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「点」から「線」へ

臨床実習が始まって一番最初に学んだことの話。


臨床実習が始まる前、CBTの問題とかでこんな問題によく触れていました。

 24歳の男性。下顎左側臼歯部の冷水痛を主訴に来院した。初診時の口腔内写真を示す。
 処置に用いるのはどれか。

いわゆる「状況設定問題」ですが、これは臨床に出る前に、臨床のリアルな状況を体験できるという、(個人的には)面白い問題だと思います。

さて、臨床実習が始まると、1年間継続して担当させてもらう「配当患者」を受け持ちます。配当されると早速、その患者は今どんな状況で、これからどんな治療をしていくのか、など色々な情報を探っていきます。

ここですぐに、一つの困難に遭遇しました。
これまで慣れてきた状況設定問題では、患者の状況は常に「点」で設定されていました。しかし、実際の患者は過去数年、多い方では何十年と通院されている記録があります。今の患者の状況を正確に把握するためには、一つ一つの点を紡いだ「線」として理解する必要があることに気がつきました。

最初はこの「線として理解する」のにとても苦労しました。一つ一つの点、即ち過去の一つ一つの主訴・症状を理解し、その一つ一つに対してどんな処置をしてきたのか(点からでる線の方向)も理解する。単純に情報量が多いだけでなく、点と点の間にどんな繋がりがあったのかも考えることに、相当な時間を費やしてきました。まだまだ慣れてはいないと思いますが…。

「これが臨床か〜」と、現場での学びを実感した瞬間でした。
ではまた。

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