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KTファンが語るKTの2021年

1.初めに

 2021年Springが始まる前のストーブリーグ。Ucalを除く全選手との契約終了を発表したKTである分、外部からの選手取入れは必修であった。Doran、Morgan、Nuguriなど、多くのTopレーナーとリンク付けされた上にDeftの復帰やChovyの加入など、噂だけは物凄く活発に動いてる様に見えた。特にDoran加入の噂と共に、NuguriとChovyの加入に力入れている。との噂もあって、「ファンは期待しても良い。」と公式インタビューでもフロントは自信満々な様子を見せていた。

 だが、期待を持たせておいて、ファンの期待に対するKTフロントの答えは自分たちがメインターゲットとした選手を一人も取れず、ストーブリーグ惨敗との結果だった。その後の対応も予めプランBを準備していなかったような動きで、ファンの期待を不安に変えていった。ある記者を通して、KTがある選手(おそらくNuguri)に15憶ウォンのオファーを入れたが断られたとの報道もしたが、多くのファンの反応は「Kiinが15憶ウォンだぞ。まだメンバーもそろってないチームにたった15憶でNuguriが来るわけないだろ。」が殆どで、フロントを批判する声が高まった。その後、KTが発表した2021年のロスターはDoran-Blank/Gideon-Ucal/Dove-Hybrid/5kid/Noah-Zzus/Harpだった。Top-JG-Midのレーンが安定の様には見えるが、批判の声が高まっている中で、Blank加入や新しいADCに対するフロントへの評価も最悪となった。

 実際Blankの2021年は第2の全盛期と言っても良いほど、KTの第3柱としていいパフォーマンスを見せてくれたが、当時加入した時の評価は、「キャリアーは良い者の、ワイルドカード地域で優勝できなかったJG」との評価が多かった。ADCに対しても、SsamD、Mystic、Prince、Viper、Kramer等、多くのADC候補があったのにも関わらず、Hybrid/5kidを選択したのはKTフロントのストーブリーグ完敗宣言の様に見えた。

 その後、スタークラフトプロ選手としてKTで数多くの優勝を達成したFlashは個人配信で「僕がKTにいた10年前から、フロントの役員たちがほぼ変わっていない。」と語り、その時代からフロントの態度が全く変わってないことを確認したファンたちは、他チームファンからLCK最弱K/DA(KT/DRX AF)のKと嘲笑されることに絶望した。このように多くの不安を抱えながらKTの2021年がスタートした。

2.2021年Spring

 多くの不安を抱えながらスタートした2021年Spring。不安点が多いとは言え、Doran-Ucalの評価はそれなりに好評を貰っていて、Blankも予想以上に安定な姿を見せてくれたお陰で1Roundを終えたところ、4勝5敗 set得失-1で6位をマークしていた。起伏の幅が大きいのは弱点だったけど、パフォーマンスがいい時は、あのDKや春のHLEと堂々と戦える姿も見せてくれた。

 それでも、kt最大の弱点は起伏。その起伏の原因はレーン戦でいつも負けるBotと、得点をしてもレーン戦が終わったらハードスロウで得点を台無しにするTop-JG-Midと言えるだろう。この時点でktの今年の課題は既に明らかになっていた。Botの強化、運営段階でJG、Supのミスを減らす、そしてキャリー陣の集中力。幸い、集団戦段階での集中力はある程度完成していて、関係者からも好評を得ていた。また関係者やファンから不安点と指摘されていたJGも、ポジションミスは所々あるが、これくらいなら上出来との評価を得て、フィードバックを貰って2Roundに突入すれば充分挽回する可能性が高いチームであった。

 そして、希望を抱いて突入した春の2Round、ktは2勝7敗を記録して春全体で6勝12敗7位をマーク、PO進出失敗となった。ストーブリーグで契約した選手の面々を見ると、ある程度予想されていた結果とも言えるが、その詳細を見ると、その予想を超える結果を得ることが出来たが、コーチ陣による自滅で無くなったと言った方が正しい。

 主な原因はコーチ陣の謎の選手交代。1Roundの末にUcal-Doveの頻繁な交代が始まった以来、定期的な出場をしていなかったDoveは勿論、Ucalのパフォーマンスまで不安定となり、今まで大事にしてきたMidでの主導権をほぼ取れなくなった。その上に、2Roundからはマクロの要となったBlankを2軍に行かせ、今までLCK出場がなかったGideonを1軍登録、Gideonワンマン体制で2Roundに入り、結果は上記の通り。それにいつも相手に主導権を渡すことで問題視されたbotは2round後半にADCをNoahに変えるまで改善されることなく、チーム全体を苦しめた。デビューした新人のJG、不安定なMid、改善されないADC…総合的にKTは、Topが崩れると何も出来ないチームになってしまった。誰もがばくち打ちだと評価したJGの交代でKT監督Hiraiは見事に失敗したのであった。

 結局、KTの春を総評してみると、1Roundまでは希望が見えたが、改善されないbotスタメン(Hybrid/Zzus)のパフォーマンス、そして誰もが弱点と指摘するbotの交代を後回ししてなぜかMid-JGを変えたコーチ陣の謎の選手交代で自滅したシーズンと言えるだろう。

3.2021年Summer

  春の失敗、それでも2Round後半から出場したユース出身の新人adc、NoahがDeft-Ruler-Deokdam-Ghostを相手に見せてくれたパフォーマンスは、KTファンの数少ない希望となった。また、アカデミーリーグのCKで、設立されたばかりのKTアカデミー、特にsupの新人が見せてくれたパフォーマンスと好成績は、今までKTファンが期待してなかった楽しみの一つでもあった。

 その可能性に掛けて突入したSummer、KTは全体的に改善されたパフォーマンスを見せる中で、なぜかマッチ勝利は取れず、Summer1Roundが終わった時点で3勝6敗 8位をマークしていた。改善の証とみられるのは8位の順位でもset得失は0であると言う数値のみ。各関係者からパフォーマンスは良いと好評されるにも関わらず、マッチ勝利が少ないのは何か根本的な所で弱点がある、としか言えない状態であろう。

 原因として挙げられるのは春と同じくbot。各指標1位をマークするtop、2軍行きを克服してマクロの要となったJG、set MVP 7回のMidを上手く支えないのが足を引っ張っていた。春の末で可能性を見せたNoahと、SummerからLCKにデビューしたHarpは、CKで充分duoで合わせてた分、初めはそのアグレッシブなレーン戦を活かして生き生きとしたプレイを披露したが、時間がたつ程、そのプレイスタイルが見破られカウンターされることが多く、経験の少なさを表せていた。

 それ以上に問題と指摘されるのがコーチ陣のバンピック。相手が誰でも1setでのBPは素晴らしいが、2,3setに入ると、そのBPの内容が急に悪くなる。相手の得意ピックをそのまま渡したり、自ら不利なピックを取る等、理解出来ないBPが増えて行った。

 特に批判されたのは1Round最後のHLE戦。新パッチに入って既にグウェンJGを使うチームが前にもあったが、KTはそのグウェンJGに対応できず、2setを負けてしまった。大会で出るピックは既にスクリムでも出してある程度の評価を得たピックであるとの証。なのにそのピックに対応できず、一方的に負けたのはよくないとの評価が多かった。その上に1,2setまで、Chovyの代表ピックとも言えるアカリをずっとバンしていたが、3setでは2setで対応できなかったグウェンをバン、そのままChovyにアカリを渡して、そのアカリがペンタキルを取りながら活躍するのを見てることしか出来なかった。

 それでも勝つ試合は2-0、負ける時は1-2で上手くset得失は管理したため、まだパフォーマンスは良いと評価されている分、挽回のチャンスはあった。そのチャンスを自ら逃したのはまたしてコーチ陣。2Roundに入って不調だったBotを交代するのは充分理解できる判断だが、夏になってマクロの要となったBlankの代わりにまだ未熟なGideonを出場させた判断については、批判を避けられないであろう。夏のktは誰が見てもBlankが中心となってTopとMidを育て、育った二人がチームを率いる形でプレイを展開するチームだった。Blank個人のパフォーマンスは確かに起伏がまだあったが、それでも彼がいないとマクロが崩れてスノーボールをしっかり作れないKTのプレイを、ファンは勿論、コーチ陣が最も近くで見ているはずだが、コーチ陣はBlankをサブに回す等、謎の使い方をしていた。そして、その結果は7勝11敗 7位をマークしてPO進出失敗。春と同じ順位の成績でKTの2021年は終わってしまった。

4.総評

 一言で、「チーム運営、選手管理、BP面で2021年LCK最悪のチーム」と言えるだろう。順位だけ見ると春、夏共に7位で、PO進出まであと一歩足りない、惜しかった1年と言えるかも知れないが、ストーブリーグ後にLCK最弱チームK/DAと呼ばれた3チームの中で、唯一POに一度も行けなかったチームでもある。PO進出が出来なかったため、稼いだポイントもなく、Regional Qualifiersへすら行けなかった、1年丸ごと台無しにしたシーズンと言えるだろう。

 StarCraft時代から長らくチームを運営してきたKTは、韓国国内でもesports名門と言われているが、それに相応しくない、やる気ない態度と無能として名高いフロントが有名なチームでもある。そしてそのフロントの無能がブーメランとなり、現在のKTに大打撃を与えた2021年である。ストーブリーグ惨敗の結果に伴い、改善されないbotが1年の最初から最後までチームの足を引っ張った上に、監督であるHiraiは最後までチームの方向性を決めれず、スタメンをコロコロと変えていった。

 その中でもTop-JG-Mid、言わばチームの上半身は、どのチームと比べても劣らないパフォーマンスを見せた。特にTopのDoranは7位チームのTopとは思えないくらい、多くの指標で1位を示し、チームのエースとなった。MidのDoveはSB時代の安定感にキャリー力まで身に着け、レーン戦を安定に行い、ゲームの中盤にはチーム全体をしっかり引っ張ってくれた。この二人のキャリー力の背景にはBlankのマクロ能力も欠かせない物であった。Summerになって、序盤からある程度のガンクが必修となったJGメタで、Blankは適材適所にガンクを決めたり、相手のJGに入り込み、レーナーを楽にさせる等、ゲーム序盤のマクロで重要な役割を果たしてくれた。
 このように選手たちが奮闘する中で、謎のBPと選手起用で叩かれるHiraiはチームのマイナス要素との評価は正しい指摘であろう。僕を含め、多くのKTファンはScoreの不在を惜しく思っているが、今になって振り返ってみると、Blankが頑張ってくれてる分、ScoreよりもDeft-Mata以降まとまらないBotを懸念するのが正しいかもしれない。Deft-Mataがチームから出た以降、KTはbotが弱点となり、チーム全体の足を引っ張っている様子が毎年見られている。その問題を抱えて3年目になるが、それでも改善させようとしない、消極的なフロントと、未だにも解決策を見いだせないコーチ陣に対するファンの批判の声が高まるのは順当とも言えるだろう。

5.来年のKT

 KTとは関係のないWCSが終わったらまたストーブリーグがやってくる。2021年チームの中心だったDoran-Blank-Doveとの契約が終わるKTの未来は闇そのものとも言える。リーグがフランチャイズ化して、降格は無くなったものの、何時までもこの闇の中を歩いてるチームを見届けようとするファンは少ない。本当に遅くなる前に、Doran-Blank-Doveとの契約更新、そしてそれをしっかり支えるようなbot育成、または取り入れが必要であり、それを率いるコーチ陣とフロントの改変は不可欠である、が、今までのフロントを考えるとその改変までの道はまだ遠いように見える…

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