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創作裏話

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小説、ショートストーリーの執筆過程やきっかけなど裏話をまとめました。今この世界のどこかに暮らしている誰か、というイメージで書くことが多いので、執筆自体よりも取材や事前調査に時間を…
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2020年10月の記事一覧

『自己紹介』商店街シリーズ第3話

オレンジのカーディガンが似合う彼女はいつも同じ電車にいて、同じ駅で降りる。 時々目が合う。お互いにスッと目線をそらせるけど、彼女も僕の存在に気付いていると感じていた。 ある日、電車を降りて改札に向かう途中、肩にリュックを引っ掛けた男が駆け足で階段を登ってきた。 危ないなぁと思ってすれ違った直後、リュックが彼女にぶつかった。 男と彼女はあっと振り返って見合ったが、よほど急いでいたのかリュックの男はそのまま階段を駆け上がり、僕たちが乗っていた電車に駆け込んだ。閉まりかかっていた扉

小説書きの文学賞と締め切りまでの話

ようこそ、ケイです。小説を書いています。 この秋、文学賞に2つの作品を応募したので、その記録をここに残します。 手ごたえも結果もまだ何もありません。 書き始めは夏の初め創作小説を初めて公開したのは2018年夏。 2019年に文学賞に初めて応募して、2020年の今年も文学賞の応募を目標の一つに定めました。 ターゲットは秋に締め切りのある文学賞です。 応募作の構想を立てたところで、山籠もりをして集中して小説に向き合う時間を持ちました。 本格的な着手はこの時になります。