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KRYラジオ「大人の音楽堂」:UK / YES / MAGELLAN / TRACE (2022.4.9OA)

プログレッシブ・ロック…キーボードが何台も積み上げたセッティングが魅力だと感じます。デジタルが進んだ今は見た目がとてもシンプルなセットもありますが、やはりMOOG にハモンドオルガンにメロトロン、クラビネット、ボコーダーにエレキピアノ、ARPシンセサイザーなどがステージ狭しとセットしてあるのが壮観です。プログレはこうでなくてはいけない。キース・エマーソン、リック・ウェイクマンがその代表です。今回オンエアしたオランダの「トレース」、名手リック・ヴァン・ダー・リンデンのキーボード・プレイはその二人に匹敵する腕前、クラシカル・プログレが好きな方は大満足でしょう。EL&P的なトリオ編成のトレース、まずはアルバム「鳥人王国」をお薦めします。

YES」のアルバム「ドラマ」は、ヴォーカルのジョン・アンダーソン、キーボードのリック・ウェイクマンが脱退し、「ラジオスターの悲劇」がチャートインしていた「バグルス」のトレバー・ホーンジェフ・ダウンズをメンバーに迎え完成させた、ある意味バンド史上でも異色の作品。この中から「光陰矢の如し」をセレクト。なんてカッコイイ曲でしょう。プログレロックの魅力が満載。メンバーの演奏能力に驚かされます。特にクリス・スクワイアのベースワーク…ここまでの方を他に知りません。今更ですがYESサウンドの特長は彼のベースの音が大きな役割を果たしています。

そして「マジェラン」。速弾きギタリスト、イングヴェイ・マルムスティーン等を世に送り出したマイク・バーニーがプロデュースした壮大なスケールのプログレハードです。大袈裟なアレンジにこれでもかとたたみかける変則的なリズムとフレーズ…腹いっぱいです。

そして「U.K.」の「憂国の四士」。ジョン・ウェットンビル・ブルフォードエディ・ジョブソン、そしてアラン・ホールズワース。言うまでもなく英国プログレ界のレジェンドたちによるスーパー・グループで、1978年という時代的にプログレッシブ・ロックが確実に衰退していく中でリリースされた名作です。ポップさとドラマチックさ、技巧と躍動感が結集した70年代後期を代表する傑作。残念ながらこのメンバーはこの一枚だけ。しかし、このアルバムを知らずしてプログレを語れない作品です。

まあ、プログレは奥がとても深いし、その名の通り様々な系統を持っています。またヨーロッパの歴史と文化が大きく影響しています。この手を気に入ったらリスナーの引き出し、懐が大きく広がり充実感を感じることでしょう。次回は久しぶりにアコースティックと素晴らしいハーモニー、数多くのミュージシャンのお手本となった「クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング」の「デジャヴ」です。お楽しみに。

今回オンエア
<U.K.>
IN THE DEAD OF THE NIGHT  
<YES>
TEMPUS FUGIT 光陰矢の如し
<MAGELLAN>
MAGNA CARTA
<TRACE>
BOUREE

https://radiko.jp/#!/ts/KRY/20220402213000


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