【書評】ビッグデータvs.行動観察データ:どちらが顧客インサイトを得られるのか DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー論文

少し前に発売されたものですが、読みましたので簡単に内容を振り返ります。

◆消費者を理解するためには、ビッグデータと行動観察データが必要

消費者を理解するための三つの基本的なアプローチ

①ユーザーに聞く ②ユーザーを見る ③ユーザーのつもりで考える

上記の具体的なアプローチとしての「ビッグデータ」「行動観察データ」。

ビッグデータと行動観察データの違い:①情報取得の違いから来る属性の厚み ②データのカバレッジ(対象範囲) ③データ利活用のリアルタイム性

※ビッグデータと行動観察は、定量VS定性でとらえられないし、とらえるべきではない。(詳しくは本書で!)

◆異なる二つのデータをどのように使い分けるべきか

顧客への提供価値を六つに分けて考える。

①市場構造・ニーズの見極め ②提供価値・サービス属性設計 ③顧客ごとへのマーケティング ④ニーズ発生場面での打ち手の提供 ⑤取り組みの効果検証 ⑥近未来の定量的予測

・「価値の選択」フェーズである①②では行動観察データの比重が多い

・「価値の創造」フェーズである③④ではビッグデータ

・「価値の伝達」フェーズである⑤⑥では、⑤が半々、⑥がビッグデータの比重が多い

◆データを使用する際の三つの留意点

①データは現実の後追いであって、突発的な変化、不連続な変化、見えていないパターンには対応できない

②単なるデータの素朴な解析では、イノベーションを生み出すようなインサイトが得られることはほとんどない

③一次データの品質の重要性。どちらのデータもサンプルの質が極めて重要

◆まとめ

当たり前ですが、使い分けることが重要。どの場面において効果的な武器なのかを理解することが必要になります。

また、そもそもどのような目的、アウトプットなのかということを意識していないと、マーケティングなどの文脈においての意味合いが出ることは少ない。

ざっくり要点だけ書いているので、気になる方はぜひ読んでみてください!『イシューからはじめよ』の安宅和人さんの著作です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?