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地下芸人の自主ラジオに費やした社会人生活

金属バットが自主制作していた「ラジオバンダリー」という番組が削除させられる羽目になってから、もう3年になる。

消えて間もない頃はとてもショックだったから、noteにそのことを書いたりした。

さすがに最近は慣れたけど、ふとした瞬間に寂しい気持ちが湧き出る時がある。社会人生活の大半をラジオバンダリーに費やしてきたからだ。

社会人になるまでは金属バットのことなんて全然知らなくて、主に東京の芸人の追っかけをしていた。一番見に行っていたのは髭男爵だった。ルネラジという番組が好きで、投稿もしていた。

だけど学校を卒業して大阪で就職したら頻繁に東京に行くのが不可能になった。だから大阪で追っかけがいのあって、ラジオもやっている芸人はいないだろうかと思って探していたら、金属バットを見つけた。

金属を追っかけはじめたのはそんな動機だったから、関西の現場になんの馴染みもなく、月一回のラジオの公開収録に行った時も知らないお客さんばかりだった。

その当時は仕事終わりの社会人が主な客層だった。

今では芸人として活動しているGOLFさんも、素人時代のバイト終わりによく観覧にきていて、僕にフェラチオいじりをしてきたりした(僕は金属バットの友保からバキュフェラ大明神と呼ばれている)。

ある時期からGyaO!で配信されたM-1の動画が話題を呼び、最先端のお笑い好きな大学生みたいな客が友達を引き連れてくるようになった。

それまでは友達と一緒に公開収録にくるような客はいなかった。そもそも友達がいる客がいなかった。唯一の友達が地下お笑いライブ、そんな人ばかりだった。

そして年々客が増えていき、公開収録が立ち見になることも珍しくなくなった。しかし、そんなイベントも突然終わってしまうことになる。

ラジオバンダリーが吉本に目をつけられたらしく、唐突に最終回を迎えたのだ。

吉本側の温情もあって、最終回イベントがあべのロフトで行われたのだけれど、あんなところはラジオバンダリーとは縁もゆかりもない場所だったから、その時点で実質的には終わっていた。だから半ば白けた気持ちで見に行った。

イベント自体は多数のお客さんがきていて盛況だったから、感慨深い気持ちにはなったけど、初期の頃に見に来てたお客さんはほぼいなくて、寂しさも感じた。

そして最終回イベントが終わり、その数ヶ月後にラジオバンダリーの音源がyoutubeから削除させられる羽目になるのだけれど、それからもう3年になる。

今では僕をフェラと呼ぶ人はほとんどおらず、自分でフェラと言い張ることだけが僕をフェラたらしめる証明となっている。

そして金属バットはというと、ファンにグッズを売りさばいて収益をあげる地下アイドルみたいな活動をしているらしい。直近では黒色のそうめんを人毛麺と呼んで発売していたらしく、なかなかに好評だったようだ。

一時期まで金属バットのイベントでみられた最先端のお笑い好きな大学生みたいな客も、全然見かけなくなってしまった。

聞くところによると、今はそういう客は黒帯やニューヨークにいっているらしい。


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