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kyoto book list

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京都にまつわる本や映画。ときどき本屋も。
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記事一覧

ミシマ社の本屋さん

ミシマ社の本屋さんは週に1回、金曜日にだけオープンします。 なんで週に1回?それも金曜日なんだろう? 「お客さんに自分たちがつくった本を直接届けたいという気持ちから、この本屋はできました。だからここで応対しているのはみんなミシマ社の社員なんです。もし土日オープンだと社員の休みが無くなってしまう…。そこで週に1回、金曜日だけオープンしているんです。」 そう話してくれた社員さんは普段はミシマ社のWebを担当されているとのこと 「けど、さっきまで梱包作業してたんですよ。」

映画「夜は短し歩けよ乙女」

京都を舞台にした森見登美彦さんの小説「夜は短し歩けよ乙女」。昨年春にアニメ映画化されたものを観ました。劇場まで観に行こうと思っていたのに結局今になってしまった…。 時代と空間を超えてご縁がひょいひょい繋がっていく様が、現代版おとぎ草子といった風。そしてその舞台に京都はぴったりだと、画でみてあらためて思うのでした。 森見さんの文語体で進む奇想天外な小説と、ヨーロッパ企画の演劇がうまい具合に組み合わさって、大学生特有のわけのわからなさが存分に発揮されていたよ。特に秋の文化祭は

映画「リズと青い鳥」

現在劇場で公開中の映画「リズと青い鳥」を観てきました。京都アニメーション制作「響け!ユーフォニアム」のスピンオフ作品です。 宇治にあるという北宇治高校の吹奏楽部員の人間模様を描いたこの作品。北宇治高校のモデルは、宇治市にある莵道高校なんだって。エンドロールの取材協力に高校名が載っていました。そのほか、東宇治高校、すばる高校の名前も。どちらも宇治にある高校です。 劇中ではみんなで県祭り(宇治にある県神社のお祭り)へ行こうというシーンはあるものの、祭りそのものの描写はなく。京

Fanyu「手繪京都日和」

台湾にある「誠品書店 誠品敦南店」は、日本でいう代官山蔦屋のような本屋さん。先日、観光がてら行ってきました。 やはりみるのは旅行コーナーの京都本。基本的には日本で販売されている京都本が現地の言葉に訳されているものが多かったです。現地の人が書いた京都本がないものかと探してみつけたのがこちら。 Fanyuさんの『手絵京都日和』。 作者と出版社をみてこれは台湾のものだと確認。しかしビニールが被せてあって中が見れない…。でも表紙の絵地図のかわいさ、そこに載っている村上開新堂や六

森見登美彦「太陽と乙女」

美女と竹林。太陽と乙女。 登美彦氏の物語の作り方、過去の日記、自伝、自身のことが赤裸々に書いてある。 下鴨納涼古本まつりへ行くと、私はいつも焦りを感じる。真夏の糺ノ森で途方にくれる。氏も、古本まつりへ行くと同じような焦りを覚えるということが書いてあった。氏は乙女のように糺ノ森を悠々と泳ぎ、時に怪しいテントで激辛鍋をつついているのだと思っていたから、なんとなく親近感がわいた。 けどそんな赤裸々日記も、完璧な作品として仕上がっているところが、やはり作家さんだなあと思いま

kyoto_iitoko「絶景を巡る京都」

スタンダードな名所に、スタンダードな解説。けれど違うのは、写真家の良しというより、私たちの良しとする視点で京都が写真におさめられているということ。 すごく綺麗、だけどどこか近くに感じて、いいな〜この景色みてみたいな〜と思います。これが絶景という構図なのかなと思ったり。 四季折々の良さが際立っていて、特に嵐山公園から見下ろした雪の保津川は水墨画のようでとても綺麗です。

綿矢りさ「手のひらの京」

京都が好きとはいうけれど、京都自体に動かされて京都を離れる主人公。それは好きではなく、愛だなあと思う。好き嫌いでは計れない、けれど自分の行動の基礎になるもの、そういうのが愛だと思う。そしてそういう愛するものがある限りは、どんなに悲しいことがあっても幸せなのです。そんなことを教えてくれるお話でした。元気ない時に読みたい。

岸本千佳「もし京都が東京だったらマップ」

京都観光は、点から面へ。短期から長期へ。 都会でせかせか暮らし、休日1日でがっとお金を使い非日常を体験するショック療法的観光をするぐらいなら、暮らしそのものの充実度をあげて(お金ではなく心の)、日々満足しながら暮らす。そうして観光を自分の生活へ引き寄せる。もしくは他者の生活を覗くような観光をする。 「生活的観光」 そんな人々のあり方の流れを感じます。そしてその流れが京都にとって追い風だということも。 中身について具体的にいうと、ざっくりやなあということ。だからとても面

岩波写真文庫「空からみた京都」

「空からみた京都」1957年 古本市へ行って、古写真や、交通会社が配布した切符や、パンフレットを眺めると、当時の人々の流れや考えや嗜好が分かるから面白い。 京都の観光地を、主に世界遺産に絞って紹介しています。霊山観音を「コンクリート造りの醜悪な大仏」と罵倒しているところに、この時代のタブーの少なさを感じる。