未来はいつも面白い

爆笑問題の太田さんの座右の銘に「未来はいつも面白い」という言葉がある。

今を面白いと思わない僕からするとピンとこない言葉ではあるのだけれど、それを言っている太田さんのことは好きだとは思う。

これは造語で、どういう経緯で座右の銘になったかというと、もともとは「みつばちマーヤの冒険」という童話に出てくる「未来はとても面白い」という言葉を太田さんが気に入り、サイン色紙によく書いていたらしい。そしてある日、その言葉を「未来はいつも面白い」と勘違いした方から感想がきて、それを面白がった太田さんがたびたび使うことになったようだ。

「みつばちマーヤの冒険」から太田さんがとった言葉が、ファンを介してちょっとだけ変化した。まさに未来が変わったわけで、未来はとてもおもしろい、ということになったらしい。

とても素敵なエピソードで、元気がもらえる。

基本的に僕は今を面白いとは思ってないのだけれど、爆笑問題のテレビやラジオはちゃんと面白いと思えているし、生きる目的になっている。

特にラジオの爆笑問題が好きで、二人のトークを聞いていると腹の底から笑えるし、太田さんが真剣な話をする時は心を揺さぶられたりもする。

太田さんは自分の言葉に誠実な人だから、誰かがバッシングされていても安易に同調しないし、一歩立ち止まって考えてみようという意味のことをよく言う。それが批判されて炎上したりもする。

爆笑問題のポジション的には安易に断罪すればそれで済むはずなのに、それをしないのだ。だから僕は太田さんが好きなのだけれど、そういう部分を知らない人からすると、大御所芸人が長いものに巻かれているように見えるのだろうね。

本当の意味で長いものに巻かれているのはどっちだよって話なんだけど、そういう人って自分の価値観に絶大な自信があるのだろうし、そういう部分では羨ましいなとも思ったりもする。

基本的に僕は確固たる信念はないし、やりたいこともないし、生きる目的も特にない。

だから自信に溢れた人から、あなたはこういう人だよ、と、言われると、それを否定しきれなかったりもする。そんな人間だから、自我が強い人に対して憧れの気持ちはあるのだけれど、ずるいなあとも思う。

あなたにとって絶対的に正しいことがあっても、私にとってそうである理由にはなりえないよ、と、思ってしまう。

だけどもしかしたらそう強がっているだけで、心の奥底ではそれを望んでいるのだけれど、気持ちに蓋をしてなにも思わないようにしているだけなのかもしれない。

そうじゃないのかもしれない。

そのレベルまで突き詰めるとよくわからないけど、なんも思ってないと思っている自分がいるのは確かなので、考えてもしようがないことなのだろうね。

もしも僕の心の奥底に感情豊かな自分がいるのなら、いつか会いたいし、いつか会えると信じたいし、いつか太田さんのように、未来はいつも面白いと、心の底から言えるようになりたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?