人生を変えるインスタグラム〜私たちはみんな主人公〜

写真を撮るという行為はスマホのおかげでかなりやりやすくなった。スマホのアプリを立ち上げるのは、息をするのとあまり変わらないくらいに自然な行為だ。インスタという言葉はもはや写真を撮るという動詞とイコールですらある（ちなみにその代わりにこれまで使われていた写メは死語となった）。

そうした流れの中で生まれたインスタグラムは、何気ない日常を切り取った写真や映像を作品化してみんなと共有することで多くの人に主人公感を味わわせることができているのかなと思う。写真が見てもらえてイイネが押されたりコメントをもらえると自分が壇上に上がってピックアップされているような気になる。

人に認められているという感覚は誰にとっても嬉しいもの。しかもインスタグラムは入り口の敷居が低く入りやすい。その上にイイネやコメントもブログやYouTubeよりもつきやすいのでかなり早い段階で小さな成功体験を獲得することができる。これが多くの人たち、特に若者に気に入られている大きな理由かなと思う。

インスタグラムで得られるひとつひとつの成功体験は、度合いとしては小さなものでも、次第に集まっていくことでさらに人を動かすほどのパワーへと変換される。それは私たちの人生を変えるほどと言っても過言ではない。そこで生まれる著名人はインスタグラマーと呼ばれ、広く人々に影響を与えることができる。

しかしそういった状況になって、何より変わったのはインスタグラマー自身の暮らし方、ライフスタイルだろうと思う。多くの良質な視聴者の存在が持つことで、インスタグラマーたちは心のどこかでインスタグラムに上げる作品を意識した生活を営むようになる。それは著名でない、インスタグラマーの入り口にいる人たちでも同じことなのだ。

自分たちの何気ない日常にスポットライトが当てられ、価値観が共有される。それは自分が主人公として自分の人生を歩んでいくという感覚を私たちに与えてくれるのだ。

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