名古屋市議会解散請求をふりかえる その2(解散請求活動の前夜)

はじめに

愛知県知事リコール活動の、各種不可解な事象を理解するうえで、約10年前に実施された、名古屋市議会解散請求を振り返ることは重要と思います。
(冒頭に195号議案の発言追加、末尾に当方私見追加しました)

前回は裁判判例をベースに振り返りを行いました。

今回は名古屋市議会議事録の本件関連議事から、署名活動の状況を振り返ってみたいと思います。

まとめて書こうとしましたが、ボリュームが相当多いので、まずは「リコール」「解散」の言葉が出始めた、2009年11月議事から考察していきます。
なお、本文中の太字は私が実施しています。基本的に議事はコピペですが、ミス等あればご容赦ください。

 結局お前はどう思うんだ?が気になる方は、最後まで飛ばしてください(笑)。

引用元

特に断りなければ、以下の「名古屋市会 会議録・委員会記録検索システム」から引用しました。
また、一旦は全部読むのは手間なので、「リコール」で検索し、その前後の議事を読むようにしています。
(実際は「直接請求」「解散」とかでも検索した方がよいです)

2009年(平成21年)11月 定例会 11月20日-27号

河村市長議案説明:これが議論の元

ただし、当の195号議案資料は探索できず。以下文面と議員とのやりとりから、内容は想像できますが。。。

 まず、195号議案「住民分権を確立するための市政改革ナゴヤ基本条例の制定について」でございます。まさに日本の政治の夜明けが来たというふうに、私は強い使命感を持って提案をさせていただいております。
 このたびの定例会にこの条例案を上程することにいたしましたのは、政治と市民のあり方についての最も根本となる問い、すなわち政治はボランティアとして行われるべきか、それとも家業化した職業議員によって行われるべきかについて、議会という市民の市民による市民のための公開された発言の場という最も崇高な場所において、主権者たる225万市民の皆様に真っ正面から問いかけてみたいと思ったからでございます。
 これは、今まで日本でだれも問いかけたことのない論点ではありますが、名古屋市民の皆様のため、ひいては日本国民の皆様のために、今こそ絶対に必要な改革であると考えております。
 私は、本来議員とは、自発的で見返りを求めないボランティア精神に基づき、みずからの信条により、いわゆるパブリックサーバントとして市民に奉仕する存在であらねばならないと思っております。
 しかし、現状を省みますと、本来の趣旨に反し、議員が税金によって身分保証され、政治が家業化、職業化されることによる集権化が進み、その結果として、市民が政治や行政に参画する意欲や機会を阻んでいるという弊害が随所に見受けられます。
 市民の声を代弁する役割を担うはずの議員が、制度的には非常勤特別職の公務員でありながら、庶民に比して驚くべき高額の収入を得ております。本年は特例により10%程度減額されておりますが、条例上の金額は、議員報酬に政務調査費及び費用弁償を加えて年額2350万円、年額2350万円となっており、定数についても75人、75名という多さです。
 さらに、75人の議員一人一人の理念により議会の意思が形成されるのが本来でありますが、党議拘束、そして党派の交渉によって、わずか数名の議員により議会の意思が決定されてしまうのが今の議会の現状でございます。
 そのようにして私の条例案等が否決されてしまうことは、否決されるのも結構でございますが、このような少数の議員によって議会の意思が決定され、それで否決されるという現状は、私を選んでいただいた市民の皆様の願いがかなえられないことにつながります。
 こうした状況を打開するために、この条例は、政治をボランティア化することによって住民への分権を推進し、住民が主体となった市政を実現するための改革の基本となる事項を定めたものでございます。
 古い言葉になってしまいましたが、まさに主権在民、古くなってしまいましたが、この主権在民を僕は毎日思い出します。まさに、この主権在民を日本で本当に実現するためのものであります。
 具体的には、地域委員会制度の創設、市民税の減税、議会の改革を市政改革の3本柱に位置づけるとともに、改革の実施時期を平成22年3月までと明示し、また、市長である私が率先して改革実施の責務を負うことを明らかにすることによって市政改革を断行し、歴史に残る街ナゴヤにふさわしい市政を確立しようとするものでございます。
 まず、私は、みずからの給料を2750万円から800万円といたしました。さらに、4年ごとに支払われる退職金4220万円を廃止し、恒久条例とすべき手続も開始することとしております。
 議会の皆様におかれましては、市民に開かれた議会として公開の場で議論を尽くされることを強く期待するものでございます。

2009年(平成21年)11月 定例会 11月27日-28号

前田有一 議員

<経歴>
1999年 瑞穂区選挙区 自由党 新人 落選
2003年 瑞穂区選挙区 自由民主党 新人 当選
2007年 瑞穂区選挙区 自由民主党 現職 当選
2011年 瑞穂区選挙区 自由民主党 現職 落選
2015年 瑞穂区選挙区 無所属 元職 落選
野党自民党のトップバッターとして、市長の政治姿勢を問う--議会は抵抗勢力かをテーマで河村市長さんに質問いたします。
(略)
 最後に、市長は、第195号議案にある三つの政策実現のうち、一つでも実現できなければ署名36万5000人でリコール請求し、議会を解散しようとしていますが、これだけ協調を呼びかけたにもかかわらず、市民の不便を考慮せず、自分の政治信念に基づいてあくまでも解散を強行しようと画策されるなら、もはやどうぞ自由にとしか申し上げられません。私は、堂々と良識ある市民の立場に立って受けて立つ覚悟を表明して、演壇からの質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

河村市長答弁

(略)
 それから、議会解散につきましてのお尋ねでございましたけど、前提として、私は王様でも何でもありません。ここで否決されたら何もできません、当たり前ですけど。私は、全部自分のことが通らなければとは言っておりません。否決されてもいいです、それは。しかし、今みたいな党議拘束をされて、それも団の間で集まって、1対73でもいいですけれども、それはいいですよ。だけど、そういう議会はおかしいと言っているんです、私は。その根本を変えないかぬということです。だから、議会は王様なんですよ。王様が、やっぱりもっと一人一人が、個人が光る議会にぜひしてほしい、これは。そう思いますね。
 議会解散につきましては、私がやることではありませんけど、地方自治法第76条にそういう規定があるということは紛れもない事実でございます。
 以上です。
(略)
 それから、党議拘束についてはですが、これはやっぱり市長と議会とのバランス上、不必要だと僕は思いますね。いわゆる国政と違いまして解散権がありませんから、市長には。解散権がないんです。市民にしかないんです、これは。だから、皆さん一人一人が本当に賛成、反対を決めてもらえば、もっとバランスのとれた状況になると思います、私は。
(略)

田口一登 議員

<経歴>
1999年 天白区選挙区 日本共産党 現職 当選
2003年 天白区選挙区 日本共産党 現職 当選
2015年 天白区選挙区 日本共産党 現職 当選
2019年 天白区選挙区 日本共産党 現職 当選
※あれ・・・2007年選挙と2011年選挙の結果が見当たらない・・・
 こちらの探し方の問題かなと思います
(略)
市長は、また、議会で否決されて、市長は何もできないという趣旨の発言をされていますが、河村市長のもとで開かれた2回の定例会での議決状況を見れば、それは事実ではありません。市長の公約の一つである市長給与の削減条例を初め94%の議案が原案どおり可決されており、否決された議案はたった2件にすぎません。
 そこで、市長にお尋ねします。議会のほうが上、市長は何もできないなどと、憲法や地方自治法の立場とも事実とも反する発言を繰り返しながら、政治ボランティア化なるものを進めようとする市長のねらいは、議会の権限を縮小し、市長が優位に立つ政治体制をつくり上げようとするところにあるのではないのですか、お答えください。

河村市長答弁

(略)
それから、市長が優位に立つ政治体制ではないかということは、何遍も言いますけど、私は全く優位ではありません。市民説明会の地域委員会のときにやりましたけど、ここをいろいろ議論しておっても議会で否決されたら何にもできぬでしょうという質問がありましたけど、何もできませんということで、市長は提案権しかないので、この議場こそが最高の決定機関です。そのための提案権はあります。そこでどうバランスをとっておるかというと、調べてみますと、解散権もあるとええんだけど、どうもないですね、地方自治法においては。じゃあ、どうなっておるかといったら、これはアメリカのことを言うと御無礼だけど、一応アメリカがつくった制度だということになりますので、これはノンパーティザンという規定があって、地方議会の場合は党議拘束はしてはいけないと、一人一人が賛成、反対をきちっと決めなさいと、そういうふうになっております。そうなると、結構一人一人になりますから、やっぱり市長と、それはある日突然あるところで何人かが集まってばさっと切り捨てられるということはなくなると私は思います。

とみた勝ぞう 議員

<経歴>
1999年 名東区選挙区 無所属 現職 当選
2003年 名東区選挙区 無所属 現職 当選
2007年 名東区選挙区 社会民主党 現職 当選
御指名をいただきましたので、非常に熱心な熱い議論の後でいささかプレッシャーを感じています。
(略)
 まず初めに、第6条は議会にかかわる事項で、関係者は議員であります。これだけ大変革を伴う条例ですから、普通なら関係者である議会に打診なり意向を聞き、ある程度調整をした上で提案をするのですが、現に市長は、地域委員会については、各区を精力的に回って市民の意見を聞き、必要性を述べておられる。ところが、議会改革のこの問題については、マニフェストにあるからといって、唐突に議案を提出し、議論は公開の場でということかもしれませんが、一方では、議会が認めなければリコール運動を始めると公言し、もういろいろ準備をされております。まさに衣の下によろいであります。
 市長は、果たしてこの条例を成立させようという気があるのか。議会側で検討を始めた議会基本条例とすり合わせをし、よりよい条例に練り上げるべきだと考えますが、市長の見解をお聞かせください。
(略)
 5番目に、第6条の(7)で、市長は、党議拘束廃止をどうして条例化しようとするのか、私は不可解です。私も党議拘束は、予算や市長の不信任案など、極めて重要な場合に限るべきだというのが私の持論であります。反面、党議拘束をかけるかどうかは、一にその会派の自治、専権事項であって、ましてや二元代表制の一方の市長が口を出すべきことではありません。会派に対して大変僣越な失礼な行為であります。即刻この項の撤回を求めます。

河村市長答弁

まず、議会といろいろ話し合ったらどうだということでございまして、無論この議会が中心ですけれども、話し合うことは当然だと思います。
(略)
 それから、党議拘束の撤廃ということでございますけど、そんなことを言うのがかえっておかしいので、党は別に聖域ではありません。ですから、こういう二元代表制と一般に言われる制度においては、少なくともアメリカが母国だとすれば、ノンパーティザンというちゃんと規定を置いております、これは。議会がいわゆる集権的にならないように、議会の権限が議会の中で分散するようにと多分工夫しておるんですね。国会の場合はいいんですよ、第一党の党首が総理大臣ですから。そこはうまくバランスがとれておって、なおさら解散権がありますので。ですから、ぜひ議会というのは最高の意思決定の場ですので、一人一人が輝くように党議拘束を撤廃されることをお待ちしておりますというより、そういう議論をどんどんしていきたいと、こんなふうに思っております。

とみた勝ぞう 議員

(略)
 それで、市長は、私が質問した中で、一番初めの第6条、議会改革について、本来なら一番関係者である私たち議会へ相談なりなんなりあるべきですが、何の相談もなく唐突に出された。それはなぜなのか、お聞かせをいただきたいと思います。

河村市長 答弁

(略)
 議会への相談ですけど、議会への相談というのは、正式に議長にはこれこれこうだよということは申し上げてはいないと思いますけど、私の知っておる人にはいろいろそれなりに言っておるはずなので、むしろ、ここで今から始まるということで結構なんじゃないですか、やっぱり市民のオープンな場で。これが一番きょうも非常に議論が出ていますし、議会というのは、むしろ、そういう場であると。党派ですぐやるように見えますけど、個人的に話をすることも結構重要ですよ。議会、議員というのは、やっぱり一人一人が立派になってほしいというのが私の願いでございます。

とみた勝ぞう 議員

今、聞き捨てならないことを聞きました。議長には相談していないが、数人には相談していると。それはまたおかしいじゃないですか。数人から、例えば会派のだれかにそう言って、その会派で知らしめたというならいいんですが、そうじゃなくて、あなたの側近だけに話をしていることであったら、それは大変なまさに側近政治だと言わざるを得ません。ですから、その辺についてはもう一度しっかりとお聞かせをいただきたいと思います。

河村市長 答弁

別に議会で始まっていいじゃないですか。私が相談するといって、それはいろんな話の中でするだけのことであって、議会というのはまさにその場ですから。傍聴人の人もようけ来てみえるし、それから、マスコミもありますし、ここで堂々と議会かくあるべしと、議員かくあるべしという議論が始まって、それにふさわしいじゃないですか、かえって。私はそう思いますけど。

とみた勝ぞう 議員

ちょっと詰まってしまいました。こういうことはやはり事前に相談をしてやるべきですよ。議会と初めから対決するならともかく、私は、その姿がありありと見えるからこういうことを言っているんです。そうじゃなくて、議会と首長が相談しながらよりよいものをつくり上げていく、これが一番望ましいと思います。ところが、あなたの姿勢はそうではない。

河村市長 答弁

当然議会が全権を握っておりますので、議場で相談しなければ何も決まりません。ただ、始まる前に何でもええで相談してよこせというのは間違っております、それは。

2009年(平成21年)11月 定例会 11月30日-29号

うかい晴美 議員

<経歴>
1999年 中村区選挙区 無所属 新人 当選
2003年 中村区選挙区 民主党 現職 当選
2007年 中村区選挙区 民主党 現職 当選
2011年 中村区選挙区 民主党 現職 当選
2015年 中村区選挙区 民主党 現職 当選
2019年 中村区選挙区 立憲民主党 現職 当選
<略>
 初めに、議会制民主主義に対する基本姿勢のうち、二元代表制について質問させていただきます。
 御承知のように、地方公共団体においては、住民が選挙した代表者を通じて政治が行われる代表民主制が基本とされており、憲法によって規定されています。また、憲法は、長、議会の議員ともに住民が直接選挙することを規定し、これを受けて、地方自治法では首長制を採用し、議会と長を独立対等なものと位置づけることにより二元代表制を採用するとともに、それぞれが職務を自主的に行うことで相互に抑制と均衡を図りながら地方行政を行うようにしています。すなわち、市長は、多数派の支持に基づく全体の代表であり、議会は、多様な価値観と少数意見の集約的代表であると言えます。そして、両者は、市民のために互いに切磋琢磨し、議論を重ねて市政を円滑に運営していく責務があります。それがいわゆる二元代表制だと思います。
 河村市長は、さきの市長選挙において、51万余という圧倒的な得票数で名古屋市長となられました。本当に多くの市民の皆さんの支持を得られ、御期待を受けられたのだと改めて感じているところです。しかし、一たび市長に就任された今は、大都市名古屋225万市民の代表です。そのとき支持した方はもちろん、支持しなかった方も含めて、市民の最大公約数、より多くの方々にその施策を理解されなければなりません。そのためには卓越した調整能力が必要となります。
<略>
 これが議会制民主主義の二元代表制であり、お互いを認め合いながら、自分の意見を主張すべきは主張し、違う意見にも耳を傾ける。十分な議論の後、修正できるところは修正し、まとめていく。どうしてもまとまらない場合は多数決によって決するが、もちろん少数意見でも取り入れるべきところは取り入れて、常によりよいものを求めて努力する。小学生でも、学級会や児童会で学習し、実践しております。自分の意見がすべて通らなければよしとしないという手法は、議会制民主主義の世の中になじみません
(略)
 また、ここでもう一つ、事実をきちんとしておかなければならないことがあります。
 これも同じ新聞紙上ですが、許しがたい、特に民主党は。本当は無所属で出ようと思ったけど、ぜひにということだったという部分であります。
 記憶は共通であると思います。さまざまな経緯がある中で、私ども民主党名古屋市会議員団としては、ぜひにと出馬要請をしたという事実はないと認識をしています。民主党の推薦などなくても、無所属で出られても、圧倒的な勝利を果たせるだけの知名度をお持ちだったからです。
 それでも新聞報道の内容が事実とおっしゃるのなら、私どもの一体だれに民主党から出てくれとお願いをされたのでしょうか。その間の経緯を、ぜひ教えていただきたいとも思います。
(略)

河村市長 答弁

(略)
 二元代表制についてのお話でしたが、二元代表制というのは、傍聴者の方もみえますけど、要するに総理大臣の場合は国会議員が選ぶと。今度の場合は、市長さんも議員さんも両方とも市民が選ぶと、こういう制度なんですけど、今もうかいさんの話の中に、市長は絶大な権限を持っておるとか、対等であるというように言っていただいておったけど、対等でないんだわ、実は。これは幻想でございます。これはどういうことかと市民の皆さんに向かって言いますと、条例制定権とか予算制定権は全部この議会が持っております。市長さんは提案権しかないんです。減税が一番ええ例です。それから、地域委員会でもそうですけど、地域委員会の説明の中で、お一人手を挙げられて、これは本当に議会が否決したら何もできぬでしょうと言うので、そのとおりでできませんと
 その場合、国会なんかの場合は、総理大臣は解散権があるわけですね。やっぱり両方とも選ばれていますので、私は私で私を選んでいただいた皆さんの希望をかなえる強烈な責務があるわけです、これは。議員の皆さんも同じことだと思います。
 そのときに、議会と市長と、内閣でいえば議会と総理大臣の意見が違ったときに、一定の仕組みがないといかぬじゃないですか。それで、調べてみると、余り外国のことを言うと、またかと言われるかわかりませんけど、一応外国がつくったというと悪いですけど、そういうような仕組みですので、解散権はないんですけど、最大の特色はやはりノンパーティザンと。これは英語ですけど、いわゆる党議拘束をしてはいけないと。だから、議員一人一人は皆さん一人一人として輝いてほしいと。それぞれが採決に臨まないかぬという、そういうルールがあるんですよ、向こうは。
 そうなりますと、これは非常にバランスがとれてきますよ。だけど、私は何遍も言っておるけど、私の言ったことを全部通してくれなんて言ったことはありません、私は。それは当然議会とのバランスがありますので、議会の皆さんは議会の皆さんで否決されても結構ですけど、ある日どこかで集まって、何人かで全部あんなものはいかぬがやといって、ばさっとアウトになると。こういうことでは私を選んでいただいた市民の皆さんの願いはかなえられんのですわ。これは言っておっても法律を変えないかぬかもわかりませんけど、しかし、名古屋からやっていこうじゃないかというのが私の希望でございまして、その根底にあるのは、誤解してはいかぬけど、議員さん一人一人の、市民が選んだ、それも年収2400万円も、手当も含めて、市民の税金を使うということは事実ですよ、言っておきますけど。だから、非常に重い仕事なんです。だから、私は、一人一人がもっと輝いて、条例案も出したり、賛否も自分で決めると、そういう議会になってほしいと、私はそう言っておるんですよ。そういう提案をしておるということで、二元代表制については、望まれる方法、スタイルになっていないと、私はそう思います、残念ながら。だから、それを本当は国でやるとええんだけど、名古屋からやっていこうと、それが趣旨でございます。
(略)

丹羽ひろし 議員

<経歴>
2007年 名東区選挙区 自由民主党 新人 当選
2011年 名東区選挙区 自由民主党 現職 当選
2015年 名東区選挙区 自由民主党 現職 当選
2019年 名東区選挙区 自由民主党 現職 当選
(略)
 今回提出されたナゴヤ基本条例の議員定数の削減を含む政治のボランティア化の実現は、市民と市会と市長の関係から考えても、市長が提案するべきものではないと考えます。なぜなら、チェックされる側の立場の市長がチェックする側の議員の数を減らすということは、例えて言うなら、泥棒が警察官の数が多くて仕事にならない、減らせと言っているようなもので、条例定数を半減させることは、市長の独裁を許す可能性を否定できなくなり、河村市長の提案を議会に丸のみさせたいのであれば、議会自体必要のないことになります。
 1933年、議会を敵視していたヒトラーは、みずからの手に権力を集中するため、議会や大統領の合意なしに政府が立法権を行使できる全権委任法を提出しました。ヒトラーのナチ党は議員を脅し、ヒトラーの権力の一極集中を認める全権委任法を議決させました。その後、第二次世界大戦に突入したことは歴史の教訓になっています。決して河村市長とヒトラーが似ているということを言っているのではなく、権力の集中は民主主義にとって必ずしも望ましくないということを申し上げたいのであります。
(略)
 それぞれ個々で上程されたなら、附帯決議をつけた形で可決される議案もあったと考えますが、一括上程され、議会がのめないようにして、ある目的に対してのきっかけに、例えば議会を解散して自分の思いどおりにしたかったのであれば、それこそ市民が100年に一度の不況で苦しむ中、景気回復を求め、本来審議しなければならないことをないがしろにし、市長が掲げたマニフェスト実現のためだけに政治的空白をつくることが本当に市民の望むことなのか、疑問に感じております。
(略)
 私も、減税について反対をしているのではなく、その時期と市民サービスが低下しないかを問題にしているのであります。マスコミを通じて、市民税10%減税と地域委員会制度では解散するほどの理由にならないかと判断するや、論点を議会改革にすりかえ、市民感情を扇動するなど、普通の政治家では思いのつかないようなマスコミ受けする手法を多用されますが、これらが本当に市民のためになるものだろうかと疑問を持つのは私だけでしょうか。
 党議拘束を問題視するなら、団長や幹事長初め、一部の有力議員のみと協議しているのであれば、党議拘束がどうのこうのと言える立場にないと思いますが、いかがでしょうか。
 以上のことを総括し、本来は市長に尋ねるべき内容ですが、先日来、同じ内容の繰り返しの答弁ばかりなので、方向を変えて、所管局である総務局長にお尋ねいたします。
(略)

総務局長(長谷川博樹君)

(略)
 まず、一括提案した理由でございます。このたびの条例案は、地域委員会制度の創設、市民税の減税、議会の改革、この3点を改革の3本柱に位置づけ、住民への分権を推進し、住民が主体となった市政を実現しようとするものでございます。
 この3本の柱を同時に実施することが改革の推進にとって重要であり、また、改革の全体像を市民の皆様にわかりやすく知っていただくためにも、一括条例という形で御提案させていただいたものでございます。
(略)

丹羽ひろし 議員

(略)
 河村市長の市政運営は、本来やらなければならないことがないがしろになっているのではないかと思います。豊田市議会のように、具体的に企業誘致条例案や新規雇用、新エネルギー設備への条例案を議会に提出することが本来の地方議会ではないでしょうか。市長のやりたいことができないからと議会側がのめないような条例案を上程して、リコール、住民投票、議会解散、出直し選挙に持ち込むことが、もしそういったことが目的なら、これこそが市民を置き去りにした独裁政治そのものではないでしょうか。
 これらの費用は、試算しただけでも約13億円の税金が投入され、河村派議員を多数当選させ、議会を思うようにコントロールするため、みずからも信を問うといって市長自身が辞職し、同時選挙に持ち込むのではないかという指摘をする意見を市民からもいただいております。
 事あるごとに庶民の味方と言っていますが、このような経済危機の中、解散し、多額の税金を使って政治的空白をつくることが本当に市民のためなのでしょうか。
(略)

梅村麻美子 議員

<経歴>
1999年 東区選挙区 民主党 現職 当選
2003年 東区選挙区 民主党 現職 当選
2007年 東区選挙区 民主党 現職 当選
2011年 東区選挙区 民主党 現職 落選
 4年前の郵政解散総選挙の折、具体的な中身の十分な理解もないままに熱狂的な郵政民営化の大合唱が巻き起こり、制御不能の暴走状態となりましたが、同様に一体どれほどの市民が地域委員会の中身を十分に理解しているのでしょうか。
 小泉劇場の再来かのごとく、敵を設定して悪者に仕立て、勧善懲悪劇の対決をアピールする戦術、無意味なレッテル張りは、一見、市民の市政への関心を高める効果があるようにも見えますが、一方で、冷静な政策論議を置き去りにされ、間違った結論を導く可能性があることも忘れてはなりません。この点、市長の見解はいかがでしょうか。市長の所見を求めます。
(略)
 これに対し、河村市長は、就任前から、何をしても議会はすべてノーだからよと決めつけ、就任直後の5月に、いつ選挙になってもいいように準備するよう側近議員に指示していたという報道もありました。
 当初から議会と対話するつもりなどなかったのでしょうか。減税案に賛成しろという一方で、議会にリコールのナイフを突きつける姿勢は、何でも自分の言うことを聞く御用議会、まるで戦前の大政翼賛会を望んでいるように思えてなりません。これが市長の掲げる民主主義発祥の地のやり方でしょうか。
(略)
 一方、同じ市民代表であり行政のトップである市長が中身を決めて議会改革を迫り、これを減税などとあわせてのまなければリコールとの姿勢を示すのは、議会を従属させる意図なのでしょうか市長が目指すのは独裁型の議会制民主主義なのでしょうか。市長の答弁を求めます。

河村市長 答弁

(略)
 それから、議会改革は独裁型の議会を目指すのかということだけど、全然違います。私は、もっと議員が個人で光り輝くような議会をつくってほしいということを願っておるのであって、何遍も私が言っていますように、私が言ったことが全部通らないけないなんて思ったことは一遍もありません。ありません。ただ、何人かで、悪いけど、集まって党議拘束型の右へ倣え型の議会はもうそろそろ脱却しようじゃないということを申し上げておるということです。もっと分権型になります。
(略)

ここまででの印象

改めて議事録を読んでみて、皆様はどんな印象を得たでしょうか?
私は結構いい議論してるなーとの印象でした。
また、議論論点が?な人も居るように思います。

一旦ここでupして、後刻、私の印象は追記したいと思います
(2020/1/2 16:57 一旦公開)

結局どうなの?(私見)

河村市長側意見を自分なりにまとめますと

<河村市長側意見>
 ・党議拘束なく、各人が考え判断し実行すべき
  会派ごとへの事前調整等は必ずしも必要でなく、議会で議論すべき
 ・現状の制度上、条例や施策実行の決議権限は議会にある
 ・市長に、議会判断に異を唱える手段としての解散権はない

一方で議員さんの意見を自分なりにまとめますと

<自由民主党議員>
 ・市長は自分の議案が通らないなら議会を解散させようとしている。
 ・市長は自身の権限拡大のために、議員定数を減らそうとしている。
<民主党議員>
 ・議員は少数意見を救い上げる役割であり、大多数意見の代弁者たる市長の意見により議会をいじるべきではない。
 ・市長は議会の混乱ないし権力縮小をねらって解散させようとしている
<社会民主党系議員>
 ・会派への相談や調整はすべき。党議拘束かけるかけないは、議員側が決める事で条例等で決める事ではない。
<共産党議員>
 ・市長は議会の権限を縮小し、自身の権限を拡大しようとしている。

話題となっている

第60 平成21年 第195号議案 住民分権を確立するための市政改革ナゴヤ基本条例の制定について

についての議論ではなく、解散の動きについての記述のみをピックアップしました。そのため、議員側の意見が、自身の権限縮小を危惧していろいろ言っているようにも見えてしまいます。
実際は6号議案そのものについての議論部分もありますが、ちょっと一部表現などは解散実施に対して過激すぎないかなーとも思ってしまいました。

まぁ、議員さんにとってみれば、利害関係当事者ですので、民主主義としてどうあるべきか、を主題とおもいつつも、解散を防ぐ方向の議論になるでしょうな…(個人的意見です)

ちなみに、当該195号議案は、11月で可決否決せず、継続審議となりました。

皆様はどう感じましたか?
今回はこれぐらいで。

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