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好きなもんの話しようぜ~愛用機材(竿編)~

上の階から水漏れがあり、ギターが濡れてしまった。
このギター、オーダーの一点物であり、
何より思い出しか無い一本でもある。
そんな機材のことでもあーだこーだ書いてみようかな、と。

・ESP Potbelly-REBEL

2011年購入

遡ること13年前、移転前のBIGBOSS仙台店。
母校ESPギタークラフトアカデミー仙台校での経験から、
ひとつの答えに辿り着いた。
「売ってるギターは手を入れないと満足できない」
困った物である、何かしら不満が出てしまうのだから。
手を入れなくていいかもと思ったのは
この後に書く一本のみ。
それも最終的には手を入れたが、
その直前までほぼストックで使っていた。
そんな好みの人間、もうオーダーした方が早いのである。

そんな訳で母校スタッフから店舗スタッフになった某氏に声を掛け、
見積もりしてそのままローンを組んだ、3年くらいか?
「清水の舞台から飛び降りる」なんて言うが、
アレは正にそうだった。
なお、そのローンを払っている真っ最中の頃、
東日本大震災からの持病発症というコンボを喰らい、
ひぃひぃ言いながら残りを払ったのをよく覚えている。

ベースはポットベリーというESPのオリジナルモデルだが、
コントロールの数を増やしたり、
ネックを長くしてスケールをフェンダーに合わせたり、
当時からどうも苦手だったTOMでなくハードテイルにしたり、
アーチよりフラットが手に馴染むからとそこを変えたり、
とにかく型紙以外オリジナルから程遠い仕様である。
だからこそ、扱い易い訳だけども。

そしてこだわりの南部旗ペイントである。
我々黄色人種も含めて、奴らは差別しているので、
「ダレルがこのペイントのギターを使っていた」
それ以上の意味はこのペイントには無い。
レミー・キルミスターと同じである、
「使ってた奴らはクズだが、デザインは最高だ」
そんなこと行ってナチスドイツの諸々を集めてたとか聞いた。
あとザック・ワイルドも、昔こういうの使ってたよね。
ビールの王冠めちゃくちゃ打ち付けてたアレ。
あのギターの写真でイメージのすり合わせをしたのを覚えている。
「クロスしてるとこはリアPU下に被せてくれ、
このギターのこの感じかペイントとしてバランス良さそうだ」
そんなやり取りをよく覚えている。
完成当時は白のとこが白過ぎたのだが、
経年変化でトップの艶消しラッカーが飴色になり、
自然でほどよいクリーム色になってますますカッコいい。

なお手元に届いたのは’11年3月、
東日本大震災の傷跡生々しい3月である。
なんと、埼玉の工場で組み込み作業中に被災している。
しかし、作業中でなかったのが幸いしたとかで、
なんと無傷のまま納品可能となり、手元に届いた。
その後更に手を入れてしまったのは馬鹿な話だが…。

ネックの厚みをキープして肉を落とす様に削り直し、
それに合わせてグリップのみオイルフィニッシュに変更。
PUは複数の交換を経てダイムバッカーに戻したが、
ロゴを消して上下逆にしてある。
ダレル本人の倉庫かなんかにあるギターにそういうのがあるらしい、
ダイムバッカーが逆ついてて放ったらかしの奴。
Ola Englundの動画で見た。
ボリュームポットは250kに変更の上でトレブルブリードをつけて、
トーンもフェンダーの特殊な回路に変更、
ノブを外して不意に動かない様にしている。
と言うのも、ダイムバッカーはトレブリーなので、
こういうところで微調整して扱い易くしてある。
オンオフスイッチだったところはキルスイッチにして、
ボリュームはマスターとフロント単体の2種。
セレクターでもキルスイッチでもスイッチングができる。
肝心の音は、太さも少しはありつつ硬くてキレが良い。
ノイジーではあるが、まぁノイズゲートでなんとかなる。
突き刺さる様に鳴ってパワフルなので、
主にソロを録る時に使っている。

ところでこのギター、最近上の階から水漏れがあり、
バック中心に塗装面が、
そして他のところからのハネでハイポジ裏のグリップが、
得体の知れない水を被ってしまった。
「やめとけ」と言われたのでアルコール消毒はしてない。
ノンアルコールのウェットティッシュで拭いた。
なんでこんなことに…。

・K's Guitar Shop Products BEVELPAUL

2009年完成

先述の母校で最後に作ったギター。
この一本が後々のギターの好みに影響し、
このギターをベースにしたのがオーダーのポットベリーだ。

「重いギターの方が良い音しそう」
そう言って分厚いメイプルと分厚いマホガニーを組み合わせて、
体積を減らさない様、エコーチェンバーの類は無し、
トップもフラットトップで弾きやすくして、
SGのカットを参考にカットを入れてある。
そのカットとバックのウエストカットが弾き易くしていて、
ストラトのエルボー・ウエストのカットの様になっている。
そして例によってロングスケール。
どうにもハイポジの弾き心地はロングが好みなので、
ギブソンスケールでギターは作らなかったし、
今もグレコ一本以外全部ロングスケールだ。

こちらも複数のPU交換等を経て落ち着いており、
リアはダンカンデザインながら、
ESPギタークラフトアカデミーとダンカンのコラボPU。
なんでもJBをベースに現代的な音にしたらしい。
まぁ10年以上前の「現代的」ではあるが。
フロントは、ポットベリーに使ってたカスタム5。
リアのパワーに合わせようとした結果だが、
「リア基準の音作りならフロントも近い抵抗値の方が良いのでは」
そんなことを考えてのチョイスである。
実際、割と良い感じで使えている。
力こそパワー、弾きやすさは正義。

ちなみに、マスターボリューム ・マスタートーンだが、
コントロール類の回路もポットベリーと同じで、
こちらは「ギターの音がトレブリー」ということからそうした。
どんなPU載せてもバキバキになるのである。
だったらこのギターとしてはそうするしかない。
アルニコ系は歌う様なリードが弾けるので、
主にメロディを弾くのに使っている。
その他、数々のライブで使い込んでいる。

・Sterling by MUSICMAN AX40

いつ頃購入か忘れた

エディ・ヴァン・ヘイレンモデルの廉価ブランド版。
割と手頃な価格なのに音がめちゃくちゃ良かったので買った。
長い間ストックのPUで使っていたが、本当に音が良い。
それを最近BillLawrenceUSA L-500XLにしたが、
パワー感を少し調整したかったのが理由。
もうちょい違う感じにしたかった。
それに合わせてボリュームの回路も変更、
更に表に出していないトーンポットが中にある。

メイプル指板にメイプルトップ・バスウッドバックだが、
回路の微調整でL-500XLが暴れず言うこと聞いてくれてる。
何よりクセが強過ぎないので音の印象もあまり変わらなかった。
それ以前に手を入れたのは…
「Dチューナー追加」
「リアPU下に木片を入れて完全固定」
「キルスイッチ増設」

本当にこの程度である。PUとか交換してない。
PUはダイレクトマウントなら完全固定が一番音が好きだ。
録音では主にアームが欲しい時だけ登場する。

・K's Guitar Shop Products No.1

2007年完成

所謂ストラトだが、これも自作。
半分完成したボディと完成品ネックから、
ギター作りの作業とは、という体験学習をしたもので、
母校での一本目の作品となる。
在学中に指板延長を行い22Fにした他、
完成当時のピックガードはボロボロになるまで弄り、
最終的にジミヘンストラト風に交換した。
このピックガードになってからはよく触っている。

フロントとセンターはHS-4を左右逆向きにつけて、
ジミヘン状態にしてある。これだけでもああいう音がする。
勿論、ジミ本人が弾かないとああは歌わないが。
リアはあえてツインブレード、シングルサイズハムバッカーだ。
ハムバッカーとしても使えるが、
最初はパラレル接続でシングルコイル風にして、
今はタップをつけてシングルっぽい音を出している。
スイッチの代わりにポットを使っていて、
段階的に落としていくことで、ノイズを極限まで減らしている。
純粋なシングルコイルとは程遠いP-90みたいな音になるのだが。

主にクリーントーンなんかに使い、
完成直後は何度かライブでも使っている。
ちなみに自作ギターのヘッドにロゴは無いのだが、
このストラトのみ、サインを貰っている。
セイモアダンカンのセイモア・ダンカン、
そして、エヴァン・スコップ副社長。
EVHフランケンレプリカに携わったおふたりで、
ダンカン氏に至っては歴史の生き証人、
あの「テレギブ」から明記「JB」を生み出した人である。
なんで同期はこのサインの価値がわからないのか…?

・Greco LP Custom Type

2015年頃購入

8年ほど前に購入、所謂ジャパンビンテージ。
O切れロゴだがシリアルナンバーがなく、
おそらく80年代頃の韓国製の個体。

EMGがついてるが、実は旧型である。
リアに85、フロントに81がついてる状態で中古で売られていた。
オリジナルパーツも半分ほど欠けていた為か、
なんと3万で購入している。
以来、不動のサイドギター要員として大活躍。
ライブでも使ったが、とにかく使い易い。
ポジションマークが浮いたりしていたが、
最近直したのでなんの問題もなくなった。
そういえばノブもスピードノブに変えてたっけか…?
ノブは扱いやすさからスピードノブが大好きである。

・K's Guitar Shop Products Uncertain Bass

2008年完成

たまにYouTubeの動画に登場するあのボロいベース。
元々はPM配列のプレベがベースになっていて、
「ネックは細めが良い」
「セレクターの方がいいべ」

等々、ギタリスト的な好みを持ち込んで作ってある。

一番目を引くハードなレリックは痛ベースで、
キラ⭐︎キラというエロゲに登場するプレベを再現している。
勿論完成直後は普通のプレベの見た目だった。
完成し、評価が終わり、家に持ち帰ってからが本番。
ドライバーのグリップで殴り、
先端でつつき、ナイフで塗装を引っ剥がし、
紙ヤスリやマイナスドライバーでガリガリ傷を作り、
ピックガードには深い傷をつけ、油性ペンで色をつけた。
ピックガードの先端はニッパーで適当に切ってある。

リアのMMハムバッカーはパラレル配線、
Pタイプとは普通のハーフトーンだけ出せる様になっている。
完成当時は直列だったものの、ゴツゴツした音で好みと違った。
後々「せめてパッシブベースならハムバッカーのパラレル」みたいなのを読んで、
自分のやってる曲に合わせてパラレルにした。
一時期はリアだけ使っててPの方結線してなかったことも。

・唯一の楽しかった学生時代の2年間

最後になるが、
自作のギターはデザインの時に名前を付けている。
その仕様書はESPのオーダーで使う奴で、
学校から直営店スタッフへの道もかなり意識してあったってわけ。

他にも色々作ったのや買ったのがあるけど、
ジャズマスターやっぱほしいな、ドン・ウィルソンとかそういう意味で。
でもテレキャスシェイプも一本持っておきたいんだよなぁ…。
物欲が止まらない…買いはしなくなったけど欲だけはどうにも…。
もっと作っておきたかったけど、なかなか作業がなぁ…。
今は道具と環境が無くて無理だし…。
楽しかったなー、ESPギタークラフトアカデミー…。

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