J.W. Anderson

J.W. Anderson

リンク先もちゃんと載せている元記事はこちらtumblrの方へ

前置きで残しておくが、抜けている箇所や錯綜している情報がたぶんあるかもしれない。仕事の合間に行っているので、文章も雑である。なので、追加・修正していく方法で書いていこうと思う。かなり個人的に情報を残しておくような感じで。もしかしたら、途中でバラバラで終わるかもしれないけど、調べ始めたら終わりが見えなすぎて仕事に支障がでそうだ。

(とてもだらだらの旅です)

そこで、大体の流れは他のサイトでもまとめているだろうと思い、彼が「中性的」であることに意識を何故向け始めたのか、また日本のファッション好きな外国人の友達が例として挙げる「ミキオサカベ」との違いが見つけられたら、と思う。

(一応、賛否両論になった2013-14A/W J.W. Andersonまでは重要な気がしてちょこっと書き残してるけど)

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今まで専門学生が参考ブランドを調べるにあたって、名前が挙っていたのは、Comme des GarconsやYohji Yamamotoなど長年誰しもに知られるブランドだった。ここ最近になってその様子が変わり、J.W. Andersonの名前がよく挙るとBoF インタビューにて、BoF 創設者・編集長Imran Amed (セントマで講師も行っている人)が言っていた。そして、メンズウェアはニッチな存在であったが、メンズウェアコースを選ぶ生徒も増えた。メンズウェアの先駆者として大きな影響を及ぼしているJ.W. Anderson。

https://www.youtube.com/watch?v=5AY5MPdiWN4

今月号のHero magazineは、ここ数年間で各業界に大きな影響を及ぼしたであろう人を特集している。デザイナーではDominic Jones, Charlie Casely-Hayford, Christopher Shannon, Gosha Rubchinskiy, Bobby Abley,Alexander Wangなどを様々な形で紹介している。

http://www.hero-magazine.com/

J.W. Andersonについては、ジャーナリストHettie Judahが書いている。インタビューではなく、今までのJ.W. Andersonの歩み。

文章だけ集約すると1ページだけになるが、どこで彼のブランドに大きな変化が訪れたのか、もしくはその変化がどのくらいの速さで行われたのかざっと分かる。日本語訳が巻末についているので、興味がある人はぜひ。

ブランドの歩みを語りながら、過去のコレクション写真は掲載されていなかったため、どのくらいの変化があったのか誌面では十分に感じられなかったが、帰宅後 「J.W. Anderson first collection」「J.W. Anderson 2010」で検索して写真を見ると愕然としてしまった。あまりの違いに。

Vogueのタイムラインを見ても分かるし、友人からも聞いたことがあった話だが、彼の現在のコレクションは過去のデザインと結構異なる。(http://www.vogue.co.uk/brand/jw-anderson)

Hero magazineでの紹介をベースに写真や詳細の追加なども行いながら書いていく。

まず、デザイナーJonathan William Andersonについて。

1984年生まれ北アイルランド出身。現在30歳。デザイナーより先に彼は俳優になる夢を持っていたため、ワシントンD.C.のStudio Theatreへ向かうが1年半で辞めてしまう。(両親にお金を散在しすぎだ!と怒られる笑)演技よりもコスチュームに興味を抱くようになり、その後ダブリンに戻って、Brown Thomas デパートメントストアにてメンズウェアのヴィジュアルマーチャンダイザーとして働く。その1年後London College of Fashionへ。メンズウェアを専攻し、 プラダの右腕と言われているスタイリストManuela Pavesiのアシスタントも同時に始める。また、プラダのビジュアルマーチャンダイザーも行う。

Show Studioのインタビューにてブランドを始めるまでの事を少し笑いながら話しているけど、Manuela Pavesiのビジョンにとても感動を覚えたことや、彼女の元での経験やビジュアルマーチャンダイザーの経験が自分にとって大きいのではないかと話している。

ここらへんでビジネスに強い部分を自然と身につけたんだろうか。

https://www.youtube.com/watch?v=pDdcnB5w9sw

2005年に卒業し、2008年自分のブランド「J.W. Anderson」を立ち上げ、off-scheduleでのメンズウェアコレクションを発表。2010A/Wにてウィメンズスタート。(アトリエはダルストンあたり)2014年6月時点で130以上のストックリストがある。

http://www.wmagazine.com/fashion/2013/04/jw-anderson-new-designer

2008年 ブリティッシュパンクをテーマにコレクション発表。(ここでの写真がなかなか見つからないから、不確かだが、Hero magからの情報)

その後、2009-10A/Wと2010S/Sの2シーズンは、London Fashion WeekのMAN(Fashion East)にて発表。

2009-10A/W


2010S/S

2010-11A/W NEGEN Menのサポートの元にメンズコレクション発表。

今とは違いブリティッシュパンクを意識している。ブーツや太いチョーカー等パンクの要素が取り入れられている。そのまま続けていたら、どうなっていたんだろう、、、(ちなみに同じ年のNEWGENに選ばれたデザイナーの中にChristopher Shannonもいる)


この時期にウィメンズラインもスタート。

過去のHero magのインタビューでは Womenwear 2010A/Wのデザインを一週間で行ったなど言っている。

本当なんだろうかと自分の解釈が不安になって、ネイティブイングリッシュの友達に聞いた所「たぶんそうだけど、とてもカジュアルで曖昧な記述の仕方だよ、これ。」と言われたので確信は持てない。が、同時進行で全てを行うことの大変さを語っていることには間違いないだろうね。しかし、周りの支えもあるんだろうけど、BoFのインタビューにて納品の日にちを守ることは大事にしている、と言っている。この発言は、最近Bobby Abelyの立場が怪しくなっていることを個人的に意識してしまった。 2010年からイギリスの老舗肌着ブランドであるサンスペルのクリエイティブ・ディレクターも努めている。

2011S/S

メンズ、ウィメンズを一緒に発表。


初ウィメンズコレクションは、メンズの対になる作品だった。彼と彼女がお互いのクローゼットから一緒に選んだという古くさい話(Heroジャーナリストより)付きのコレクション。スタイリングに関しては全くそうではないとアンダーソンは言ったそう。(Hero)

この後2011年に、独特のアンダーソンスタイルが頭角を表してくるが、Hero magのジャーナリストによると、2011年の終わり頃にTIME誌でJ.W. Andersonを取り上げた時は、まだ「中性」というのは議題にも上がらなかったそう。

2011-12A/W J.W. Anderson Womenを発表。ペイズリー柄のパジャマスーツをセレブが着ることで、あちこちでコピーされ、「J.W. Anderson 」の名前が人々の間で挙るようになってくる。

ここらへんから現在のJ.W. Anderson特有の両性具有のDNAが現れ始めたのではないかとBoFは指摘。

2011-12A/W

2011年から3年間でランウェイでよく見られるようになったスタイルにくるぶし丈のボリューム&スリムで神経質なトップス。そのボリュームは床を這うプリーツがついた見事に裁断された黒いキルトから現れる。(Hero magより)

2012 S/S

特定の服の外側に目立つようにブランドロゴを付けるようになる

→その後、キャットウォークで目立つ というより

顧客に提供される「簡単な」作品が顕著に表れてくる(Hero magより)

ペイズリー柄のパレードで「ユニセックス」「中性」「両性具有」な要素は薄れていくとHero magでは流れを書いている。

そして、アンダーソンのビジョンがよりダークに、より「間違った」、より「酷いもの」になっていることがムードウォールからHero magジャーナリストは感じ取る。

2012-13A/W NEWGEN


このコレクションは、70年代の映画「Ice Storm」からインスピレーションを受けている。また、後に分かったことだが、電話の盗聴に対する裁判からもインスピレーションを受けていた。とHero magは言っているけど。この頃に起きた電話の盗聴に対する裁判や事件は、News International phone hacking scandal。このことだろうか。

このあたりで、不安感・新品同様の外観に知らぬ間に広がっている腐敗というアイディアが彼の中に生まれてきているとHero magに書いてある。

2013 resort

2013S/S NEWGEN


2012年の秋頃にはTOPSHOPとのコラボレーションを行う。(Fashion EastもNewgenもtopshopがスポンサーなので自然な流れでは)


2013-14A/W NEWGEN


2013-14A/W J.W. Anderson

http://showstudio.com/collection/j_w_anderson_london_menswear_a_w_2013


Daily Mail紙 や CNNなどを苦しめる、理解に困らせたこのコレクション。しかし、それはイギリスのマスコミの注目を集めるものとなり、メンズウェアの先駆者として、人々に衝撃を走らせたコレクションでもある。(本人は、show studioのインタビューにて服は考えさせるもの、なにかアイディアやリアクションを生まれさせるものじゃないといけないと言ってる)

このコレクションが人々の話題となった背景としてHero magは、

・ロンドンがメンズウェア推しになった

・大使であるスポークマンが威圧感のない人に変わった 

ことを挙げている。これらの要素が、イギリスのマスコミの熱狂に繋がったと。

(実際ロンドンファッションウィークに行った時「毎年LFWは終わるって言われてるよ」と笑いながら友達に言われたので、メンズウェア以外にもLFW全体に影響を及ぼしたのでは、と個人的に思う)

さてさて、今までの流れを見て、2011S/Sとそれ以降の違いに気づく方もいるのでは。

私は衝撃的だったし、「めちゃパンクやったやんけ!」と驚いた。

なぜ「ユニセックス」「中性」などのコンセプトが彼の中に生まれたのか。

ー理由探し途中ー

あるインタビューでは以下のように答えている。

「変わったことに、とても新しいコンセプトだったと思う。メンズウェアのデザイナーがウィメンズに参加することに、人々が慣れていると思わないしね。」「ブランドはいつでも中性的だと思う。」「男性と女性の関係が好きーカップルとしての。男と男、女と女、女と男性、性別のミックスみたいな、服をシェアすること、これはとても普通だと思う。ストーリーや感情を伝える服を着ることについて、それはジェンダーについてではないんだ。」

またhigh fashionでは

「興味深いのは、僕自身はクリエーションにおいて最初からジェンダーにチャレンジする必要はないと思っていたということ。人々は「変化」を経験するため、あるいは自分を変えるために洋服を着るのだからジェンダーに重点を置くべきではありません。ただ、女性がどのような洋服を選んで着るのかという、女性と服との関係性はとても興味深いと思います。1990年代に入って男性と女性の社会的性差はほとんどなくなってきています。かつて女性と男性のそれぞれのものと見なされていた役割も交換したって構わない。ジェンダーはユニバーサルになってると思うし、時代と共に進化するものだと思います。確かに男女では骨格や体格が違うから、服のプロポーションが異なるのは自然なこと。けれどその形に縛られず、僕の目から見たプロポーションラインに置き換えて、新しい形を作っているだけのことなんです。」

「現代女性たちにとってキャリア同様にファッションも重要で、女性たちはレディスの服だけではなくメンズの服も着ます。だから彼女たちにとってメンズの服も年々重要になりつつあるし、同時に男性も女性の洋服を着たって構わない。モード史においてまったく新しいことが今起こり始めています。歴史というのはその時代ごとに特徴があるけど、まさに新しい時代に入る転換期に僕たちはいると思います。若手デザイナーたちもその意味を見出しているし、現在のクリエーションに関わる意義や責任をも感じていると思います。僕たちは新たなる世代とモードを構築するまさにチャレンジピープルでありエキサイティングピープルだと思う。」

他にも様々なインタビューを見ていると、「中性的」と性別にフォーカスしている中で、「男女シェアできるように」「洋服は考えさせられるものではないと」というワードが多かったように思える。

J.W.アンダーソンの話を日本好きな外国人の子としていると、名前が挙ってくるブランドがある、「mikio sakabe」。そのブランドとはどう違うのか言葉でしっかりと掴めていなかったけど、上のワードを聞いてなんとなく分かってきた。

参考にミキオサカベさんのchangefashionでのインタビュー

「女性性を持った男性ということです。次世代を考えると男性が女性化していくことは間違いありません。
近い将来おそらく今よりかは東洋文明が中心になっていくと思います。(今までの)西洋文明から東洋文明に変わることによって何が一番が変わるかといえばただ単に経済の中心地ということではなく価値観もともに変わると思います。そして宗教です。キリスト教や仏教、神道など。宗教観はどの国にとってもその国の価値基準に大きく影響しています。西洋文明のキリスト教というところから東洋に変わっていく。キリスト教や西洋文明はよく言われていますが男性的思想でした。論理的だしいろいろ思考で重ねて考えていく。一方の東洋文明はもちろん一概には言えませんがかなり感覚的、感情的、「意味がよくわからないけどいいじゃん」みたいなもの。
そうなったときに男性のポジションを考えたら、そんなに男性的な、論理的な人よりももっと感覚的な男性像があってもよいのではないかというのを前回(2012-13A/W)のコレクションから提案しています。」

「自分自身の興味の対象という点でいえば自分自身森ガールやフェアリー系の洋服には今まではあまり興味がありませんでした。でもメンズを作るようになってからメンズとして考えたらそこら辺の洋服が凄く面白いと感じ急に興味を持ち始めました。そういったイメージをそのまま女の子にしたらつまらない、でもそれがメンズとして考えたら面白いと思ったんです。だから前回は女装に近い話でした。今回は森ガールの男性版みたいなものを徐々に入れています。コレクションにもMIKIO SAKABEの服だけでなくthe Virgin Maryに協力してもらいスタイリングで使わせてもらっています。そういう要素をあえて男性に取り入れたかったんです。」

ー書き途中ー

J.W.アンダーソンもミキオサカベも「中性的」という言葉を使っても間違いはないと思う。しかし、前者の場合、服としての「中性的」であったり、「シェアできる」服を目指しているように感じた。後者は、人物像としての「中性的」を示している。

デザインとか雰囲気も違うけど、共通項である「中性的」という要素。

Hero magでは最後に他のジェンダーを意識した若手デザイナーとは違う彼の特徴を述べている。

Yang Li など他の若手デザイナーが似たようなテリトリーを確立する中、彼のジャンダーインターゾンとは

「中性的ではなく、とても女性らしい要素に対する典型的な男性らしいテーラードというコンビネーションにより特徴づけられる」とのこと。

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