見出し画像

日本という平和な国でも、親が子供の命を奪うのは日常的な光景だった

知っての通り、日本は世界トップクラスに治安が良く、平和な国です。


でも歯科の仕事に携わりはじめて知りました。

この平和な国でも、残念ながら親が子供の命を奪うのは日常的なことでした。


子供のことを想っていても命を奪う親たち

いわゆる虐待で子供の命を奪う親というのはほとんどいません。

というか、そもそも虐待レベルの親は子供を歯医者に連れてこないので、我々が目にすることは非常に少ないです。

学校検診のように全員を診る場合も、虐待疑いレベルで歯がボロボロな子はごくまれです。(それでも残念ながらゼロではないですが‥‥)


そういった一見して分かる深刻なレベルではなく、親も全く自覚なく、子供の命が奪われてしまうパターンとして非常に多いのは‥‥、親が人のいうことを聞けない場合です。


親が人の言うことを聞けないとき、どんなことが起こる?

いますぐお子さんが亡くなってしまうという話ではないのですが(だからこそ分かりにくいのですが)、健康な歯が失われ、間違った習慣が植えつけられると、お子さんの健康寿命はどんどん短くなっていきます。
将来の命が奪われていくわけです。


では実際、どんなときに子供の命が奪われてしまうのか。

それは例えば、親がレントゲン等の検査を拒否する、必要な治療を拒否する、健康指導を無視する、通院させない、といったケースです。


歯科医師として「これはやるべき」と判断したことを拒否されてしまったら終わりです。

どんなにダメだと教えても、甘いものを一日中ガブガブ飲ませていたら、ものすごい勢いで虫歯になるのを救いようがないですし、

そもそも通院拒否されるとどうにもなりません。
特に最近では新型コロナウイルスの感染を過剰におそれ、お子さんを定期検診に通わせない親御さんも増えてしまいました。
(これまで歯科医院で新型コロナウイルスに感染した患者さんはわずかに2人。1年間に歯科医院を訪れる患者さんの数はのべ約5億人なので、通院による感染確率はわずかに2億5000万分の1程度です。)


大多数の親御さんは素直にプロである歯科医師・歯科衛生士の話を素直に聞いてくださいますが、残念ながら‥‥1割程度でしょうか、一部の親御さんは人の言うことを聞くことができず、そのためにお子さんが適切な診療を受けることができません。


親が「無知」であることは問題ない

親御さんが「無知」であることは問題ありません。

例えば、知らず知らずのうちに虫歯になりやすい生活習慣・食習慣になっていたとか、歯みがきのやり方が正しくなかったとか、そういった知識がないことは問題ではないんです。

ちゃんとした歯医者さんに通えば‥‥という前提ではありますが、そういったことはちゃんと教えてもらえますし、きちんと歯医者さんに行って適切な治療を受け、今後の習慣を改善すれば、基本的には問題になりません。


ですから、「自分で本を読んだりして歯について学びたくさんの知識を得ておく」必要は必ずしもなく、歯医者さんに行ったときにきちんと話を聞き入れること。
プロである歯医者さんの話をちゃんと聞いて学び、プロである歯医者さんが「こういう処置をしますがいいですか?」と提案したことをちゃんと受け入れることが大事です。
もちろん疑問に思ったことがあれば、どんどん質問してもらって構いません。


問題は、プロの話を聞くことができず
「治療を受けたくありません」
「言うことを聞きません」
「通院しません」
となってしまう場合。

こうなると、お子さんは健康を奪われ命を奪われてしまいます。


ご本人の無能さゆえご自身の命が奪われるのは自業自得かもしれませんが、親の無能さゆえに命が奪われてしまう子供は本当にかわいそうです‥‥。


まとめ

・歯医者から適切な診療や指導を受けられないことで、子供の健康寿命が奪われ、命が奪われる

・問題は、親が「無知」なことではなく、歯医者の言うことを聞かないこと


今回は以上です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?