見出し画像

KR wikiでまとめられたDFMのMSI2022総括

 LJLでの圧倒的な活躍と去年国際舞台での印象的な活躍もあり、ランブルステージ進出も狙えるとの事前予想とは違う結果を迎えてしまった。グループ敗退、それも最後の試合では最下位だったTeam Azeに衝撃的な逆転負けとなり、Round2全敗を達成していしまった。

 Team Aze戦、逆転負けまでの過程で出てしまった優柔不断な姿はメンタル面から起因したものと考えられる上に、実際グループ分けの運も良いとは言えなかった。PSGが予想よりも良くないパフォーマンスを見せたのと違って、SGBは諸刃の剣の様なプレイスタイルを持っている者の、そのプレイはグループで常時破壊力を見せていたため、難しい相手だった。しかし、DFMは、T1やDK等、LCK強豪チームを崖っぷちまで追い込んだり、C9に2回も勝つなど、華やかだった昨年のパフォーマンスと比べて、DFM本人たちのパフォーマンスも下がってしまったため、弁明の機会もないのが事実でもある。

 最も目立つ問題としては、また1年歳を取ってしまったベテランの負担を分けることが出来なかったMid Yaharongの不調であろう。Ariaのkt移籍後の不調もあり、そのAriaが頂点に君臨したLJLのレベルは大分低い、あのYaharongも征服できちゃうリーグ、などのミームがKRコミュで話題に上がってたのも事実。しかも、LJLのシーズン初めから最後まで、強制的にチームを引っ張っていく孤独なキャリーロールを任されたSG Jettと比べて、Yaharongはよりいいパフォーマンスを見せるチームの中でただ静かに自分の役目を果たす姿を見せることが多く、逆にJettがリーグに慣れてからリーグ後半暴れまくった時にはそのJettを抑えるだけで精一杯の様なプレイが多かった。リーグ優勝には成功したものの、Yaharong個人のパフォーマンスには疑問を持つ声も多かった。

 Ariaの場合、LCKでは不調で今までの活躍まで疑うような主張まで出てるとは言え、2021年LJL及び国際大会で見せたAriaのプレイメイク及び集団戦での集中力はそれなりの価値を充分示すようなプレイだったのは確かである。だからこそチーム全体がAriaを集中ケアしたし、ケアする価値のある選手だった。昨年のDFMは、Ariaが常時Midで安定的なプレイをしつつ、相手Midレーナーが誰であってもプレッシャーをかけるようなプレイを見せていた。特に、Fakerのオリアナからソロキルを獲得したゾーイは、今はktがそれに騙されて衝動買いをしたとの自虐ネタとして言われるものになってしまったが、充分誰もが印象的と思えるプレイであり、その分DFMのMidの安定的なパフォーマンスを示す証でもあった。

 2022年、DFMのMidレーナーとなったYaharongは、18年まだSNがGraceだった時期に見せてくれた色んな面でのポテンシャルを開花できず、レーン戦等ベースとなる器量はいい反面、それ以外の個性を持たない、無難なMidレーナーになってしまった。今年DFMの試合でMidが主人公として目立つゲームはあまりなかったし、MSIでもFakerには勿論、SGBのFroggyにも圧倒される場面が多かった。チーム内では96年生まれのベテランYutaponがまだそれなりの存在感を出すくらいだった。

 このYaharongのプレイスタイルに合わせて、Yaharongが安定にレーン戦を行う間に、他のレーンから点を取る、リスキーなプレイをする形でチームのプレイスタイルを改修出来るのであればそれはそれでいい方向に動くだろう。だが、それはあくまでも理論的な話に過ぎない。現在の国際戦ではゲーム内のキャリー役よりチームメンタル面で柱と化したEviやスノーボールに特化したYutaponの二人にリスキーなプレイを要求するのは、95年、96年生まれでこの業界では老人とも言えるベテラン二人への虐待に過ぎない。Stealも最終的にはSantorin(注:TLのJG、Midケアに特化した安定志向JGとして有名)とプレイスタイルが近いJGになった。とは言え、21年ktでZzusに比べ圧倒的なフィジカルやレーン戦での強さを披露したが、曖昧なエンゲージ判断、コールを指摘されたHarpにリスクを背負わせるのも難しい。Harpは確かにポテンシャルも高く上手いSupであるのは間違いないが、全盛期のTusinやHylissangほどのゲームメイクを任せるのも理不尽であろう。

 即ち、DFMは前とスタイルが大分違うMidレーナーを雇った分、チーム内での役割分担を再設定しなきゃならない、とても難しい課題を受けてしまった状況。2名以上の新人、またはキャリー役でありチームの要となる新人を含まないスーパーチームの場合、一人一人が大きな穴になってしまうリスクを減らした分、チームバランスを大きく変えざるを得ない。(注:その代表例とも言えるのが17年kt、20年GEN。特に17年ktは18年、キャリー役でありチームの要となってくれたUcalの登場後やっとリーグ優勝を達成できた)
グループステージ三日目、DFMがSGBとの接戦で負けた後、LCK解説は「DFMがLJLで圧倒的な頂点であった分、接戦による長期戦の経験が少なかったのが足を引っ張ってしまったようだ。」と評論した。国際線で対等、もしくはより上のチームを相手にはゲームメイクも、後半試合を決めてくれるキャリー力も足りない問題点が次々と現れてしまい、最下位のTeam Azeにも負けて同率最下位となってしまった。

 それでもまだ一つ希望を持てるのは、SpringはYaharongとHarpがリモートで参加していたこと。Summerにはついに二人とも日本に向かってチーム全体が一緒に生活しながらリーグを行う分、より硬いチームワークと円滑なコミュニケーションによるゲームメイクが期待できるので、WCSではそこをより鍛えて再度挑むことを望む。

 一方、DFMの不調でLJL運営のRiot JPも非常事態を迎えたと思われる。去年DFMの活躍と共に、Valorant部門で見せてくれたZetaの大活躍もあったため、日本のeSports業界とRiot JPにとっては、復興を狙える最大のチャンスでもあった。そのため、ストリーマーとのコラボやZetaとDFMに対する応援を求むなど、新規ユーザーの確保を狙っていたRiot JPだが、今回のMSIの結果によりその活気が冷めて、Valorantにユーザーが偏ってしまうのではないかと懸念されるところであろう。

元url:https://namu.wiki/w/2022%20Mid-Season%20Invitational/%EA%B2%B0%EC%82%B0#s-3.2.3.4


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?