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なぜ東京在住なのに地方物件を購入して不動産投資するのか?【投資初心者向け】

不動産投資で儲けたい!
そう思ったらまずは土地勘のある場所で物件を買いたくなりますよね。

東京に住んでいたら東京の不動産を買いたくなるのが普通です。

でも一部の不動産投資家は東京に住みながら、あえて地方物件を購入しています。私自身もそうです。

なぜでしょうか。


なぜわざわざ地方物件を購入するのか?

理由は2つ。

1. 地価が安く利回りが高いから

2. 流動性が低いことにより価格が安いゆがみが生じやすいから


まずは 利回り = 賃貸収入 について説明していきます。


地価が高いか安いか = 貸すときに儲かるか売るときに儲かるか

不動産を購入したら、部屋を賃貸に出して収入を得られます。これが賃貸収入。

この不動産を売却したときも利益が出ます。これが売却益。

地価が高いか安いかにより、以下の傾向があります。


地価が安い → 賃貸収入が多め 売却益が少なめ

地価が高い → 賃貸収入が少なめ 売却益が多め


地方の物件は賃貸収入が多いかわりに売却益が少なめだし、都心は賃貸収入が少ないかわりに売却益が多め。

どちらも一長一短なんですね。


なぜ「地価が高いか安いか」で賃貸収入と売却益が変わるのか

なぜ地価が高いか安いかによって、賃貸収入と売却益が多くなったり少なくなったりするのか。

例を使って考えてみます。


仮に1億円の物件を買うとしましょう。

同じ1億円の物件なら、下のグラフのように地方と都心で土地と建物が占める割合が変わってきます。

土地建物割合01

どちらも同じくらいキレイで設備の充実した建物だとしましょう。
地方は建物が8000万円で都心は建物が2000万円なわけですから、単純に考えれば地方の方が4倍広い建物が建つことになりますね。
4倍も広かったら、さすがにちょっとくらい田舎でも家賃は高くなりそう。

これが、地方の方が賃貸収入が多くなる理由です。


次に売却益*について考えてみましょう。

↑の状態から年数が経ち、建物が古くなって半分の価値になったと考えます。借入の返済も進むので、半分返済できたと考えましょう。

土地建物割合02

年数が経っても土地の価格は落ちない*ので、地方と都心で大きな価格差がついたことが分かります。

地方の物件を6,000万円、都心の物件を9,000万円で売却。売ったお金で残った借入を返済すると、

地方 6,000 - 5,000 = 1,000万円
都心 9,000 - 5,000 = 4,000万円

だけ売却益が得られることになります。

都心の方がはるかに大きな売却益を得られることが分かりますね。


売却益*: 会計上の売却益は、[売価]と[簿価]の差額となりますが、ここでは実際のキャッシュフローである[売価]と[残債]の差額を「売却益」と表現しています。

土地の価格は落ちない*: 土地の価格は変動するので、上がることもあれば下がることもあります。ここでは「年数が経過することによって古くなって価格が落ちる、という性質のものではない」という意味です。


また、都心の方が売却益が得られるのであれば、地方の方が利回りが高くなかったら誰も買わないですよね? ということは、必然的に利回りが高くなる価格で売りに出されるということです。

このことからも地方物件の方が利回りが高くなるということが分かります。


賃貸収入と売却益、どっちが良い?

地価が高いか安いかによって、賃貸収入と売却益が多くなったり少なくなったりすることが分かりました。

では賃貸収入と売却益のどちらの方が良いのでしょうか?

答えは、もし同額なのであれば賃貸収入の方がメリットがあります


第一の理由は安定性です。

賃貸収入は毎月安定して得られるもの。
これはお金の大原則ですが、安定しているということはそれだけで価値があります

特に賃貸経営の場合、賃貸収入がそのまま手取りになるわけではなく、まず銀行に返済をし、修繕費や広告費、固定資産税など必要な経費を支払ったあとでようやく手元に残ります。

このため都心で利回りの低い物件を買っていると、毎月お金が減っていくということも珍しくありません

しかし毎月たくさんのお家賃が入り、賃貸収入だけでお金が増えるのであれば安心です。破綻しようがありません。だって毎月プラスだからです。


第二の理由は再投資できるからです。

賃貸収入でお金が増えれば、そのお金を使ってまた新たに物件が購入可能。さらに売上・利益を増やしていくことができます。

地価が高い物件で賃貸収入が少ないと、毎月ほとんどお金が手元に残らないので、まとまったお金ができるのは売却できたとき。
そのあとでようやく次の物件の購入です。

賃貸収入が多ければ、ある程度お金がたまった時点でどんどん次の物件を買っていけるので、複利の効果で高速で規模を拡大していくことができるんです。


地方の物件は賃貸収入が多い分 売却益が少ない=余裕がない わけだから、売ったときに大損してしまうこともあるんじゃないか。
そんな心配をする方もいるかもしれませんが、基本的にはあまり心配いりません。

なぜかというと、原理原則として、物件の価格が落ちるより返済が進む方が速いからです。

それは先程のグラフでも分かりますね。
建物の価値が半分に減るころには返済も半分は進んでいます。でも土地は価値が下がりません。ということは、土地の分だけ必ず余裕ができるんです。

というか、実際にはそんなに速く建物の価値は下がりません。もっともっと余裕があるのが普通です。

ものすごく古くてまもなく建物の価値がなくなってしまうような物件で、無理矢理長い期間で融資を受けたりすると、返済よりも速く建物がダメになってしまうことはありますが、それはやや例外的なパターンです。
基本的なことを勉強すれば避けるのは簡単な話なので、怖がるようなことではありません。


流動性が低いことのメリットとは?

次に地方物件を購入する理由の2つ目として挙げた流動性の話です。

流動性とは、どれだけ取引が活発かということ。

まず大前提として「流動性が低い」ということ自体は悪いことです。
だって、売りたいと思ってもなかなか売れなかったり、買いたいと思ってもなかなか良い物件が出てこなかったりしたら嫌ですよね?


そして「流動性が低い」ということが誰にとってもデメリットである以上、バランスを取るためにメリットが出てきます。
その一つが価格が安いこと。

売る側の心理としては早く売りたい。安くするほど早く売れる。だから安めに売りに出される。という理屈です。


もう一つのメリットは冒頭でも説明したゆがみが生じやすいこと。

不動産にも価格の相場があります。できれば相場より安く買いたいもの。

流動性が低いということは売りの件数が少なくデータが少ない。売る側の経験も少ない。
そのため、間違って安い価格で売りに出される確率が高くなる。
間違いに気づく人も少ないから、価格が直されてしまう確率も低い。

買い手が少ないから、やたら安い物件が出てきてもライバルが少ない。
したがって買いやすい。

結果として、相場より安く買いやすいことになります。


じゃあなぜ都心の不動産を買う人がいるの?

売却益より賃貸収入の方が良いのであれば、みんな地価の安い場所で物件を買うのが正解のように思えますよね。

でも賃貸収入と売却益のどちらをどれだけ重視するかは人それぞれです。


流動性についても同じ。

低いのを好む人もいれば、高いのを好む人もいます。


何より地価が安いということは怖いこと。
地価が安いということは、その土地に現在未来利用価値がないということだからです。

ちょっとイメージすれば分かります。
都心でビルがどんどん建っているような場所の土地を買う。
反対に、田舎で周りは田んぼだらけの土地を買う。

地方は人口がどんどん減っていく。
そのぶん賃貸の競争はどんどん激しくなっていく。
周りの物件の空室が次々と増え、ガラガラになっていく中、はたして自分だけが勝ち残れるのか?

こう想像すると、地方は怖くないですか?


地方物件を購入する人は「それでも勝てる」と思う人です。


まとめ

なぜ東京在住なのに地方物件を購入して不動産投資するのか?

・地方物件の方が利回りが高い(賃貸収入が多い)から
・賃貸収入が多いと、安定性が高く再投資にも有利
・流動性が低いから安く買える
・でも都心にするか地方にするかは好み
・地方って怖いよね? それでも勝てる自信がある人が買う


今回は以上です。

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