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【娯楽メモ vol.19】第5回かが屋単独ライブ「かが屋の大カロ貝展」


第5回かが屋単独ライブ


コント一覧

カニ
加賀先輩に自分のミスを怒られている賀屋。そんな中、部長から電話で賀屋にだけ、カニの食事の誘いが入る。元気になる賀屋と、誘われなかった加賀の口論がさらにヒートアップする。

定期
教室にて、「定期落とした…」と地獄の空気を出している賀屋。それを、実は定期を拾っていた加賀がからかって、思いっきりバカにする。

好きなように生きる
「Loopでウーバーしたらもったいないぞ」ということを伝えたい加賀。しかし、自分の意志が固すぎて全く聞き入れる気がない賀屋。口論は続く。

警備員とチャリ男
警備のバイト中の賀屋に、毎回チャリで自分の知識を披露しにやって来る加賀。ウーバーワールド(Loopでウーバーをする世界)から抜け出した賀屋が、加賀も早く目を覚ませと諭す。

生姜焼き
反抗期で母親に「ババァ」と暴言を吐く加賀。それに母親(賀屋)は、「お母さんお箸持ってきてでしょ」とロボットのように同じことを繰り返すことで対抗する。母親の方が一枚上手で、加賀は毎回イライラする羽目に。

布団
物干し竿に布団を干すのに失敗し、地面に落としてしまった母親(賀屋)。何かの糸が切れたのか、そのまま布団に横になる。そこへ息子(加賀)がやってきて、どうしたのかと心配。歌を歌ったりジャイアントコーンを食べたりと楽しいひと時だったが、本当に熱があった様子で…。

感想(※ネタバレあり)



配信にて、かが屋の単独を初めて見ました。

いい意味で色々な発見があり、かが屋の新たな側面を知ることができました。

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オープニングトーク

まず驚いたのがオープニングトーク。

漫才のライブならよくありますが、コントのライブだとエンディングトークのみの場合が多いですよね。

そんな中かが屋はオープニングで登場し、5分ほどトークしてからのスタート。

どちらがいいとかではないですが、コント師として珍しいなと。このパターンもありか、と気づかされました。

せっかくならエンディングでも出てきてほしかったな。

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OP、EDムービー

OPでは、男の子が浜辺でヒトデ形の貝を拾い、それを見たおばあちゃんが息子のために貝の展示を企画するというショートムービー。

そしてEDでは、男の子が賀屋さん、おばあちゃんが加賀さんに代わっているというもの。

どういうことだよ笑と思いましたが、クスッと笑える感じが僕は好きでした。

深読みするとしたら、みんなを楽しませる星のかけら(ネタ)を見つけた2人。それを多くの人に見てもらうため、企画を考え、準備し、今回の展示(コントライブ)に至った、というところでしょうか。

2人の笑顔が素敵でした。

あと、映像で流れている音楽が軽やかかつリズミカルで、テンション上がりました。こういうところも大事ですね。

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アドリブ感のある演技

単独ライブともなると、きっちりネタを作り、台本通りの完璧なものを見せるというイメージがありましたが、かが屋はそうではなく、アドリブ感満載。

きっとかが屋のお二人なら、きっちり台本を作り完璧に仕上げてくることもできたはず。

でも、細かく決めすぎないことの良さもある。特にかが屋は細かな演技が非常に上手いので、エチュードでも十分成立します。

ジャルジャルのお二人に近いですかね。

僕は普段のかが屋が見れた感じがして、これはこれで好きでした。

でも、各コントのオチだけ。そのセリフ一言でスパッと終わった方がよかったのではー…?と感じてしまう節があったので。難しいですねー。

てか、ほぼ全ネタ口論で叫んでましたね。すごい体力。

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印象に残ったコント「カニ」

6本のうち、僕が好きだった「カニ」について最後に。

まず、《説教中、カニに誘われた部下と誘われなかった上司》という構造の設定がめちゃくちゃよかったです。

僕もこういう秀逸なの思いつきたい。

そしてそれを、電話越しの《カニアレルギー》というワードだけで表現する手法。

この2人コントが上手すぎる…と改めて思いました。

バラし方はいくらでもありますが、間接的に観客に理解させる感じ。ちょっと頭に入れておきたいと思います。

また、やり取りをずっと見ていると、加賀さんの方も何に怒っているのかわからなくなってきてしまう可能性があるので、途中で《俺はアレルギーだから食べられないけど、誘われてないのが嫌》っていう怒りの理由づけをはっきりさせていました。

この点も、観客側に状況を整理させることの大事さを感じました。会話劇は特に。

そして賀屋さんの方も、

「忘れないです、たとえカニをほじくったとしても」
「カニって…そんなに美味しくないですよ」

など、カニを楽しみにする気持ちと、上司の前だからという気持ちが拮抗している表現が上手ですね。

アレルギーで食べれないものがある人にかける言葉ほど難しいものはないですよね。仕方のないことで、その人も気にしないでって雰囲気を出してくれますが、本当は食べたいんだろうなって。

「雰囲気ものだから」って言い方は、確かにありかもしれません笑。

起承転結の転。先輩の加賀さんにも部長から電話がかかってきます。

浮き足立つ加賀さんでしたが、ただの仕事の連絡でした。かわいそう…。

最後一人になった加賀さんの「カニ食べたぁい…」というつぶやきに、どうにもできない哀愁が漂っていて、きれいなオチだなと思いました。

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