの作成程度ならば体感上は大きく変わらないだろう。

Let'snoteは特に大量に文章を書く人に向いている。卒業論文や修士論文を書く大学生や院生とは相性が良いだろう。私の知る業界ならば、レポートを大量に書く研修医や若手医師、それからフリーランスのライターとも相性が良いのではないかとも想像する。

もちろん癖の強い機械なので、実際にある程度使ってみて相性が悪いケースも考えられる。だからこそ新品が高価なのにリセールが悪いLet'snoteは中古を勧めたい。気に入らなければやめればいいし、惚れ込めば新品購入でも良いのではないかと思う。

ただし私が選んだ英語配列と異なり、日本語配列のものは需要・供給ともに潤沢なため市場の商品の循環は速い。3年落ちの個体が半年も売れ残って値下げされていくようなことはないと考えられるので、その点はご注意を。いずれLet'snoteの詳細な中古購入ガイドをまとめたいとも考えているが、それはまた別の機会に。

あとがき

新聞の社説は900文字程度で書かれているようです。noteでは思考様式を共有したいと思い、レガシーな媒体のノリで考えてもらえる文章をと考えたのですが、3倍くらいの分量になってしまいました。今度ブログに最近ありがちな記事としてバイヤーズガイドでも書いてみたいとは思っています。

なおThinkPadの夢は後日思わぬカタチで叶える羽目になりました。

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