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なぜ「THE FIRST」には、素晴らしい人材が集まったのか?

「THE FIRST」とは、AAA(トリプル・エー)の日高 光啓さん(ソロの名義は「SKY-HI」)が代表取締役社長を務めるマネジメント/レーベル「BMSG」が主催をする、ボーイズグループオーディションです。日本テレビ系列「スッキリ」、放送完全版は「Hulu」にて配信されており、Youtubeでもオーディションの一部や、オーディション中に制作された楽曲/ダンスが配信されています。

「スッキリ」で放送されていたオーディション番組と言えば、昨年2020年に話題になった「NiZi Project」からデビューが決まった「NiZiU」が有名ですね。今、僕がこの記事を書いているタイミング(2021年8月12日現在)では、少なくとも僕の周りでは「NiZi Project」ほどの熱量は巻き起こっていないように感じられます。

しかし、Twitterで「ザスト」や「ザスト民」で検索すると、デビュー前のグループにも関わらず、すでに熱狂的なファンがたくさんいることが分かるでしょう。

そして、僕もその熱狂的なファンの一人なんです。

毎週金曜日9:15-9:45はスッキリをつけ、見逃したら午後にTVerをチェックし、土屋アンナさんのコメントに感心しながら、YoutubeではBMSGのアカウントの更新を心待ちにし、時々流れてくる考察系Youtuberの意見に奥さんと喧々諤々の議論をし、「THE FIRST」のためだけにHuluを登録し、「Be Free」と「YOLO」と「To The First」をヘビロテし、奥さんがいきなり「Good Days!」と叫ぶくらいには、家族ぐるみで熱狂的なファンです。
(見てる人なら「Good Days」の中毒性に共感していただけるはず、さすがリュウヘイくん)

なんでこんなに沼のようにハマってしまったんだろう?と考えていたんですが、おそらく、僕と奥さんの仕事が要因なのではないかと思いました。

僕も奥さんも「人事コンサルタント」の仕事をしており、基本的にはどんなコンテンツを見ても「人事」や「組織」を絡めて見てしまうんですが、やはり「THE FIRST」もその観点で見ちゃいました。

例えば・・・・

・BMSGのコーポレートメッセージ(WHAT'S "BMSG")
・オーディション募集時のSKY-HIからのメッセージ
・オーディションの選考基準とその選考方法
・短期間で、かつ、初対面の人たちとチームで成果を出す課題を与えられた時の各応募者の対応
・選考期間中のSKY-HIからの応募者の方々への接し方
・選考に落ちる人/受かる人へのSKY-HIからの評価コメントやフィードバック
・選考に残る人たちの選考を通じての変化
 など

SKY-HIや応募者だけではなく、THE FIRSTプロジェクトの運営メンバーの方々の細かい配慮や、トレーナーの方々のプロフェッショナリズムなど、見れば見るほど素晴らしいプロジェクトだなぁ・・・と感動することばかりです。

まだ、デビューメンバーが決まっていない状況ではありますが、この感動を少しでも多くの人に届けたいので、「人事コンサルタント」的な視点を持って、THE FIRSTの素晴らしさを記事にまとめてみようと思います。

(ちなみに、応募者の方々を「ボーイズ」、SKY-HIのことを「日高さん」と呼んでいるので以下はその呼称にしますね)

THE FIRSTとは?


2005年AAAのメンバーとしてデビュー。同時期からラッパー、トラックメイカー、プロデューサーなど幅広く活動を行うアーティスト「SKY-HI」が、日本から世界で活躍するボーイズグループを作るため男性ダンス&ボーカルグループオーディション「THE FIRST」をスタートさせた。掲げるのはクオリティファースト、クリエエイティブファースト、アーティシズムファースト。2020年9月より募集が開始され書類選考を経て、2次審査、3次審査、4次審査を経て最終選考へ。デビューできるのは5人!番組では、このオーディションに夢と青春をかけた参加者たちに密着。その才能と葛藤、成長と友情に迫る。果たしてデビューという夢を掴むのは誰なのか?
引用:hulu THE FIRST -BMSG Audition 2021- あらすじ

2020年9月にBMSG設立、同月末にオーディションの告知が開始されると、1週間で応募者が殺到したそうです。僕が調べた限りだと応募者数はオープンになっていないようですが、一次選考である書類選考で231人に絞り、福岡・神戸・東京・札幌・名古屋・大阪で、対面&リモートでソロパフォーマンスを審査する二次審査を行いました。三次審査は即席のチームで課題曲のパフォーマンスを披露するグループ審査、四次審査は1ヶ月間に及ぶ富士山合宿審査、そして、明日8月13日(金)のデビューメンバー発表を控える現在は、最終選考の真っ最中です。

「THE FIRST」の審査基準は以下の通りです。

1)クオリティFIRST:歌・ダンス・ラップなどの基礎能力
2)クリエイティブFIRST:歌詞・メロディ・トラック制作などの自発的に考える能力
3)アーティシズムFIRST:「自分はこういう人間である」とステージ上で表現できる力

各審査ステップでは、それぞれの審査基準に照らし合わせて評価/順位をつけていき、順位付けや合否の理由についてもフィードバックをしていきます。
(日高さんのコメントから推測するに「2021年12月までのデビューがイメージできるか?」「最終的なボーイズグループのイメージにマッチしているか?」「ボーイズのアーティスト人生を考えたときに "今" デビューさせるべきタイミングなのか?」など、他にもいくつかの審査基準はあるようです)

THE FIRSTの5つの特徴

1. ボーイズの成長
2. ボーイズ同士の絆
3. 日高さんの挑戦と葛藤
4. 豪華で魅力的なサポーター
5. 素晴らしい人材

1. ボーイズの成長

本オーディションは「選考」だけではなく、2021年12月のデビューに向けた「育成」も兼ねているため、審査期間中の基礎トレーニング、豪華なトレーナーによる特別レッスン、日高さんやトレーナーからのアドバイス/フィードバックなど、ボーイズが成長するための仕掛けが盛り込まれています。

ただ単純にダンスや歌のスキルが向上しているという意味だけでの成長ではなく、自分の弱点や課題に向き合ったり、自分のパフォーマンスへの自信がついていったり、異なる価値観を持つ人との向き合い方を学んでいくなど、人間としての成長過程を見ることができます。

後述もしますが、スキルのインプットだけではなく、日高さんやトレーナーの方々(きっとスタッフの方々も)がボーイズ一人ひとりに、リスペクトを持って接していることも、ボーイズたちの成長に寄与しているのだと思います。

一番年下の方で13歳の方がいましたが、どの年齢の方でも、自分と向き合って成長をしていく姿が生々しく見られるのはとても貴重な機会だと思います。

2. ボーイズ同士の絆

最終選考では231人から10人に絞られており、このあと5人(デビュー人数は5人予定)まで絞り込まれるため、オーディションという性質上、参加者はライバルでもあります。

しかし、各選考ステップの課題は、他のボーイズと協力して作品を生み出したり、自分の弱いところを補ってもらわなければいけないようになっています。そのため、選考過程を通じてお互いを信頼し合っている様子が、合宿での練習/日常風景やパフォーマンスを見ていても分かります。

各選考ステップで不合格者が出たときの合格者の方々の反応は、何度も見ても泣いちゃいます・・・

3. 日高さんの挑戦と葛藤

「NiZi Project」のJ.Y. Parkさんの参加者へのフィードバックは、人事や人材育成に関わる方々の中でも話題になりました。今回の主催者である日高さんのフィードバックや、ボーイズへの向き合い方も勉強になるところがたくさんありますが、J.Y. Parkさんと違って面白い点は、日高さん自身も「挑戦者」としての色合いが強いということです。

BMSGは創業一年目のいわゆる「スタートアップ企業」で、もちろん日高さんも代表取締役一年目。そこで、初めてのオーディション実施になるため、各選考で誰を選ぶか、また選ばないか、選考結果と理由をどのように伝えるか、選んだ人たちにどのようなフィードバックをするか、などの意思決定に関わる葛藤をオープンで話してくれます。

採用や評価・異動などに関わる人事の仕事の観点から見て、共感ができるシーンが何度もありました。人と関わる仕事をしている人、特に経営者やマネージャーなどの立場にある方は、その葛藤がよく分かると思います。

4. 豪華で魅力的なサポーター

THE FIRST」の公式HPに掲載されていますが、ボーイズへのレッスンや楽曲提供/振付指導などをしているトレーナー/サポーターの方々がとにかく豪華。Mr.Childrenの桜井和寿さん/LiSAさん/SEKAI NO OWARIのFukaseさんなどにレッスンをしているボーカルトレーナー、BTSに楽曲提供をしている音楽プロデューサー、世界的に有名なダンスパーフォーマンスグループ「s**t kingz」のメンバーなど、エンタメにあまり詳しくない人でも「すごい」と分かる方々がサポートをしてくれています。

レッスン映像の一部もオーディション期間中に見れるのですが、「プロはそんなところまでこだわるのか」「こんな声がけをすることでパフォーマンスが変わるのか」など、プロの仕事の一部を垣間見えるのもTHE FIRSTの面白いところ。

個人的には、りょんりょん先生のレッスン、大好き。

5. 素晴らしい人材

最後に特筆したいのが、素晴らしい人材が集まっているという点。

現在残っている10人だけではなく、残念ながらオーディションに落ちてしまった方々も含めて、素人目から見たら「え、この人落ちちゃうの?」という人まで不合格になっています。もっと言えば、今残っている10人からさらに5人に絞られるのも信じられないです。

ファン心理も含んでいる可能性は否めませんが笑、なぜこのように思ったかと言うと、個人的にオーディション番組が好きで、今までの見てきたアーティストのオーディション番組と比べてみたときに、審査段階での応募者のパフォーマンスの質が高かったためです。

例えば、HIPHOPの世界大会で2回の優勝経験がある方、著名なアーティストのバックダンサーを経験している方、未経験ながらパフォーマンスで日高さんを泣かせた方など。

パフォーマンス自体は素人目でジャッジはできませんが、少なくとも「人間性」の素晴らしい方々が集まっているのは間違いないと思いました。

では、なぜ「THE FIRST」には、素晴らしい人材が集まったのでしょうか? ちょっと考えてみました。

なぜ「THE FIRST」には、素晴らしい人材が集まったのか?

1. 「THE FIRST」のビジョン
2. 日高さん自身の歴史
3. オーディション過程での日高さんのボーイズへのスタンス

1. 「THE FIRST」のビジョン

まずは、THE FIRST公式HPに掲載されている、日高さんのメッセージをお読みください。

様々な現場で、様々な才能と触れ合ってきた10数年で分かったことがある。
一つは、才能という物は至る所に落ちているということ。
一つは、その才能は輝く場所と結びつかなければ誰にも知られず簡単に消えていくということ。

君が持っている特徴や長所は、発揮する場所さえ手に入れれば人の耳目を一身に集める"才能"へと変貌する。

僕は全身全霊、今までのキャリアの全てを懸けてその場所を作り上げる事を誓おう。

ダンス&ボーカルといえばK-POPという時代になってから随分と経った。特にクオリティと手数の多さでは大きく水を開けられてしまった。
僅か10年ほどで、である。
次の10年で、本気で追いついて、日本から世界へ新しい風を巻き起こすつもりである。

クリエイティブファースト、クオリティファースト、アーティシズムファーストのチームを、共に作ろう。
まだ見ぬ君の力を貸して欲しい。
引用:https://bmsg.tokyo/thefirst/

一般的なオーディションは「選考者 - 応募者」という立ち位置が明確で、選考者が「選ぶ」というスタンスの強いものが多いです。まぁ、オーディションなので、それが普通ですよね。

しかし、THE FIRSTは、日高さんの課題感と目標が明示されており、「一緒に作ろう」というメッセージが発信されています。実際に、オーディションの二次選考で、日高さんのビジョンに共感したために応募していきている方々が何人かいました。

多くのオーディションは、企画のコンセプトを提示して「Come on」
THE FIRSTは、チームのビジョンを提示して「Let’s do it」

他のオーディションと比較をすると、「世界に通じる表現者になる」「新しい表現を目指したい」など、自分自身のビジョンに邁進している人たち=自分自身で道を切り開いていける人たちが多く集まってきているように見受けられました。

2. 日高さん自身の歴史

AAAと言うグループは知っていましたし、SKY-HIと言うアーティストも知っていましたが、今回のオーディションを通じて、改めてSKY-HI/日高 光啓さんについてより知ることになりました。

アイドルソングの中にラップがあることも、間奏のような扱いだった。(アイドル・ヒップホップ)どちらの世界でも理解されなかった。やっと日本でも、自分と同じようなスタンスのラッパーが生まれつつあるけれど、 あの体験を次の世代には、もうしてほしくない
引用:https://www.businessinsider.jp/post-233176

日高さんのアーティストの道筋は、この文章に集約されているのだと思いました。

オーディションの中で話されている内容と、Instagram/会社HP/ブログなどを拝見させていただき、アーティストSKY-HIは、自分が信じる表現を理解してもらえない辛さと闘いながらも、自分の表現にこだわり続け、現在のポジションを確立していったアーティストなのだと思いました。そして、BMSG /THE FIRSTがリリースされたときに、同じ葛藤を抱えて闘っている多くの若いアーティストたちからの共感を得たのでしょう。

今まであまりこの業界にどっぷりハマっていなかった自分ですら、日高さんの情報を調べていくほどファンになっていってしまいました。表現で生きていこうと考えている人たちが、日高さんに共感や憧れを持つのは容易に想像がつきます。

3. オーディション過程での日高さんのボーイズへのスタンス

オーディションに限らず、企業の採用活動や人材育成、学校教育なども、「選ぶ - 選ばれる」「教える - 教わる」という「上下」の関係が固定されてしまうことが大半です。

しかし、THE FIRSTでは、日高さんは役割の上で「選ぶ」「教える」という立場に回ることはありながらも、基本的にはフラットな立場で、むしろ「選ばれる」「教わる」立場に回ることもあります。

日高さんはどの年齢のボーイズに対しても敬語を使い、オーディションに参加してくれた人たちに合否に関わらず丁寧に感謝の気持ちを伝え、ボーイズから日高さんが学んだことを言葉にしています。一言で言えば、ボーイズたちに人としての「敬意」を伝え続けています。

誰かから認められることで、人はこんなにも変わるのか、と驚くほど、オーディションを通じてボーイズが変わっていきます。いや、「変わる」というより、一人ひとりの良さが「現れた」という表現の方が正しいかもしれません。もともと素晴らしい才能を持っていた人たちがオーディションに残り、オーディションの過程を通じて、よりその才能が表出されているのが、番組を通じて見ていると良くわかります。

最後に・・・

いよいよ明日、デビューメンバーの発表。朝のスッキリで見るのか、それとも20:00リリースのhuluで見るのか、とっても悩んでます。

デビューメンバーが発表されたら、今までの映像から、おすすめシーンとかピックアップしたいな。

・リュウヘイくんの「あ、この人納得してない顔している」シーン
・シュントくんの「ゲラー」
・ソウタくんの「To The First」の粋すぎるコレオグラフ
・ショウタくんの個人とチームのどちらを際立たせるかの葛藤シーン
・リョウキくんの「え、こんな時でも泣かないの?」から「おおおお・・・泣くんかーい・・・(で、こちらも泣いちゃう)」シーン
・ランくんの「これが女性ファンが多い理由か」シーン
・レオくんの素晴らし過ぎるチームへの声がけ◯選
・マナトくんの「その普段の感じをパフォーマンスで見たい!」シーン
・レイちゃんの何度見ても泣いちゃうbeautiful nowと「One more day」
・ジュノンくんの「どこまでうまくなるの?」な歌唱
・ルイくんの神がかった憑依パフォーマンス

(おまけ)自己紹介

最後に自己紹介をして終わります(笑)

私の本業ですが、人事まわりの様々な支援をする仕事をしています。

最近は未経験から人事を目指したい方のキャリアサポートに関わっていることが多く、LINEで転職相談にのったり、このnoteでは、人事の方々にインタビューする記事を書いたりしています。

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