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そば屋が出前できる範囲の町 -2

医者、交番、特定郵便局、児童公園。散髪屋、小さな商店街か市場。小学校、中学校。学校前の文房具屋。喫茶店、電気屋、畳屋。隣町に映画館、お寺、高校。プラモ店。

蕎麦屋やラーメン屋は、店主が出前に応じられる範囲に一二軒。町には洋食屋。

どこの水辺でオタマジャクシを見つけたとか、あの角の郵便ポストの横で初めてバレンタインチョコを渡されたとか、町の舞台設定がはっきりしていた。

蕎麦屋の息子や味噌屋の娘だって同級生だ。

今では町外れにコンビニがあるだけ。炎天下、カートを引きずりながら年寄りが隣町の大型スーパーまで買い出しに出かける。

市場の紙袋を市場ごと追いやったのは、量販店でありレジ袋だ。そのレジ袋も有料化。

選んだのは私たちだ。後戻りはできない。アマゾンだってプライム会員だ。値上げを契機にやめたけど。

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