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サラダの畑がある場所に暮らす #寄せ文庫

私にとってふみぐら社さんとの共通点は圧倒的に信州です。

周囲を山に隔たれている環境で、なんとなくだけど宙にぽっかり浮いたような感覚の地域。お互いが信州暮らしだと地続きの場所にいるというイメージが湧いて、つい身近に感じてしまうのです。

今すれ違った軽トラック、ふみぐら社さんが運転しているのでは。
ホームセンターの農機具売り場にいた人、ふみぐら社さんだったりして。
カフェで時々見かけるノートPCを広げる男性、もしかしたらふみぐら社さん?

もちろん信州だって広いので、そんな都合の良いバッタリはそうそうないのだけど。

たまたまや成り行きというより、自分で選択した結果、信州での生活を味わっている感覚もまた親近感を覚えています。

文字の間から信州の香りが漂ってくるような描写の多いふみぐら社さんのnote。
選ぶとしたら、抜群の一本はこれしかない。

本文、いきます。

---ここから---

ふみぐら社さんの文章は多方面にわたります。
業界の話、物書きの話、哲学的な思考の話、かと思えば他愛のないリアルの話。本人は「ちょっと何言ってるかわからないけど」と口癖のように断りつつ、その長すぎない言葉の切り口は読み手に何かしらの共鳴を与えてくるものばかり。

中でも私に響くのは信州での暮らしの話。
風景、色彩、音、そして触感、ふみぐら社さんがさりげなく書く日常の描写はまるでその場にいるような空気を届けてくれます。

周囲よりちょっとだけ近い太陽の香り。
飽和した水分を含む空気の香り。
有機物の立ち上る土の香り。
生命力あふれるみずみずしい草の香り。

果実でもなく、地中に育つ作物でもなく、植物としては原始的な葉物野菜に対して「美味しそう!」と食欲を刺激される私たちは、かなり原始的な生命力に支配されているようです。

畑に立って新鮮な葉っぱサラダをむしゃむしゃと食べるとき、そこに永遠はもちろんなくて、今この時の欲求を満たすためだけに生きていると実感するのです。

---ここまで---(423文字)

「ケイさんはこれを選ぶと思った」って言われたい。

猫野サラさん主催の寄せ文庫に参加させていただきたく、スタッフの皆さん、よろしくお願いします。


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