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ことぶき
2023年11月29日 11:37
月に兎を連れた猿は、ぼんやりと煙草を吸いながら眺めるしかないのでした。森には心優しいドラゴンがいました。小柄で非力なドラゴンの瞳はそれに反して大きく美しく、みんなドラゴンのことが大好きでした。 その夜、森が焼けました。ある者は逃げ、ある者は守り、ある者は火を沈めようとはたらきましたが、二日かかってとうとう森は木々を失い、荒れた野原だけが残りましたが、悲しむ暇もありませんでした。火が起きた夜から