メタラー流サーフロックの作り方
サークルブログに載せるにはボリュームがありそうなので、
こっちに書こうかな、と。
・何故HR/HMギターインストじゃなく?
そもそもギター弾き始めた頃から、
ずっとベンチャーズが好きなので。
その辺は今年買って弄ったジャズマスター、
あの改造記録にもある通り。
で、ギター始めた頃はベンチャーズ弾いてて、
ある時からゴリゴリ歪んだ音の曲ばかりになり、
色々聞いて作って今に至るので、
まぁサーフロックも作ろうと思ったら作れるわけで。
そういうわけで、サーフロックはルーツの中のルーツ、
Roots Bloody Rootsなんですわ(?)
・曲作りについて
好きにしたらええ
これは実際そうで、
それぞれ通って来た音楽があり、
作りたい音楽があり、
その上でギター弾いたり打ち込んだりしてるので、
何がどうとか細かいこと言うだけヤボってもんですわな。
強いて言えば…
ベンチャーズでよく聞くドラムのビート、
「ドッ ドパ ドッ パッ」
このキックとスネアの基本は抑えておきたいところ。
このビートだけで思い出すものがある人はいるはずだし、
体に染み付いてるサーフロックはコレなので。
自分が採用してる基本のビートは
「ドッ パパ ドド パッ」
で、二拍目の表にキック、裏にスネアなところを、
二発両方スネアにしてしまってる感じ。
多分本家もスネアは2発入れてて、
表が弱め、裏が強めのリムショットみたいなことでは?
三拍目のキックも増やしてるけど、
これはキックは多ければ良いというメタル脳が原因。
キックはフィルを打ち込む気でガンガン増やしてゆけ。
・音作りについて
>ベース
サーフロックは昔のは機材とかの問題でパワフルで、
今に近くなるほどクリーンが綺麗に録れる様になってるけど、
ボブ・ボーグルは主張の強いフレーズは勿論、
音作りもそこそこ強い。
好みの問題だと思うのでしっくり来る音を作ればいいかと。
>ギター
実は一番めんどくさいのが音作りかもしれない。
めんどくさい理由は至極単純。
スプリングリバーブを使えるギターアンプが必要。
フェンダーのそういうのが理想。
ただ、手元に無かったし買うにも用途が限定され過ぎたので、
代用品を用意することにした、フリーのVSTで。
スプリングリバーブが…「Spring」って奴。
調べたら何も出てこなかった…フリーで良いの探してもろて…。
で、ラック系アンプシミュを用意して作ったシグナルチェインが…。
(コンプ…リード用)
ゲート
プリアンプシミュ
スプリングリバーブ
パワーアンプシミュ
キャビシミュ
これでなかなかいい感じになった。
リバーブは後掛けじゃなくアンシミュを使う、これが一番良かった。
Ignite Ampsはいいぞ
で、ここからが本題…リバーブで音作りをわける。
「サイドギター(コード)」
サイドギターで重要なのは「歯切れの良いパーカッシブなコード弾き」。
これがドン・ウィルソンの特徴、
卵から生まれたばかりの雛は初めて見た物を親と認識するのだ(?)。
てなわけで音作りをした上で、
気持ち程度、かかってるかどうかくらいスプリングリバーブをかける。
無くても良いけどあると「それっぽさが出る」気がするので。
余韻なんかほぼ無くて良いからそういう感じで。
「サイドギター(ブリッジミュート単音リフ系)」
ここからはリバーブをピチピチ言わせてそれらしさを出していくが、
「テケテケ」ほど派手だとひたすら邪魔になる。
ので、ピチピチ言わせつつサイドギターとして控えめにする音作りをする。
余韻は多少つけるけど、アタックに対してリアクションがあることが大事。
あまり深く余韻が残るとめんどくなる。
いい塩梅のところを見つけること、それが大事。
「テケテケ専用」
V-GOLD辺りからの最近のベンチャーズとかは、
テケテケのリバーブのノリが一番すごい…気がする。
このノリでサイドギターまでやるとウザいけど、
ここまでやるとテケテケが入った時に気持ちいい。
なので、一番深くリバーブかけた音を用意して、
テケテケだけ専用でトラックを作ってピンポイントに入れた方が絶対良い。
その方が後が楽、無駄な余韻はミックス段階で切ってしまえば良い。
具体的には極端に早いフェードアウトを切りたいとこにかける。
そういう処理前提で、余韻しっかり、派手派手にスプリングを効かせる。
それでテケテケすると気持ちいいし、
爪で巻弦をこすって「キュッ」と言わせても気持ちいい。
この「キュッ」は使えるのでアクセントとして最高。
「リード」
リードもスプリングリバーブを軽くかけると気持ちいいけど、
大事なのは「クリーンは弾きにくい音である」ということ。
なので、思い切ってコンプを使っている。
それも音にクセが出る昔ながらのコンプのVST。
ビタミンQ?オレンジスクィーザー?そんな感じのアレのシミュ、
これでアタックにクセをつけつつ音を補強している。
サイドギターもコンプあった方が良いかと感じてるけど、
こっちはまた別の奴にしようかと検討中。
クセの出るコンプはクセを出して目立たせる使い方をしたいので、
「狙って使う」ことに意味があると思うし。
シティポップ系の「ライン録りしてダイナコンプ使ったテレキャス」みたいな。
「ギター選び」
シングルコイルのギターが大前提。
ハムバッカーでもいいかもしれないけど、ハーフトーンのキレが違う。
ストラトでもできなくはない、フロント一発で。
ただ、やっぱり高出力というか、でかいシングルコイルのハーフトーンが強い。
ジャズマスターとか正に、って感じだし、
昔楽器屋で触ったモズライトとか最強。
モズライトなんか下手なハムバッカーよりパワーあるんじゃないか?
そういうわけで、ハムバッカーのタップでもいいからシングルコイルが欲しい。
ハーフトーンを使うならフロントは必須、
ただしストラトのフロント・センターはシティポップ感が出るし、
ちょっと線が細い気がする。
何はともあれ好みの問題だから試すしかないけど。
逆にリードは歯切れの良さより力強さ。
ジェリーもノーキーも、何を由来とするかは別として太め。
ジェリーの晩年はレースセンサーにミッドブースト付きのストラト、
ノーキーの晩年はオリジナルかなんかの2H。
後者はハーフトーンの柔らかく太く甘い、そんなクリーンのイメージ。
前者はハーフトーンか単体かわからんけどやはり太く調整してるイメージ。
そんなわけで自分で録る時は2Hのハーフトーン、
できることならアーム付きギターが望ましい。
ベンチャーズは実質3人のリードギターがオリジナルメンバーにいて、
中でも後にベースになるもライブでちょっとリード弾くボブ・ボーグル、
ボブのリードは「アームを握って弾く」のが特徴。
トレモロのアームを握ったまま右手を動かすことで、
絶妙に音程に変化を加えている。これが大事。
フローティングしてるとピッキングするだけでもわずかにビブラートがかかる。
無しでもいいけど「らしさ」が一気に出る。
フルダウンのギターでもこのアーミングビブラートがあるかどうかはデカい。
実際AX40のダウンオンリーなフロイドローズ使ってる。
フローティングだとアップも使えて良いんだけど、
残念ながら調整が上手くないので厳しいし、
フローティングだとガンガンチョーキング混ぜていくのが難しくなるし。
チョーキング使う時に安定性求めるならダウンオンリーかフロイドローズ。
トラディショナルなトレモロはこの辺不利かな、と。
実際ボブ・スポルディングもフロイドローズ使ってたはずだし。
・ミックス
好きにしたらええ
これは本当にそう。
あえて言うならベースが目立ち過ぎない様な音作りにしとくことくらい。
ベースの迫力は歪みじゃなくて出す帯域で決めたいかな?と。
あとはスプリングリバーブのかかったギターを扱うので、
上手く余韻の処理をしとくくらい。
・その他
サーフロックのブリッジミュートする単音リフ、
あれをどのくらいの力加減でミュートするかって話。
これはズバリ、「シャープする限界まで」。
このくらいだととにかくアタックが強く出るから、
スプリングリバーブの効果が良く出る…気がする。
これ実はメタルのゴリっとした刻みもそうで、
このくらい強くミュートするとゴリゴリ言わせられて気持ち良い。
自分は逆だったけども…
サーフロックのブリッジミュートで加減を覚えて、
それを歪んだギターでメタルに活かした。
・最後に
好きにしたらええ
本当にこれに尽きる。
正解なんてものはない、自分はベンチャーズしかサーフ通ってないし。
ディック・デイルをちゃんと研究してたらもっと違ってたはず。
そしてここに書いたこともちゃんとした最適解があるはず。
何より、作らないと何もわからない。
人から「xxしたい」と言われた時、
返答は…表現は別として…「やれ」と絶対に返している。
やったものに口を出すのは楽だけど、
やってないことに口を出すのは嫌だ。
若い芽を変な形で潰してしまうから。
別に年齢のことではない、
これから出てくる物がその人の物かどうかに関わるなら、
それはその人が持ってる種を捨てて、
自分が与えた種から育てさせることになる。
なので、まずやってくれ。
弾き方、混ぜ方、何もかもまず試して、
その上で、改善の選択肢として改めてこれを読みに戻ってきてくれ。
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