見出し画像

発達段階の再検討、そして教育への適用

年齢毎の学習レベル(ISCED 2011版)をベースに、意識の発達段階から書き起こしチャレンジ。

色環ルーブリック

第一層

肉体(身体感覚)の発達。物質的価値(doing)の重視。

レベル01(0-2歳):マゼンタ
- 快か不快か
- 感覚および運動脳神経系の結合
- 必要なときに必要なだけ愛着を得られているか
- 発達の最近接領域(ZPD):言語、運動

レベル02(3-6歳):レッド
- 力による支配
- 記憶と言語、協調運動能力の発達
- ZPD:主客分離、ルール(善悪)の共有

レベル1(7-10歳):アンバー
- 階層への順応
- 他者理解と思考の発達(客観視)、社会性の獲得
- ZPD:感情のコントロール

レベル2(10-14歳):オレンジ
- 合理性の追求
- 集中力向上、判断力と応用力の発達。
- ZPD:自立的な人間形成

第二層

心(魂)の発達。内面世界の充実。

レベル3(15-18歳):イエロー
- 自信の確立
- 自己理解、自意識の高まり、情緒的自立
- ZPD:価値観の再構築

レベル4(18-21歳):ライトグリーン
- 多様性の認知
- 自主的、自己主導、成熟
- ZPD:自立から自律へ

レベル5(22-25歳以降):ディープグリーン
- 多様性の受容
- 総合的判断、相対主義的
- ZPD:価値観の連携

レベル6(25歳以降):ティール
- 多様性の連携と進化
- 相互発達、行動結果予測、価値の結合
- ZPD:自己変容

第三層

精神(霊性)の発達。真善美の樹立を目指し、精神的価値(being)に生きる。

レベル7:ターコイズ
- 全体性への包括
- 統合的システム、生態系への気づき
- 自己意識のコントロールが可能に

レベル8:インディゴ
- 法則の発見
- 包括的、接続的、システムの俯瞰
- あらゆるものを手ばなす

レベル9:ヴァイオレット
- 統合への道
- 愛による抱擁、神秘的感覚、脱我的合一
- 自由の獲得

レベル10:ウルトラヴァイオレット
- 普遍的
- 永遠の認識、脱我的合一
- 自由の獲得

レベル0

- 非二元
- 未分化


この時点における課題
・従来の発達をあらわすスパイラルは方向性が上昇のみで、物理的な法則から考えると、対となる下降の力が働かなければバランスが取れないのではないか(過去に記述した二重螺旋構造が最も表現に近い)。
・いわゆる高次意識には低次意識を踏まえなければたどり着かないのか。あり方という枠で考えると、生まれた時からもっているものではないのか。


DoingとBeingの並行発達を考える

○従来の発達段階の流れを”Doing”、(バランスをとる)対となる発達を"Being"と考える。
○”Doing”の発達に伴い"Being"は逆順で発達する。
○”Doing”は「包んで含む」発達、"Being"は「包みを解く」発達と捉える。

色相発達段階

○第一層(低次意識)において、”Doing”は欲求の変化を行動として観察できる。"Being"は価値の拡大であるため内的処理のみであり、まだ表には現れない。

○第二層(ゲートウェイ)までは、義務教育によって自動的に到達する。

○第二層では、”Doing”と"Being"が交差し、お互いに発達してきた部分が対峙する。多様性の受け入れと自己主張がぶつかり、生まれる葛藤によって成長が抑えられてしまう。ここから先の発達は「修業の道」であり、どこまで到達できるかは本人の努力次第。

○第三層(高次意識)は、”Doing”が無意識層、"Being"が意識層へ向かう。"Being"は欲求からの離脱(死への準備)を進め、”Doing”は内的な処理(思考)の範囲を広げる。

・仮に第三層まで到達したとしても、常に変動する意識状態によって低次意識が表面化する場合もある。高次意識へ至るほど、意識段階のコントロールと安定性が増す。

・低次意識が現れる場合、物質的な欲求(Doing)の外面化によって、自己顕示としての行動が顕著となる。高次意識においては、”Doing”は"Being"によって中和され、外見としてはマズローの唱える自己超越者、「目立つ特徴はなく、落ち着きのある人物」となる(ただし外見的に貧相である可能性はある)。

・いわゆる発達障害は年齢より遅い意識発達として捉えることができる。もちろん、早い発達の障害もあるだろう。

・到達レベルを底とする”Doing”と"Being"をつなぐ円環が常に描かれる。円の大きさがレベルを上げるごとに大きくなっていく。たとえば狂信者的な存在はレベル1までの円環となる。

・レベル10の超越は、誰しもが死を迎えるとともに達することとなる。

・レベル0は物質的な人間が存在する場ではない。

”Doing”を電気的な力、"Being"を磁気的な力として捉えたい。


教育手法への導入

教育で活用できるように記載すると以下となる。

名称未設定

○レベル01においては、すべての選択を保護者が行うため、「フォースドチョイス(強制選択)」が通常となる。自我の発達も進んでいないため、本人の思考による意志の尊重は不可能に近い。ただし、保護者側が感情的に発する本人の意志をすくい取れない(要望に対する対処の不一致が多い)場合は、発達不全となる可能性が高い。

○レベル02では、合理的ではないながらも本人の世界観による判断が生まれる。実際の世界との一致させるために、「フォースイントゥチャレンジ(挑戦への誘導)」という形で進めることとなる。保護者・保育者・教育者の世界観が"型"となるため、大人側の成人発達レベルが問われる。

○レベル1-2においては、「インペルイントゥチャレンジ(挑戦への意欲を高める)」ことが主眼となる。自我形成もそこそこに進んでいるため、保護の時間は減り、教育が中心となる。この時期における自由意志の尊重は、発達レベルから考えても効果的とはいえない。あくまでも"自由意志の尊重体験"にとどめておいたほうがよい。

○レベル3-4は、社会における経験に向けた疑似体験として、自律的な判断の適用を容易に行うことのできる「チャレンジオブチョイス(自由選択からの挑戦)」が望ましい。高等教育者あるいは支援者は、発達の最近接領域(ZPD)を狙った選択肢を提供できる環境を準備することとなる。一見、自律した活動を行っているように見えるが、意識状態はDoingに囚われている場合が多く、Being寄りの選択肢は用意せねばならない。

○レベル5-6で「チャレンジバイチョイス(自由意志による挑戦)」が可能となる。これ以降は自己成長の道を進むが、高い壁に当たる場合は挑戦のレベルを下げることで、不足している発達領域を補う。

・指導者や支援者がいれば、ZPDの活用より、ひとつ上の段階でも実施は可能。

・自らの発達段階のひとつ下のレベルまで、教育や支援を行うことができる。新しい世界を探求することは可能であるが、先導することはできない。

・協同学習など、同一レベル内における学習行動は、縦の発達(レベル上昇)よりも横の発達(レベル内での安定性)を高める。また、ある分野においては同一レベルであっても、他の分野でレベル差があれば(その分野のみ)縦の発達が促される。

・何事でも新しいことに挑戦するときは、レベル01から入ることでスムーズに進む。求めるレベルに合った"師"を選ぶ目利きが求められる。


今回の記述は発達のスパイラルを横からみた「縦の発達」。
上からみえる「横の発達」は体験学習サイクルとCゾーンで図示できる。
残念ながらそれらの動きを二次元上で表現することは難しい。