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群盲評象2023(370過去記事、2023年12月末まで)

370
本マガジンは、2023年1月1日から2023年12月31日までの365日分、桜井健次(筑波大学数理物質系名誉連携教授、イメージング物理研究所長)が毎日投稿するエッセイを収録します…
現代は科学が進歩した時代だとよく言われますが、実のところ知識を獲得するほど新たな謎が深まり、広大な…
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2023年11月の記事一覧

2023世界AI安全性サミット

毎週火曜日と木曜日は、最近Voicy ラジオ放送で語った内容に補筆、追記、改訂を行い、まとめ直したコンテンツをお送りします。多くのものは2回、3回にわけて放送したものですので、それらの内容を1つにまとめ直し、参考資料へのリンクを入れ、さらに、それらについての解説も追記しております。この記事は、マガジンご購読の皆様限定になります。ただし、この記事のもとになっているラジオ放送は、インターネット上で、どなたでも無料でお楽しみ頂けます。 今回お送りする記事のコンテンツに対応するラジ

都市水没

毎週水曜日、「水」または「水曜」に関係するテーマの短編記事または漢詩または合成画像を作っています。 100年前と比較すれば、文明は格段に進歩しているのに、その文明は思いのほか脆弱です。大地震でも、風水害でも、すべて周到に対策がなされているににもかかわらず、実際には毎年のようにどこかの地が被害に遭っています。その被害も時に並大抵ではありません。そんな現代の問題を古風な水墨画のスタイルで描いてみるのはどうでしょうか。 今回の作品は、これです。

アセンブリ理論旋風

毎週火曜日と木曜日は、最近Voicy ラジオ放送で語った内容に補筆、追記、改訂を行い、まとめ直したコンテンツをお送りします。多くのものは2回、3回にわけて放送したものですので、それらの内容を1つにまとめ直し、参考資料へのリンクを入れ、さらに、それらについての解説も追記しております。この記事は、マガジンご購読の皆様限定になります。ただし、この記事のもとになっているラジオ放送は、インターネット上で、どなたでも無料でお楽しみ頂けます。 今回お送りする記事のコンテンツに対応するラジ

ミニマリストの決心

ジュリエットが叫んでいる ときめかないものは容赦なく廃棄するべきなのよ! いざ捨てるとなると躊躇する人、多いよね あまり責めるのはかわいそう 「有」を出発点にすると、その犠牲プロセスはひっかかるが、もし何もない「無」が出発点ならば、全然気にならない だから、いったん全部捨てて「無」にして、ときめきを感じるものをすくいとる 他のものは、すくいとらず、見送るだけ 聖書にこんな一節があるよ ジュリエットが叫んでいる これからは、何を着ようかと思い煩わないように自己訓練するのよ

セクトとカルト

2023年から、毎週日曜日、マガジンご購読者のみがお読みいただける特別記事(タイトル以外は非公開)をお送りしております。 現代はインターネットの時代ですので、note に記事を普通に書けば、見知らぬどなたの目に触れるともわかりません。それが新たな出会いやコミュニケーションのきっかけを生む可能性があり、楽しく有意義です。 他方、昨今は、いろいろな問題に対し、特定の主流意見と、それに対立する意見に二分され、溝が生まれることも多くなりました。2020~2023年で言えば、COV

観光混雑を避ける

人生はひとつの旅であり、また本物の旅にも人生の一面が投影されます。そのため、旅論は人生論でもあります。8世紀、唐の時代の著名な詩人、李白の「春夜宴桃李園序」には「夫天地者萬物之逆旅 光陰者百代之過客」とあり、日本の江戸時代、17世紀の俳人、松尾芭蕉の「おくのほそ道」には「月日は百代の過客にして ゆきかふ年も又旅人なり」とあります。 毎週土曜日、「旅」、「旅行・トラベル」、「旅のような人生の道のり」といった「旅」に関係するワードをテーマに含む短めの記事をお送りします。抽象的な

詩は凶器のようなもの

詩と暮らすって耳にして、老人ホームの隠遁生活みたいな穏やかで、のんびりした印象をもったかい? ひょっとして、詩って、そんなに無難で、安全で、あたりさわりのないものだと思っていたかい? 違うんだ 人の一生を左右し、翻弄し、天国にも地獄にも送りだすほどだ 使い方がわかっていなければ、銃や刃物よりも危険な凶器だ 何より覚悟がないとだめだよ 人は生まれたその日から、死ぬ日までのカウントダウンが始まっている 問答無用の絶対の自然法則だ だが、50年くらい経つまで自覚しないでいて、時

AIを使った動物とのコミュニケーション

毎週火曜日と木曜日は、最近Voicy ラジオ放送で語った内容に補筆、追記、改訂を行い、まとめ直したコンテンツをお送りします。多くのものは2回、3回にわけて放送したものですので、それらの内容を1つにまとめ直し、参考資料へのリンクを入れ、さらに、それらについての解説も追記しております。この記事は、マガジンご購読の皆様限定になります。ただし、この記事のもとになっているラジオ放送は、インターネット上で、どなたでも無料でお楽しみ頂けます。 今回お送りする記事のコンテンツに対応するラジ

ツタンカーメン、笑う

毎週水曜日、「水」または「水曜」に関係するテーマの短編記事または漢詩または合成画像を作っています。 日本列島に文明らしい文明の記録が現れるよりもずっと前、地球上のいくつかには発達した文明がありました。古代エジプト文明は、その例と言えるでしょうか。紀元前14世紀のファラオ、ツタンカーメンはミイラでおなじみです。いくら古代文明がすごいと言っても、当時はナイル川の治水にも苦労したでしょう。そこで、ナイル川の治水がうまくいってにっこりしているツタンカーメンの肖像を描いてみましょう。

室温超伝導騒動の顛末

毎週火曜日と木曜日は、最近Voicy ラジオ放送で語った内容に補筆、追記、改訂を行い、まとめ直したコンテンツをお送りします。多くのものは2回、3回にわけて放送したものですので、それらの内容を1つにまとめ直し、参考資料へのリンクを入れ、さらに、それらについての解説も追記しております。この記事は、マガジンご購読の皆様限定になります。ただし、この記事のもとになっているラジオ放送は、インターネット上で、どなたでも無料でお楽しみ頂けます。 今回お送りする記事のコンテンツに対応するラジ

予告殺人の結末

十人の娘が旅に出た 滝に打たれて一人目が死んだ 九人の娘が旅に出た 橋から落ちて二人目が死んだ 八人の娘が旅に出た 崖から転げて三人目が死んだ 七人の娘が旅に出た 熊に食われて四人目が死んだ 六人の娘が旅に出た 蜂に刺されて五人目が死んだ 残った五人が旅をした 「なんだか、こわい!」 「順番に死んでゆくのをわざわざ数えて歌うの?」 「というよりも、これは殺人予告だろう」 「その通りに実現しているので、ますますこわいわけだ」 「第3者が聞いていてもこわいのだから、それをや

神の名のもとで行われる殺戮と破壊

2023年から、毎週日曜日、マガジンご購読者のみがお読みいただける特別記事(タイトル以外は非公開)をお送りしております。 現代はインターネットの時代ですので、note に記事を普通に書けば、見知らぬどなたの目に触れるともわかりません。それが新たな出会いやコミュニケーションのきっかけを生む可能性があり、楽しく有意義です。 他方、昨今は、いろいろな問題に対し、特定の主流意見と、それに対立する意見に二分され、溝が生まれることも多くなりました。2020~2023年で言えば、COV

避暑・避寒の旅の近未来

人生はひとつの旅であり、また本物の旅にも人生の一面が投影されます。そのため、旅論は人生論でもあります。8世紀、唐の時代の著名な詩人、李白の「春夜宴桃李園序」には「夫天地者萬物之逆旅 光陰者百代之過客」とあり、日本の江戸時代、17世紀の俳人、松尾芭蕉の「おくのほそ道」には「月日は百代の過客にして ゆきかふ年も又旅人なり」とあります。 毎週土曜日、「旅」、「旅行・トラベル」、「旅のような人生の道のり」といった「旅」に関係するワードをテーマに含む短めの記事をお送りします。抽象的な

ゴジラの本音

逃げる夢をみたような気がする なぜ、みんな逃げるのだろう そう、みんな、70年近くも逃げ続けている どうして? 2016年は、確かに蒲田で大勢の人が逃げ惑ったよ 1984年は、逃げるばかりではなかったかな 日本独自の秘密兵器スーパーXなど登場させて、無駄で不毛な攻撃を試みた 1954年は、本当に怖くて逃げたかった けれど、逃げずに東京タワーで冷静に「みなさん、さようなら」と最後の放送をしたアナウンサーがいたりした どうせ逃げようたって逃げられるものではない ミサイルを撃