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欧州旅行記③

気がつけば大学3年になった。長く自分の一つの特徴でもあった髪の毛。就活を始めるにあたってバッサリ切った。就活支援に通うもいまだに就活を始めている実感はない。何をしたいかなんてまだ決められずにいる。

2日目の朝、目が覚めたのは現地時刻の6:30だ。外でゴミ収集車が雑にゴミを回収する音に起こされた。窓から外を見てみるとまだ夜中のように暗かった。周りの外国人たちはいびきをかきながら寝ている。二段ベットの上の私が動けるわけもなく、布団に潜った。目を瞑り時を過ぎるのを待っていたのだ。すると次第に眠りにつき、気がつけば8:00になっていた。流石に起きようと思い、周りを見渡しがまだみんな寝ている。簡単に着替えを済ませ、外へ出ることにした。

朝の8時だというのにもかかわらず外はまだ薄暗い。ロビーでココアを買った私はそのまま外へ出た。朝の散歩だ。歩きながら小さい頃は旅行に行くと必ず父と朝散歩をしていたことを思い出した。どこか懐かしいものを感じながら目的地などなく、朝から仕事をするフランス人を眺めていた。ヨーロッパは歩きタバコが当たり前だった。流石に2日目でそこまでかぶれることはできず、立ち止まり、ココアを片手に朝の一服をした。人通りはまだ少なく、仕事の準備している。少し慌ただしい姿を見ながらこれといって特別に何かを考えるわけではなくボーッと過ごしていた。『今日はパリを観光しよう。』そう決めた、朝だった。

部屋に戻り、再び布団に戻る。2月のパリはまだ寒く、布団の中がちょうどいい。9時ごろになると周りが動き出した。周りが動き出せば出したで邪魔になると申し訳なくなり動けず布団の中にいた。周りが準備を終えた頃に準備を始めた。下で寝ていたブラジル人のカイオはパンテオン神殿で仕事だが勉強があると言って部屋を出て行った。去り際に「もし、今度ブラジルにきたら俺が案内する」ということで連絡先を交換した。日本にきて連絡が来たら私が浅草にでも連れて行こうと思う。
別のベットの外国人に話しかけた。彼もまたブラジル人だった。お互いにバックパッカーであることが共通点でありマルセイユのおすすめ観光地を教えてもらった。話は盛り上がりツーショットを撮った。彼の名前は、確かジョージだ。メモるのを忘れた。

10時過ぎに部屋を出た私はGoogleマップを駆使してエッフェル塔へ向かった。目的地を設定するわけでもなくなんとなく方向だけを意識して歩き続けた。運動不足もありかなり疲れたが、それもそのはず1時間以上歩いていたのだ。ただ、周りの建物に圧倒されていたのでそこまで長く歩いた気はしなかった。


ようやく、着いた。

疲れもあり生のエッフェル塔を見た時の一言目は「東京タワーって本当に似てるんだなぁ」というものだった。もっと感動するものだと思っていたが、感動よりも達成感に浸っていた。写真を何枚か撮った。黒人がエッフェル塔の模型を何個も持ち売りにきたが全部スルーした。

少し、休憩を挟み再び歩き出すと次は英語で「英語話せますか?」とバインダーを持った白人数名に話しかけられた。どこか怪しさを感じ「話せません」と英語で返して振り切った。3組目あたりで英語で答えていることにバレ「お前、英語話せるやん」ってつっこまれたがスルーを貫き通した。少し、離れてから調べみると『署名スリ』であることがわかった。自分の防衛本能を褒めた。

セーヌ川の横からエッフェル塔を眺めた。近くには遊園地ではないがメリーゴーランドがあった。きっとパリ自体が遊園地みたいなものなんだと感じた。たしかに街並みは夢の国そのものだ。セーヌ川を渡り、凱旋門へと向かった。

パリにある川って聞くと透き通っていて流れも穏やかなイメージがあるが実際は茶色く濁っており勢いもすごい。急に現実に戻された気分だった。階段を登るとトロカデロ公園に着いた。観光客が多く賑わい、日本人も多くいた。不意に聞こえる日本語にどこか安心感を覚え始めたのはこの頃からだった。

トロカデロ公園の階段を登るとエッフェル塔を首を伸ばさず見れた。

観光客が多く、とても賑わっていた。出店も多くいい匂いがプンプンしていた。それもそのはず、朝から何も食べていないことにこの時気がついた。

せっかくならちょっといいお店で食べたくなり、美味しい匂いには我慢してまずは凱旋門を目指して歩いた。

トロカデロ公園から凱旋門へ向かう交差点で浮浪者がいた。日本でも都内に多い。ただ、日本と多いな違いは彼らは生きることに本当に必死だ。小銭が入った紙コップを振り音を立てる、街行く人の視線を集めているのだ。
何より驚いたのはそのハングリー精神だ。ただ振るわけではない。苦しそうに、いや本当に苦しのかもしれないがどちらにせよそのアピールはこちらの興味を引くものだった。
1人にあげるとキリがないことはわかっていたのでここではスルーした。

凱旋門への道はどこか表参道のような雰囲気があった。ハイブランドが多くあり、歩く人もモデルかってくらいに美人だ。

凱旋門に着くと感動と共に交通量の多さに驚いた。凱旋門の周りを車が走る。
これは『ラウンドアバウト』と呼ばれるらしい。凱旋門の真正面からの写真は実は中央分離帯のようなところで撮ったものであることを知った。

写真を撮ってから気づく、ヨーロッパは晴れてないと映えない。

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