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ブラッドミアビルドの最近研究動向

1.シーズン11でのブラッドミア

 正直、今年はブラッドにとっては最悪の年ではないか、と思うくらい明るいとは言えなかった。パッチ11.8で貰ったQのバフを除けば勝率50%超えるのが珍しいシーズンだった上に、シーズン11の一瞬の全盛期と言っても良い11.8パッチも11.9で直ぐにナーフされて、「花に十日の紅なし」との言葉が似あうシーズンと言えるだろう。

↑動画1. 11.8パッチ段階で紹介されたブラッド攻略 

11.8で貰ったパッチはQのクールダウンをマスターした時を基準として1秒減らしてあげた、たったそれだけだった。でもブラッドと言うチャンプの特徴上、スキルヘイストの影響が大きいチャンプでスキルをもう一回回せるかどうかで、ダメージトレード、集団戦の結果が大きく変わるチャンプである分、そのたった一秒で勝率が54%まで跳ね上がる。その後は今までの通り、Qの再びナーフを始め、フェイズラッシュのナーフ等、様々なパッチの影響を受け、現在はKRサーバー基準、Midでピック率2.63%、勝率48.24%。Topでピック率1.76%、勝率48.85%を記録している。最近の11.16パッチではパッシブのバフを貰ったものの、ダークシールナーフの影響を受けて、他のビルドに目が言ったユーザーにより、むしろ勝率が前のパッチより下がる傾向を見せた。それでも圧倒的な生存力、育った時の爆発力は、僕に今ブラッドビルド攻略を書かせている理由の一つであろう。今回のビルドまとめでは、KRサーバーで今シーズン最高ランクグランドマスタ、現在ランクマスターのSaeRu(リンク)が紹介したビルドを中心にまとめてみたい。

2.ブラッドミアのスペルについて

 これはシーズン11に入って、ブラッドが短い全盛期を迎えた11.8パッチの時も同じ傾向が見えていたが、現在のブラッドはフラッシュ-イグナイトよりゴースト-イグナイトを持った時によりいい勝率を記録している。

 ↑動画2. EUのブラッドOTP、Elite500のプレイ

 このスペルを最初に使い始めたのはEUサーバーのブラッドOTPであるElite500と言われている。最近は相手のチャンプを見てゴースト-フラッシュを持つ時もあるようだが、今でもゴースト-イグナイトでランクに挑むことが多い。
 それではなぜゴーストを持つのか?ブラッドをプレイする時の大前提はまずレーン戦を耐えることから始まる。レーン戦を耐えるためには相手のガンクやダメージトレードを避けるのが最も大事であるが、既に最上級の生存スキルを持っているブラッドにはフラッシュよりクールダウンが短いゴーストがガンクを凌ぐにも、相手と同時にスペル交換を行った時にも主導権が取れる。ゲーム後半、集団戦段階でもゴーストの方がブラッドとしては突入の手段として、またスキルがクールダウンに入った際に相手のスキルを避けながらポジショニングを取る手段としてもフラッシュよりゴーストがブラッドに似合う。後程述べるアイテムビルドでもそうだが、今のブラッドはスキルヘイストを積み、少しでもスキルを多く使える環境と、突入と逃げ両方容易に出来るようにMSを積むことが大事とされる。そこでゴーストはMSアイテムとのシナジーも考えられるメリットがある。そして、11.10から入ったフェイズラッシュの調整(遠距離チャンプのMS増加幅ナーフ)は、ブラッドがゴーストを使うもう一つの理由となった。
 一言でまとめると、「今のブラッドは、ユーザーのフィジカルによってはゴーストを持つ方が良い」と言える。

3.ブラッドミアのルーン

 昔のブラッドは先ほど述べたように、今も昔もMSが大事なチャンプであった分、フェイズラッシュを持つ頻度が最も高かった。だが、フェイズラッシュのナーフ以降、ブラッドOTPたちの選択はエアリーと電撃の2択となった。

3-1. 電撃

無題

 ↑マスター帯以上でブラッドの各ルーンの勝率とピック率

 電撃を選択するブラッドは現在のパッチで全体の20%、勝率は49.8%でほぼ5割に近い勝率を示している。サブルーンはブラッドとシナジー効果の高いサステイン関連のルーンと、スキルヘイストに重要なルーン、そして後半キャリー力を上げる強まる嵐か、ゴーストなどのスペルを使った際によりMSを上げてくれるニンバスクロークの選択が多い。ニンバスクロークか強まる嵐化で勝率が大幅に変わってはいるが、強まる嵐のピック率を考えてみると、本当に後半キャリーが自分のみの状況じゃなければニンバスクロークを持つのがより賢明な判断と考えられる。
 電撃を持つ主な理由はやはりレーン戦。特に遠距離チャンプを相手する時、電撃のバーストダメージ+ブラッド特有のサステインでレーン戦主導権が取れる相手(ex. シンドラ or オリアナ)に持つと有効と思われる。最も有効に使われるタイミングは6レベル。ult+イグナイト+電撃のダメージでソロキルを狙うに適したルーンである。

3-2. エアリー
 エアリーは現状ブラッドユーザーが最も好むルーンである。上の画像に示してる様に、サブルーンに関して数多くのものがピック率を持っていて、エアリーを持つ大きな理由はビルドパスの柔軟性にあると思われる。エアリーを持った時のメリットは、1. スキルがクールダウンに入った際にAAでのダメージ補充、2. スキル、特にQ及び強化Qのダメージ補充、この二つが主な目的と言える。このメリットは、メレーチャンプ相手には序盤のレーン戦から大きな有利を持たしてくれるし、メレー相手じゃなくてもレベル1,2段階でのショートトレードでブラッドらしくない積極的なレーン戦を可能とする。サブルーンは主に天啓を選択、スキルヘイストが大事なチャンプである分、宇宙の英知は必須。残り一つのサブルーンで魔法の靴 or ミニオン吸収装置の二択に分かれる。今回は靴スタートのビルドを紹介するため、ミニオン吸収装置を持った時のメリットを述べる。正直に言って、ミニオン吸収装置のメリットはただ一つ、遠距離ミニオンに三つ使ってウェーブクリアの速度を上げ、より早く交戦のバックアップに、またサイドレーンへのロームに合流するためである。特にスカトルなどのオブジェクトを中心に局地的な戦闘がよく起こる現メタの中で、ウェーブクリアした上での早い合流はその交戦の結果だけではなく、その結果から作られる展開(例えば、ヘラルド獲得後に得られるプレートゴールドの量等)に大きな影響を与える。その合流するチャンプがキルを拾うと莫大なリターンを期待できるブラッドなら尚更であろう。

4.プレイ+アイテムビルド

 現在、ブラッドミアのスタートアイテムは大きく分けて三つ。
・ダークシール+詰め替えポーション
・ドランリング+ポーション二つ
・靴+詰め替えポーション
 ピック率も勝率も、三つともそこまで大きい差はないが、今回はピック率26.23%、勝率49.75%を記録している靴スタートビルドを紹介したい。

 ↑動画3.ジェイス(BRO Lava)とのマッチアップでビルドを開設した動画

 まず靴スタートにする大きなメリットは序盤からのMS。ダークシールスタートの場合、追い風を積んでもMSは330。その代わり靴スタートの場合は、MS360で、どのチャンプ相手でもMSで大幅な差を作れる。このMSの差で、レーン戦段階、特にスキルを交換する際に相手のスキルをより避けやすくなる+ブラッドの強化Qを利用したダメージトレードがしやすくなる、と言うメリットが生まれる。
 また、このMSの差は先ほど述べた局地的な小規模戦闘が多く発生する現在のメタで、相手より一歩早い合流が出来るようにしてくれる。KRブラッドOTPの表現では「ブラッドをピックした段階で味方からの印象は悪いのに、合流まで遅かったらただの迷惑。だからこの序盤のMS差を利用して、最初のスカトルの取り合いから合流を考えた方が良い」とのこと。彼曰く、このビルドの目的は最序盤の段階から高いMSを利用してダメージトレードで優位を取り(相手のスキルを避ける、動画3の04:33)、そこからの優位を利用して早く合流やロームすること、と述べている。そして、動画3の05:15辺から、QのCDが回ったタイミングでMS差(ジェイス336、ブラッド360)を利用して一方的なダメージトレードが成功したところを例として挙げている。この頻繁なショートトレードが靴スタート+エアリーを持つ最大の意義であって、このプレイをしない時点で靴スタートとエアリーを選択した全ての理由が無くなってしまう。
 動画3の05:45、ブラッドのゴーストとジェイスのフラッシュが交換され、その際のMS差でタワー下でも余裕を持ってダメージトレードが出来て、相手を先に帰らせることが出来る。ゴーストのCDがフラッシュより早いため、次同じような場面が出たらキルまで狙えることが出来る。ここから生まれた差はレーン主導権に繋がり、味方JGがより楽にルートを作る基となる。
 そのため、1コアは靴完成。ミシックよりも先に靴を積むことで、序盤から作れた有利を最大限に活用することが出来る。ダメージ面ではソーサラーブーツ、CD面ではアイオニアブーツをお勧め。特にアイオニアブーツはゴーストの短いCDをもっと短くすることが出来るので、スペル交換からキルまで狙いやすくしてくれる。2コアのミシックはベルト。ブリンクとブリンク後のMSアップはultとゴースト両方持っているタイミングのブラッドをより突入しやすくしてくれる。ハーベストと比べて、貫通の効果もあるのでダメージ面でもメリットを感じられるだろう。3コア目はコズミックドライブ固定。CDからMSまでブラッドのためのアビリティが揃ったアイテムである。
 この後は、回復阻害が必要ならモレロ、アグロ管理手段が必要なら砂時計、自分が育ってるならメザイやデスキャップとなるだろう。特に優位を作った時は、ブラッドの優れた生存スキルを信じて実力に自信があるならメザイを積んでみるのがお勧め。MSを含めブラッドのキャリー力を確実に上げることが出来る。

5.総評

 紹介したビルドで要となるのはエアリー、靴スタート、ゴーストの三つ。どれも序盤レーン戦と素早い合流に適した選択と言える。特に今回の11.16パッチでダークシールのナーフ+ブラッド本人のバフが入ったため、ナーフされたシールの代わりに、CDとMSを序盤から積むための靴スタートとの発想から生まれたビルドである。スキルの射程が短いブラッドで、よりMSを大事に思った結果、ルーンの追い風、序盤からの靴完成、ゴーストの活用、ベルトとコズミックドライブのシナジーまで考え、CDとMSを最大限積み上げて序盤のレーン戦から相手との距離やスキル活用を探り合い、有利なダメージトレードを成立させ、そのスノーボールを転がせることを想定したビルドだと考える。
 自分のブラッドの実力に自信があれば、このビルドを活用してみるのも一つの策であると思う。

参考サイト
SaeRu youtube
プロ観戦者P.S
LoL戦績、ビルド検索サイトlol.ps

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