金属バットが好き

私は金属バットが好き。
野球用品ではなくて芸人の金属バットのことだ。

普段はTwitterでひっそり応援してるくらいなのだけど、2021年のM-1でいてもたってもいられなくなったのでどこかに書きたくてnoteを開設した。
とりあえず好きになった過程から。

初めて見たのは2018年のM-1敗者復活戦。
同じく初めて見たたくろうにいろんな意味で笑い、からし蓮根、アキナで笑ったあと、出てきた二人に衝撃を受けた。
長身の坊主頭が丁寧にお辞儀をして名乗っているのに、奇抜なロン毛が「さぶっ」と普通に気温の感想を言う緊張感の無さに一気に引き込まれた。

その後も「ピンク饅頭やんかいな」で死ぬほど笑い、オチでも盛大に笑った。あんなん見たことない。

ここで少し私のお笑い遍歴を挟みたい。
元々はずっとコントが好きで、漫才はM-1を見る程度だった。関西人なのでそれなりに漫才を見る機会は多いが、数組のコンビ名を知っているくらいだった。プリマ旦那とか。
当時は「コント挟むなら最初からコントをやればいいのに」と思うくらいコント漫才があまり好きではなかった。今は好きだよ。
そんな訳で、逆に一切コントに入らない金属バットは見た目も込みで衝撃だった。あと芸風の割に声が聞き取りやすかった。

ただそこで金属バットを認識はしたけど、当時の私は諸事情で数年お笑いから離れていたこともあり、推すには至らなかった。
一応M-1とKOCは見ていたけど、とにかくお笑いにハマれない時期だった。

再び金属バットを見たのは2019年に放送されたENGEIグランドスラムの第7世代数珠つなぎのコーナーだった。たまたま家族と見ていたのだけど「あ!敗者復活戦にいたコンビだ!」とすぐに分かった。まぁ奇抜な見た目してるし。
ツカミ(?)から全開でとにかく面白かった。ただ絶対に金属バットは第7世代ではないなと思った。

経歴が気になって検索したら、YouTubeには違法アップロードのネタ動画が沢山あった。普段その類は絶対に見ないが他のネタが気になったので一通り見てしまった。本当にごめん。それ以来見てないです。
ネタはどれも危うさがありつつも面白かった。
単純な面白さと痛快さで反復横跳びをしている感覚。
そんなとき、感じていた危うさの部分で炎上してしまった。
炎上理由は当然なのだけど、中には頓珍漢な批判もあり腹立たしかった。

でもまだこの時は「推し」というほどではない。
先述した諸事情もあるが、私は同時期に複数のコンテンツを推せない。どれだけ頑張っても最大2枠で「今は〇〇と□□以外は興味ない」ということがほとんどだ。
元々は全く別のジャンルで二次創作をしていたが、2019年は漫画作品で2枠を使っている時期だった。
もういっちょTVの存在も知ってはいたけど、2枠埋まっていたので見るには至らなかった。

1年ほど経ち、当時の推しコンテンツに対して熱が冷めてきた。
何かを推さないとやってられないオタクなので謎に焦っていた。でも「次を見つけなきゃ」とは思うものの、なかなか好みのコンテンツは見つからなかった。あまり自分から探すほうでもないけれど。

そんな時期が続いたある日、Twitterを眺めていたらトレンドに「金属バット1番」の文字が見えた。
先述の、コント芸人が好きなころから賞レースの決勝進出者は毎回確認していたし、M-1の敗者復活戦も見れるときは見ていた。
ただ、その日がM-1であることは分かっていたけど、誰が敗者復活戦に出るかまでは把握していなかった。
私はTwitterのトレンドで金属バットが敗者復活戦に出ることを知った。
同時にトップバッターであることも知った。

「……マジで……?」という感想しかなかった。

絶対にトップバッターには向いていない。
まだ二人の見た目とネタ数個しか知らない私がそう思うほど向いていない。
みんなそう思ったからトレンドに上がったのだ。

この瞬間、「推すかも」と思った。

残念ながら夕方に用事があったため、金属バットとタイムキーパーだけ見た。

舞台上の友保さんはまた「寒い」と言っていた。
2年前のあの衝撃が甦る。
ブレないというか、変わってないことに安心した。
小林さんは「頑張りましょう、みんなで」と言っていた。
多分意識して出た言葉ではないのだろうけど、敗者復活戦をみんなで盛り上げようという意志を(勝手に)感じた。
「寒いけどみんな頑張るから見てて」的な。

ここで完全に金属バットのファンになった。

余談だけどタイムキーパーも結成2年とは思えない仕上がりで面白かった。
用事から帰ってきたとき誰がネタをしていたか覚えていないけど、ニッポンの社長でゆうやけこやけが流れたのは見た。爆笑しすぎてその前の記憶が飛んだんだと思う。

結局敗者復活戦は金属バットとタイムキーパーとニッポンの社長しかリアタイできず、録画やYouTubeを見直す時間もなかったため投票はしなかった。
これも余談だけど、ランジャタイ最下位には笑った。
ランジャタイのことは2017年の敗者復活戦で知ったけど、トップバッターであの芸風。申し訳ないけどめちゃくちゃスベっていたので印象に残っていた。
彼らはまた最下位だけど、準決勝まで来る実力があることは確かなんだろう。こっちがまだ理解できていないだけで。

話を戻して2020年の敗者復活戦、金属バットは7位に終わった。
いや、トップバッターで15組中7位は結構すごいと思う。
お昼の生放送でも関係なく、金属バットは「らしい」漫才をしていた。出番が少し遅ければもうちょっと上の順位になっていたかもしれない。
ただ後で録画を見直したけど、インディアンスとゆにばーすが強すぎて「これは勝てなかったな」とは思った。

この時まだ金属バットのコンビ歴があやふやだったので、2021がラストイヤーになるかもしれないという思いもあり応援したくなった。
ここから私は金属バットにハマることになる。

これだけ長々と書いたけど、要は金属バットにハマってまだ1年の新参者なのである。
しかも関西に住んではいるが、各劇場は遠く、そもそも究極の出不精のためお笑いの劇場に行ったことは一度もない。
世間はコロナ禍で仕事が減った人や在宅ワークになった人もいるが私はそんなことはなく、平日働いた疲れを休日寝ることでなんとかする生活なのだ。家から出たくない。

私にとってコロナ禍は正直わりと過ごしやすい。
いろんなコンテンツがネット配信されるようになり、現地に赴くための交通費が浮いたことで更に配信を買えるようになった。ホンマにありがとう。

さらに最近は芸人がYouTubeでラジオ番組をしていることが多い。金属バットも声流電刹というYouTubeチャンネルを持っている。過去にも別名のラジオチャンネルを持っていたらしいが、本格的にハマった時はチャンネルが削除された後だったので聴いたことはない。
声流電刹を聴き始めたのは2020年の12/23頃だった。
存在自体は敗者復活戦の日に知ったが、あまりにもサムネとチャンネルの概要欄が胡散臭く、違法アップロードが嫌いな私は公式かどうか疑っていた。
Twitterで検索してどうやら本人たちが自主的にしていると分かり、やっと聴くに至った。

二人の他愛もない話は面白かった。
10年ほど前のコント芸人が好きだった頃、定期的にラジオのようなもの(正確には出版社企画のネット配信)をあげているコンビがいた。その番組も二人がダラダラと出演した番組や家のこと、最近あったことを話して最後に駄菓子の紹介をするだけの内容だった。
多分これだけでどのコンビのことか分かる人もいると思う。

もういっちょTVと合わせて声流電刹は、そんな当時を思い出させてくれた。
同時に解散理由も思い出すことになるんだけどね…。

そんな訳で、過去の推しと重ねてしまう形で金属バットにハマった。

各ライブの配信と金属バットもういっちょ、声流電刹が生きる糧になっている。

推しに対しては心の底から「やりたいことやって幸せになってほしい」と願っている。
2022年こそは、金属バットがM-1決勝戦に行けますように!ご両人の単価が上がりますように!