デンタルクエスト 第5話の感想とコメント
※ デンタルクエスト 第5話のネタバレを含む内容です。ご注意ください。
デンタルクエスト今回も良かった!
口内炎の怖さや、口腔内と全身疾患の関わりについての知識はとても良いし、患者の女性自身の人生にも関わる素敵なお話。
医療のみの視点で観ると、内容に大きな問題があるわけではないんだけど、コミュニケーションのところでちょっとだけ気になる点があった。
リンゴさんを「理想の衛生士」として見てしまうと、患者さんや新米衛生士さんに誤解が生じる可能性があるので、今回はそこだけ指摘しておく。
患者さんとの前での会話に注意
口内炎が主訴で来院した患者さんの診察。
「なんか変」だと思ったらドクター相手に忌憚なく意見を述べるのは素晴らしい。
‥‥んだけど、患者さんの前で「それは間違ってる」みたいな物言いをするのはよろしくない。
衛生士-ドクター間の齟齬は患者さんの不安をあおるし、信頼を失ってしまう可能性もある。
歯科っていうのは、治療完了後もメンテナンス等を通して長く一生の付き合いをしていくものなので、そのときさえうまくいけば未来を犠牲にしていいものではない。
だから信頼を失うリスクには敏感に反応し、慎重な態度を取らなければならない。
ドクターの診断に疑義があり、なおかつ緊急性があると思うのであれば、一度ドクターと共に患者さんの前を離れ、奥のスタッフルームかどこかで議論するのが望ましい。
紹介先とのコミュニケーションに注意
まあ衛生士としてではなく個人的に検査に同行するということでいいとして。
うーん。
理想は紹介状出す時点で梅毒の可能性も指摘して送るのがいいんだけど。
リンゴさんがギリギリまで可能性に気づいていなかったという状況だとまあ
・患者さん自身に言わせる
・それでダメなら紹介状を出し直す
かなあ。
これも患者さんとの信頼関係と同じで、紹介先の病院と変なルートでコミュニケーションを取って信頼関係を損ねるようなことをしたくない。
当たり前だけど、紹介元の衛生士がこの場で医師に意見する権利なんてない。だって、その医師にお願いするというのが紹介の意味であって、まして紹介したのは歯科医師であって歯科衛生士ではないのだから。
もちろん一刻も早く診断がつく方がいいに決まってるけど、紹介状の出し直し&再診察までその日のうちに片付けられるかもだし。
そもそも、信頼関係損ねるどころか下手したら捕まるレベルの謎なタイミングで診察室に飛び込んでない?
まとめ
どちらのケースも患者さんのことを第一に考えるという姿勢は素晴らしいんだけど、目の前の功にとらわれて未来の信頼、ひいては患者さんの健康を失うようだと本末転倒なので、今回の行動は必ずしもほめられたものではないなと思った。
ただ繰り返しになるけど、口内炎の怖さとかそういう意味ではとても良い話だったので読んでない方にはぜひ読んでほしい。
単行本派の方には、1巻が11/19(木)発売予定なのでそちらをぜひ!
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