絵を描くことが苦手な私。苦手があるからできることがある!
私は保育士という職業柄、子どもたちから「○○の絵を描いて」と頼まれることがある。
でも、描いてあげたことはあまりないなぁ。だって「せんせーもう少し上手に描いて」なんて言われてもちょっと凹むじゃない…。
子どもの描いた絵に関しては、基本「こう描いた方がいいんじゃない」「この色が合ってるでしょ」なんて指導はしない。
だって、自分の表現なんだもの。そんな指導をしたら私の作品になってしまうしつまらない。って私は心から思っている。
その子の感性や内面を思いっきり表現したものを、私は一緒に味わい共感する。
絵を描くのが苦手だからと言って保育士が務まらないわけではない。私は歌ったり絵本を読んだりするのは大好きだし、乳幼児の特徴を理解して接することもできる。
小学校の先生だって、「国語を教えるのは得意だけど、英語の発音が悪い」とか、「子どもに対して好き嫌いがある」とか…。全てがパーフェクトな先生なんていないじゃない。
大学の先生だって、専門分野は研究しまくって○○博士だけど、専門以外は分かりません。っていう方をたくさん知ってるし、私の恩師もそうだった。人間味あふれていた。
それと同じかな。それでいいんだよ。いろんな個性の先生や友達、大人がいるから学び合い、認め合い、育ちあう。そして、一人一人が神様から貰った個性という宝物が輝く。
ところで、私が絵が苦手なのは物心ついた時からかなぁ・・・。
母が言ってたことがあってね・・・。
幼稚園の時、みんなの色んな絵が飾ってある中、あなたの絵は「お母さんのおっぱいとおしり」だったんだよ。って「お母さんも絵が下手だから、同じだと思って笑った」だって(#^^#)恥ずかしいわ…。
そんな絵を描いている私に、ある時姉と絵を描くシュチュエーションが訪れた。
なかなか描けないでいる私におばあちゃんが言った言葉が「お姉ちゃんは絵が上手なのに、あなたは何で描けないの?」って。
愛情深くて優しかったけど、しっかり者で何でも出来るおばあちゃんだった。だから、花でも何でも描けばいいのに、何も描く事の出来ない私が理解できなかったんだと思う。
悪気なんかこれっぽっちもないのは理解しているし、おばあちゃんは大好き!
でも私には、その言葉やその時のドキドキは今でも鮮明に覚えているんだから、何らかの影響を与えているんだろうな。
絵に対して無意識な劣等感や、描く事と恐怖心がセットになったのかもしれないね。
そんな経験はできればしない方が良かったけど、今の私には宝物かも知れない!って感謝している。
だって言葉の持つ力、影響力が体感で、心で分かるから。
今の言葉、痛かったかな?って、振り返ることができるから。
もし、自分の言葉に疑問が残っていたら、見守り、フォローすることだってできる。
子ども達には、絵を描く時だけでなくどんな時でも見て、感じて、一緒に味わうことを大事にしている。
私は、ひとりひとりの子ども達に印象に残る大人になりたいのではなく、「何かわからないけど、あの頃を思い出すとあったかい気持ちや、頑張ろうと思える力が湧く」そんな心のよりどころ、いつでもそこに帰って安らぐことのできる安全基地!そんな大人でありたいといつも思う。
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