Shanghai Fashion Week | Part1

なぜかここ数年で「中国が盛り上がっているらしい」と国内のファッション業界で噂ばかりが飛び交っていた。その噂は、「中国に行けばお金設けができるかも」「どうやら中国若手ブランドが盛り上がっているらしい」という様々な意味を包含している。どちらにせよ、少し前に想像していた「コピー」大国の姿はものすごい速さで進化を遂げているのだ。とはいえ、ほとんど初めてに近い上海だったため、抽象的な事実を述べるだけの話になっていること反省している・・・。「次回は行こうかな」という周りの人たちの事前情報になればと思う。まずは上海ファッションウィークのベースにもなっている合同展示会について。

片言のまえおき

兎にも角にも上海ファッションウィーク中に開催している合同展示会の量がかなり多い・・・という印象がありつつも、具体的な数字が分からないので、たどたどしいが現地メディアのレポートをGoogle翻訳したものを先に載せておく。http://www.jiemian.com/article/2041459.html

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2018年の秋と冬のMODE展では、30のショールームが1つの停留所にあり、3月29日から4月1日まで、総展示交通量は11,843に達し、総訪問者数は8086で前四半期比18.7%増加しました。 そのうち、専門チャンネルのバイヤー数は3,120に達し、前四半期比で11%増加し、バイヤーの総訪問数は4,654に達しました。

上海ファッションウィークのショールームフォーマットには、MODE、ONTIMESHOW、Shitang、DFO、ALTER、NOT、TUBEの7つの主要ビジネスプラットフォームが含まれており、総面積は約3万平方メートルで、1000以上の展示ブランドが30以上の国から来ています。

いくつかの協力展示を提出した専門家の訪問者の数から判断すると、主要取引プラットフォームはすべて、ONTMESHOWの6639人、合計視聴者の4612人、DFOの訪問者の3500人を含む増加傾向を示しています。 

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(※PR01は、2日間で3000人〜3500人来場者数)

増殖する大型展示会と参加ブランド

中国には富裕層がいるという話は嘘ではないが、それだけで考えてしまっては一辺倒である。 昔の中国イメージのまま向かってしまうと、そんな甘っちょろい場所ではないことに気がつくだろう。

上海ファッションウィーク中に開催されている大型展示会は複数、その中に日本ブランドが団体として参加している場合や中国ブランドのみのものもある。3シーズン前に訪れた時は、日本ブランドは少なくそれぞれが右も左も分からないまま秘境地を体験してきた。そして3シーズン後の今は、日本のブランド出店数は年々増えてきている。(ネットでは事情が分からないから、一回試しで行ってみようというケースも多い)では、日本ブランドだったら生地や作りが良質だから何でも好調・売れているのかというとそうではない。そこでたかをくくった予想をしていたら痛い目にあうのだ。

上海ファッションウィークのHP。確かロンドンも毎回特に写真でメインヴィジュアル作ってないし、そろそろ東コレもグラフィックだけとかにして経費をプロモーションや招致代に回せないものかと思う)

実際に3シーズン前に出展した時は収穫がなかったブランドも今回は複数件付けてきたり、はたまた1回目から8桁動かす強者もいる。(AWよりSSのような軽さがウケる、とも聞いたが)ギャンブルのようになにがヒットするのか分からないという模索状態の中、もちろんJoyce, lane crawford, I.T.など大型セレクトショップのバイヤーが来場するチャンスがある一方で、"バイヤーになりたい"という来場者も珍しくはない。「これからお店を開くの」と言ったまま時が過ぎていくケースや勢い良く始めたものの1-2年で突然お店が閉まるケースも。そうした時にもちろん通訳は必須だが、現地のお店やブランドイメージをよく理解した通訳がいると尚セールスとしては心を掴める、といった観点からは更にグローバルに中国語ができるファッション好きという役割は重宝されそうだなと現地のスタッフを見ていると感じたり。

今回参加した日本ブランドは、(山地さんのFacebookから拝借・・・)

 ◆ K POINT SHOWROOM
divka、IHNN、MIDDLA、5-knot.....、CHINOH、jean genie & hungry freaks,daddy、LOKITOH

◆ MODE SHANGHAI
Xin Tokyo
IN-PROCESS、NAPE_、NON TOKYO、RIEKA INOUE、Y.O.N.、SATOKO OZAWA、SHIROMA、BALMUNG、bedsidedrama、HISUI HIROKO ITO、kotohayokozawa、M.&KYOKO、nonnette、STORAMA

◆ Ontimeshow
Xin Tokyo
ASEEDONCLOUD、Aquvii、BODYSONG、HATRA、JUCO.、sneeuw、STOF、YEAH RIGHT!!

◆ Ontimeshow
Rerve tokyo group exhibition
GlassNote、ADDICT NOIR、amitieri、Luce macchia、SAKA、Ventriloquist

◆ Ontimeshow
SHOWROOM CATS from tokyo
NIITU、BARAIRONOBOUSHI、CHAN LUU、FRANKYGROW、MOMOCREATURA、TRINCA UNPLUSUN

◆ Ontimeshow
VIVIANO SUE、Taakk 

on time show はA館、B館に分かれていて、B館奥の方ではショーも開催。Labelhoodなどのメイン会場へのシャトルバスが出ている。軽くランチができる場所もあるが、会場の周りは本当になにもない。現地の友人曰く今後政府がイベントで使う場所として活性化したいために選んだ僻地だとか。

mode shanghai。4日間開催。on time showよりはもう少しカジュアルな雰囲気。日本ブランドは奥のブースで。一部ブースはアリババに出店しているオンラインブランドが参加していた。こちらは会場に併設しているスタバや会場内のカフェやアイスなど休憩場所も充実。


蛇足だが、それぞれの展示会への入り方がスムーズなスキームだったことをどこの誰が読んでくれているか分からないが、記しておきたい。

まず受付にあるQRコードを読み取り、ウェブ上で媒体名やメアドなど登録。その後、メアドに届いたQRコードで(会場WiFiも使える)エントランスのスキャナーにかざすだけで何回も行き来できる。特に来場者をリストバンドや色分けしていないのは少々気になったが、来場者側からすれば名刺2枚見せたり記帳せずに済んで楽な入場方法だった。(運営側も一々記帳リストをデータ化せずに済むんじゃないだろうか)


on time showへの来場者数は6639人(冒頭に記載した現地メディアより)、回遊時間は30分(繊研新聞より)、それに加えて他のショールームとショー会場があると考えると、いずれルームスリンク化してしまう場所も出てきそうだ。一方で中国ブランドのみのショールームも私の知ってる限りだと2つ開催されている。

(on time showのエントランス。マップを見るだけでもいくつかブースがあることが伺える)

中国ブランドが集結するショールーム

中国ブランドが集結する合同展示会の1つめ、TUBE SHOWROOM。(唯一行けたショールーム)2015年10月から上海ファッションウィーク期間中(4日間開催)に合わせて合同展示をスタート。後で詳しく書くが、中国の若手支援プロジェクト「LABELHOOD」に参加してるブランド含めて総勢30ブランドを束ねる。shushu/tong,SIRLOIN, MOTOGUO, JUN JIE,STAFF ONLY(次回ロンドンメンズ出場ブランド), XIAO LI(彼女の場合はもう中堅だろう)など国内外でも注目を集めるブランドが、3階建ての「上海現代美術館」を埋める。それぞれフロアごとで、注目株、ウェアラブル、安定ブランドと個性ごとで分けられていたように感じた。

(普段の美術館の様子)

ブランドによって値段感やプロダクト力はマチマチだが(もはや日本みたいに「コレクションピースばかりでは」という質問はナンセンスに近いのかもしれないと思えてくる)殆どがパリ→上海展示のルートを辿ってきている。その背景には、中国若手デザイナーの殆どが海外大学卒業=ある程度現地のコミュニティがある ことがベースとなっているように思える。LABELHOODに参加しているブランドは海外留学から帰国した組ばかり。聞く所によると、デザイナーを目指す学生たちは自然と彼らの経歴をたどるように海外留学を目指し、そのための予備校も中国で設立されいるという。もちろん予備校の講師は、現役若手デザイナー(資金を学校とブランド両方で積み立てている)。


2つめは、NOT SHOWROOM。(こちらは行けてない)LABELHOODだけに留まらず、今回か次回から若手ブランドショーを行うと噂されているショールーム。6日間開催。ジュエリー含めて23ブランドが参加し、その中にはYIRANTIAN 、BOUNDLESS、HAIZHENWANG、PRONOUNCE(たしか一度ロンドンメンズ出場済み)、 SAMUEL Guì YANGなど注目株も。

http://www.sohu.com/a/227308684_552335

(他は、どうやらDFO, ALTER SHOWROOMなども公式サイトに掲載されているショールームみたいです。)

ざっと上海ファッションウィーク中に開催されているショールームの紹介だったが、期間中に主に足を運んでいた(注力していた)のはショーの方。先ほどもちらっと書いた若手ブランド支援プロジェクト「LABELHOOD」については次の記事で詳しく書く。


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