歩いてたらマスクの中にカメムシが突っ込んできた話

2022年6月26日(日)に起こった出来事について、ここに記します。


序章

昼飯を食べに行こーと思って、グルーグルマップでラーメン屋を調べて、炎天下の中、徒歩15分くらいかかる店に向かってたんですよ。

コロナが収まりつつあると言っても、やっぱりまだマスクしてないと白い目で見られるということもあり、暑いながらも、ゆる〜くマスクつけてたわけですよ。ちょっとずらしたりなんかして。

それで、あと3分くらいで着くなというところで、前方から何かが顔めがけて突っ込んできたんです。

「グワーッ!」

虫ですわ。まあ道歩いてて虫が突っ込んでくることぐらい皆さんも経験あるでしょう。普通はここで「あーびっくりした!」くらいで終わると思うんですが、ここから悲劇が始まりました。

悲劇

私は鳥がこっちめがけて低空飛行して来たりすると、ビビって壮大に避けようとしてオーバーな動きになり、鳥が全然スレスレでもないところを通過して行った後、一人取り残されて周りの目が気になって恥ずかしくなりえへへ…と言うタイプの人間です。

なので虫が顔面に来ようものなら「グワーッ!」ってなるわけですよ。

「いやー、虫が顔に突っ込んでくるとは、不運でござったな〜」など思ったその刹那。

「ブブブ…」

(何だッ!?この“音”は…!?“近い”ぞッ…!?)

(まさか…マスクの“中”に…!?)

暑かったため、ずらしてつけていたマスクの中で、その虫が羽音を立てていたわけですわ。つまり虫と顔面がほぼ密着状態…!(ちなみに私は虫が嫌いです。)

「ウワギャー!」

慌ててマスクを外す!
そこでようやくその虫を目視した。

(こいつ…なんか見たことあるぞ!?)

体長約2㎝、黒っぽいボディの角張った虫がマスクの内側にへばり付いていやがるッ!

(私はそんなに虫に詳しくなかったのですが、色と形から判断するに、このページに記載のある「クサギカメムシ」だと思います。)

マスクを振って即追い払おうとするも、ガッチリホールドしているっぽく、全然飛んでいかない!

お前この状況でマスクにしがみつくメリットってなんなん!?

虫嫌いだから触りたくないし、デコピンで吹っ飛ばそうとも考えたが、潰しちゃって返り血ならぬ「返り汁」が指についたら嫌だ!(この時はカメムシだと確証がなかったので、匂いによる害は考慮してなかった。)

10秒ほどだったであろうか。全く飛ぶ気配がなかったので、近くにあった花壇にマスクをぶん投げた!その後、カメムシは身の危険が去ったのを感じたのか、飛び去っていった…

虫がしがみついてたマスクなんかこの場に打ち捨ててしまうかとも考えたが、偉いので回収した。

で、回収した時に気づいたんだけど、マスクを慌てて外した時に紐が片方切れてたんですよね。

本題

紐がちぎれてる&虫がインしたマスク。さっきまで装備していた自分の身を守るためのアイテムが、虫に穢され、破壊された呪物になってしまった。なんと皮肉なことか…

あと気づいたんですよね。目的のラーメン屋までもうすぐだったのに、飲食店ってマスクなかったら入れなくね?ということに。

いやダメ元で行ってみよう。なんかこう、規制が緩くなって、そこら辺曖昧にやり過ごせるかもしれない…!

で着いたら「マスク着用してない人お断り」の張り紙が普通に貼ってあった。

普段マスクしてる時は気にしてなかったけど、ちゃんと書いてあるもんなんですね〜

そこでいくつかの選択肢が脳裏をよぎった。

  1. 何食わぬ顔でマスクせず入店し、マスクの不要性を説く

  2. マスクは持ってるんだけど、壊れてるんでつけられないことを説明

  3. 壊れかけの頭装備「カメムシのマスク」を装着し、入店

  4. 何の成果も得られず帰る

選択肢1

ガラガラ…(戸を開ける音)

店員「いらっしゃいませ!何名様……あ、お客様申し訳ございません、マスクしてない方は入店をお断りしているんですよ」

俺「いやー、一人で飲食店行ってさ、マスクつけてる時って、注文する時と待ってる時と帰る時でしょ。喋んないわけなんだからさ。で、食べる時はマスクはずしてるわけじゃん?これほぼ“マスクなし”と同じじゃない?

という持論を展開し、お店に納得してもらう作戦だ。これをマスクなしで実行する。

こんな客嫌すぎるだろ。ヤバかった奴として語り継がれる可能性がある。断念。

選択肢2

ガラガラ…(戸を開ける音)

店員「いらっしゃいませ!何名様……あ、お客様申し訳ございません、マスクしてない方は入店をお断りしているんですよ」

俺「ムー!」

店員「…は?」

俺「ムー!ムー!」
(マスクをつけずに話すと飛沫が飛んでしまうので口を閉じて発声している。紐がちぎれたマスクをおもむろに取り出し、店員に見せる。持ってはいるのよ。マスク。ただ、壊れててつけられないから、そこんところ勘弁してくれないでしょうか、的なジェスチャーを行う。)

店員「禰󠄀豆子か?」

断念。

選択肢3

頭装備『カメムシのマスク』
感染を予防するための、家庭用マスクだったもの。カメムシによって穢され、さらに壊れかけている。正気であればこれを被ろうとは思うまい。

私は正気でした。

選択肢4

帰る。ま、消去法でこれを選んだっちゅうわけですわ。

15分かけて炎天下の中歩き、また引き返し、家にあったカップ麺を食べた、というのがこのお話の顛末です。

マスク買ってからまた戻る、というのも後から少しよぎったが、ダルかったんすよ。あと「マスク売ってるとこにノーマスクで入店できんのか問題」を考えるものダルかった。

ということで、だよ。

私は暑い帰路、腹が減り、汗をかきながら思ったわけです。

「許せねぇ…!許せねぇよ…!」

一体何が許せなかったのだろうか?

カメムシか?
緩くマスクをつけていた自分か?
すぐ切れる紐を作ったマスク業者か?
マスク着用を義務付けていたラーメン屋か?
いつまでもマスク着用を義務付けている政府か?
マスク外そうみたいにならない国民か?

それはわからない。全部かもしれない。ただ、あの「許せねぇ…!」という気持ちは本物なのであった。

この現代、マスクが破壊されると行動制限されることを痛感いたしました。

マスクしてない人見た時、
忘れたのかな?
そういう“主張”の人間か?
暑いからか?
など、可能性を探る時があると思います。

その選択肢に、
マスク破壊されたのかも?
マスクが何らかの理由で穢れ、口元に置いとくには憚られるのかも?
も追加しておいてください。

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