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元英語教師Sさんからのアドバイス

十数年ほど前、英語を勉強し直すことを決意した。だが、本屋でもネットでもおすすめ学習法がありすぎて、どれを選べばいいのかわからない。ネットで見つけた方法をいくつか試してみたが、結局効果がなく諦めかけていた時、高校で英語を教えていたという人に出会った。それがSさん。Sさんがくれた貴重なアドバイスのお陰で、挫折せず気楽に英語の勉強を続けられているし、躊躇せず外国人と英語で話せるようになった。ちゃんと意思疎通もできている。…と思う。

そのアドバイスとは、目標を明確に定めることと自分の学習スタイルを知ること。学習スタイルといっても「机に向かって勉強するより電車やバスで… 」という物理的なスタイルではない。ここでいう学習スタイル "Learning Style" とは、自分が(自分の脳が)どのような方法・手順・筋道で新しい情報を理解し、記憶しているのかを知るための理論のことを指す。学習スタイルは、主に視覚型・聴覚型・運動感覚型などに分類されているそうだが、分類法によっては10以上に細かく分けられているものもあるらしい。
 
自分の Learning Style を知ることができるテスト Learning style test「学習スタイルテスト」がある。自分に当てはまるものを選びながら質問に答えていくアンケートのようなものだ。例えば
 
「一度しか会ったことのない人のことを思い出してください」と言われ、まず思い出すことは?
(ア) その人の顔を思い出す
(イ) その人が言った言葉や話を思い出す 
(ウ) その人の行動、話し方を思い出す
 
もちろん、その人・その時の状況に依るだろうし、数日前に出会った人なら (ア)(イ)(ウ) 全てが当てはまるだろうが、随分前に出会った人なら、僕は絶対 (イ) だ。その人によっぽどの特徴があれば別だが、容姿や仕草や声などの情報は記憶から消えてしまうのが早いような気がする。

どこかで聞いた話や言葉がふと蘇ってくることがよくあるが、どこで聞いたのか、誰が言っていたのか顔が出てこない。人だったのか、本だったのか…。結局思い出せずに、そのこと自体もすぐに忘れてしまうのだが。
 
Sさんが授業で新しい単語を教えていた時、Sさんの発音を一度聞いただけで覚えられる生徒もいれば、Sさんが黒板に書いた単語のスペルを見ることで覚えられる生徒もいたり、辞書で意味や発音記号を確認することによって漸く覚えられる生徒もいたそうだ。Sさんは Learning Style の理論を知ってから、生徒の個性に応じて学習方法を提案し課題を出していたらしい。
 
その話を聞いて、僕は高校のクラスメートを思い出した。隣の席に座っていた女子が、英語の授業中に先生が雑談でポロっと言っただけの新しい英単語を直ぐに暗記していたことに僕は驚いた。僕はメモをとらなければ暗記できないから、その女子は天才だと思った。でもテストの点数が僕と同じだったことにもっと驚いたのを覚えている。
 
新情報を処理したり暗記したりする時の自分の脳の働き具合を知ることが、効果的な学習方法を見つける第一歩だとSさんが言っていた。学習方法を紹介する動画の中で、ただ視聴回数が多いからと闇雲に信用して試すと挫折することになるかもしれないから、自分がワクワクするような感覚になるものを探して試せば良いのではないかとアドバイスしてくれた。結局のところ、ワクワク楽しめることでなければ長くは続けられないから、と。

勉強自体があまり好きではない僕には、ワクワク楽しめるという表現は正直ピンと来ないが、遣り甲斐とか充実感を持てる方法は見つかった。僕は語彙の成り立ちや文法などが論理的に理解できなければ頭に入ってこないので、納得がいくまでとことん調べる。(Learning Style では Analytic Learner 「分析型」と呼ばれるらしい。)だから時間はかかるが、ネイティブレベルの流暢さを目指しているわけではないし、英語で話さなければいけなくなった時にドギマギしたくないだけだから、学習速度はそれほど重要ではない。ストレスなしの脳の老化防止にもなって、ちょうど良いのではないかと思っている。


◎僕には向かない勉強方法・ストレスになる勉強方法
・多読(一語一句や文構造をじっくり味わいながら読みたいから)
・英会話学校に通う(一人でコツコツ勉強したいから)
・同じ音声教材を何度も聞いて繰り返し発音練習をする(飽き性だから)
・とにかく会話実践演習(コミュニケーション能力に乏しいから)
・アプリ活用(単なる毛嫌い)


僕の目標やこれまでに取り組んできた方法などは、また今度書こうと思います。



有料部分は「拙文にお付き合いくださり有難うございます」のみです。
(コメントを遠慮させていただきたいので有料にしています。) 


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