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月間1000km

「note最近書いてなくないですか?読みたいですw」

と、ある選手に急かされてしまいました。チーム内でもちゃんと読まれているもんなんですね。

GMOアスリーツは7月末から妙高→紋別→函館と場所を移して強化合宿を行なっています。涼しい気候と、美味しい食事と、スタッフの充実したサポートと至れり尽くせりでとても良い練習ができています。

タイトルですが、8月も少し残してこれだけ走っています。

(何で書いても良かったのですが「月間1000km走った話で書けよw」と言われてしまったので)

このままだと、実業団選手かつ運動生理学の勉強をしている者として、胡散臭いタイトルであまりよろしくないです。ちゃんと書いていきます。

前提として競技力向上に必要な自分の考えについて。

運動生理学的なことは一旦置いておいて、競技力向上には以下のプロセスが大切だと思う。これが1番伝えたいこと。

効率よく走るために必要な部位を使えるようにして、実際の走りにその動きを落とし込む。
それができた上で必要な部位の筋力を強化する。また、レースに向けた専門練習を行う。

”走り込みは基礎”とよく言われるが、走り込みできるだけの身体の使い方ができていることが大前提。全身の筋肉を複雑に協調させるという点では走ることもある意味応用。特に膝よりも末端で局所的慢性的に痛みがある選手は走り込みができる条件をクリアしていない可能性が高い。そのような状態で走練習をハードに行っても、トレーニングが継続できない可能性が高いし、セーブして小さいキャパ内に収めようとしても、十分なトレーニング質量を確保できない。いずれにせよ高いレベルに到達するのは難しくなってくる。

高いレベルの選手だと自然にクリアできていることもあるが、大学の陸上部だと私含めて最初で躓く人がほとんどだった印象。

最近”ウエイトトレーニング”が熱を帯びているが、使いたい筋肉を正しく使えるレベルの人が導入することに価値があると思う。そして、そのレベルにある人は、競技者全体で見るとかなり少数であると思う。

今期の自分の話をすると、春夏シーズンは”効率よく走るために必要な部位を使えるようにする”という走練習以前の段階で躓いていた。そんな状態で走り込んでも全く意味はないので現に週100〜120kmしか走っていなかった。7月に出場するレースは5000mだったので、走練習の強度をギリギリまで高めることで自己ベストにこぎつけることはできた。(スピードを上げれば動きが誤魔化せるのでなんとかなる)

7月の終わりくらいから、取り組んでいた体幹部と臀筋のトレーニングが走りの中で応用できるようになってきて、明らかに走りの質が変わった。4’00/kmくらいまでのペースなら疲労を感じず動きが洗練されていった。その段階に到達してから、鍛えて走りに落とし込むというプロセスを繰り返していった結果が距離に現れたというだけ。もともと走ることは好きなので苦に感じなかった。正直、最初から「8月は月間1000km走ろう」という気概は全くなかった。逆にあったとしたら、ただノルマをこなすだけの合宿になって、本当につらかったと思う。

もちろん、今の時期にジョグとフィジカルトレーニングしか行っていないというわけではなく、スピード練習も行う。しかし、特定のレースのためのものというより、ジョグ(動き作りのようなイメージ)でできていることが速い速度帯でも応用できるか、を確認する機会という認識でいる。

距離を踏んでいてスピードが死ぬということは全くない。スピード練習も今までよりも高いレベルでこなせている。それほどレベルが高くない私の場合、専門練習以前に、走りの質を高めることがそのまま競技力向上に繋がっている。 「距離を踏んでスピードが落ちる」という人は(よほど高いレベルは例外だが)、距離を踏むことが目的になって走りの質が落ちているかもしれない。

確実に言えることは、走行距離を稼ぐことが目的になってはいけないということ。良い動きを身につけるための走練習なのに、そこに拘って動きをどんどん悪くしてしまっては全く意味がない。

また、いくら走りが効率化されてもその人のキャパを負荷が超えたら怪我するので注意は必要。私の場合、同じ方針で大学2年のマラソン前に月間900km以上のペースで問題なく走れていたので、それが前提にある。

走り込みに関連した内容で書いてみました。走り込みを目的と手段のどちらに置くかで得られる結果は180度変わってくると思います。少しでも考えが参考になれば嬉しいです。

私たちも秋シーズンに向けて練習頑張ります!

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実業団ランナー GMOアスリーツ/GMOインターネットグループ 東京大学大学院八田研(運動生理学) 5000m 13’36/10000m 28’54/half 63’43/full 2:14’13

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