『ブレイカーハーツ』について



はじめに

この記事はゲーム『ブレイカーハーツ』の多大なるネタバレを含む可能性があります。未プレイの場合、この記事を読むことでゲームへの興味関心が薄れる可能性がありますので、必ずゲームをプレイしてからお読みになることを強くおすすめします。

ゲームの内容

・あらすじ
 あなたはぬいぐるみの向こう側に存在する世界、そこで使命を背負う少女達を手伝うことになります。
 けれど使命を達成すると少女達は死んでしまうようで……?

・システム
 運要素ゼロ、事前に立てた作戦と覚醒システムで全ての敵を倒せ。
 作戦、AIのカスタマイズが全てを左右する。

 戦闘中に唯一干渉できる《覚醒》システム。
 精神力を使用し、戦闘力を上昇させることが出来る。
 最終的にはあらゆるダメージも無効に出来るようになるが、
 一度覚醒すると戦闘終了までは解除されず精神力を摩耗し続け、心が擦り切れると《暴走》が始まる。
 《暴走》は作戦を全て無視し単純な攻撃を繰り返すが、これを上手く活用することも……?

 ぬいぐるみ越しでは満足な行動の出来ないあなたは、
 主に彼女達との交流で言葉を選び送ることが出来る。
 その選択によって《ココロ》が得られる。
 《ココロ》は物語の分岐に影響を与える他、
 とある少女に捧げることで彼女らの戦闘力を上昇させることも。

ブレイカーハーツ 作品内容より

少女たちについて

では続いて、もう少し深い部分について。
ここからは少女たちについての印象、感想などを話して行きたいと思います。
ただし、あくまで「こいつはこう思ったんだな」程度で心に留め置いていただけると幸いです。
まずは少女たちのざっくりとした紹介から。

トウカ
火耐性を持つ少女。
4人の少女の中では「怒」の感情を強く持っていると思われる。
本が好きらしい。

シズク
水耐性を持つ少女。
4人の少女の中では「哀」の感情を強く持っていると思われる。
散歩が好きらしい。

メグミ
地耐性を持つ少女。
4人の少女の中では「喜」の感情を強く持っていると思われる。
母親のような存在。

フウカ
風耐性を持つ少女。
4人の少女の中では「楽」の感情を強く持っていると思われる。
説明が難しい。

ナル
4人と主人公以外に唯一居る、この世界の住人。
本人は何もないというが、果たして。

軽く紹介をしたところで、私個人の4人それぞれへの印象、ゲーム的な感想を語っていきます。

まずはトウカについて。
一言で表すと、最も悲しい子なのかなと思いました。
有り余る怒り、そこから来る殺戮衝動。
抑えきれないその怒りは、時として味方すら傷付けることもあるほどに。
ナルへの異常な敵愾心、しかしその理由は自分自身でも把握できない。
自分すらも理解不能な怒りによって、ある意味では最もこの世界に振り回された少女なのかもしれない。大体こんな感じです。
ゲーム的な感想としては、ちょっと火力が物足りなくなる場面もあるかな…という感じ。ある意味で暴走を最もコントロールしないといけないキャラクターかもしれないなぁ…と。

続いてはシズクについて。
個人的には、私はこの子と最も相性が良いのかなと思います。
普通にプレイしていてもこの子が一番強くなりましたし。
ただ、その分5人の中で最も考察が短くなるかもしれない子です。
また、ゲーム的にはもう一つ攻撃技があったらもっと使いやすかったなぁ…という感じ。

今度はメグミについて。
一言で表すと、私が最も理解できない存在
4人の中で最も大人びており、母親のような役割を担っているシーンも度々見受けられます。ただし、その分最もストレスを溜めやすいのかな、と。
作中で何度も触れられる要素ではありますが、自己犠牲の塊であり、他の3人を守るためなら自分の怪我もいとわない。
また、そのために最も危険かもしれない主人公に対して恐怖を感じたり…ある意味、あの世界で最もまともで、最も狂っているのかもしれません。
ゲーム的な感想としては、アリアを上手く扱えれば非常に有益な子です。
ただし火力は本当にないので、適当に扱って強い子では全くありません。
まぁ、それは全ての子に言えますが。

最後にフウカについて。
個人的には、最も言い表すのが難しい子です。
共感はできても説明はできない、みたいな。
4人の中で最も哀しみを抱えているようにも見えるし、孤独を恐れているようにも、愛情に飢えているようにも見える。
これらは全て、どこか違うように見えて、きっと全てたった一つの要素。
あるいは逆なのかもしれない。
その辺は考察で語ろうかなと思います。
ゲーム的な感想としては、唯一安定して無属性の技を3発撃てるということで、特に終盤で活躍した一人でした。
ただし、私のプレイ中は上手く調整しないと落とされる可能性が最も高い子でもありました。

考察

ここからは、さきほどの感想なども含めて少女たちとあの世界についての考察をしていきたいと思います。
色々書きたい事はあるのですが、ちょっと書く気力が持ちそうにないので、今回は少女たちの感情は本当に「喜」「怒」「哀」「楽」だったのかということについてだけ。
今後書けたら続きも書くかも…ということで。

本当に「喜」「怒」「哀」「楽」?

まずはシズクについて。
作中では「哀」が最も強いという風に描かれています。
ただし、個人的にはむしろシズクには「怒」が相応しいような気もします。
「全て壊して欲しい」と主人公に願う様や、服を直されて大切な物を汚したと怒る様子など、それっぽい感じが確かに描かれているんです。
ですが、恐らく「怒」でもない。では何か。
彼女は大切な物を守りつつ、しかしそれを壊して欲しいとも願っている。
作中で描かれる諦観に近いような気もしますが、それともどこか違う。
本当に諦めているのであれば、大切なものなんて存在しないはず。
そう考えた場合、彼女はある意味で諦観とは最も遠い存在です。
諦めて笑っているように見えて、実は最も求めている。
希望を他者に託し、その一番近くで手伝う存在。
表すとするなら、「願い」とかになるのかな、と。

次に、トウカについて。
作中では「怒」であるという風に描かれています。
確かに、ナルに対しての怒りや敵への殺戮衝動など、非常にそれっぽい
しかし同時に、少し違和感も感じる。もしも本当に「怒」なのだとしたら、戦争の時に魔の国の王としてあれほど落ち着いた対応にはならないはず。
本来なら、勇者たちに国を案内なんてする意味もなくその場で戦えば良い。
抑えきれない怒りと殺戮衝動に身を任せて滅んでしまったって問題はない。
メグミとシズクに謝ったり、彼女らに滅ぼされた世界を前に諦めるのも、「世界を守りたい」という言葉すらもそれらとは相反するもの。
彼女がナルのところへ向かう時に零した言葉。
「ボク」ではなく「私」という一人称。
彼女は、周りに恐れられないために一人称を変えました。
それは、周りに認めて欲しいという願望から来るもの。
しかしそれと同時に、ナルへの怒りは収まらない。
それがなぜなのか、彼女には分からない。だからこそ、彼女は本を読む
しかし、いくら本を読んでも理解できない。
ナルへの怒りも、この殺戮衝動を抑える方法も。
だから彼女は、放棄した。理不尽に抗おうとするのを。
理解することは辞めたくはなかった。
だけど、戦わないために戦うのは、もう、疲れてしまったのだろう。
だからこそ、彼女はある意味最も「諦め」ているんじゃないだろうか。

続いて、メグミ。
彼女は、作中では「喜」であると描かれています。
しかし、その喜びは自分へ向けられているものではありません
彼女は他者を喜ばせることが使命に近いものだとすら感じているのではないでしょうか。
何故なら、彼女は作中「私に幸せになる資格はない」と言っているのだから。
母親役に徹した上で戦いでは皆の盾になる皆を守る上で主人公を最も恐れる。
その異常なまでの自己犠牲と友愛の裏にあるのは、一体。
まだ表面しか見れていない、そんな気がする。
何か分かったら追記します。

最後にフウカ。
彼女は、作中では「楽」であると描かれています。
しかし、少し違和感の残る部分もあるのです。
例えばメグミの「彼女を哀しませたくないのなら」というセリフ。
他にも、フウカから主人公に向けた「死ねと言われれば死ぬ」という言葉。
これはまるで「哀」。哀しみに暮れ、他者に依存した者の末路のようで。
そして、彼女はこう語る。「シンズイを目指さないで欲しい」と。
それは、彼女にとって今が楽しいから。
「楽しみ」が消えてしまえば、「哀しみ」に沈むしかないから。
しかし彼女は、シンズイを目指す。
主人公がそれを望まないと知っているから。
メンヘラだと言ってしまうことも出来るが、なぜか拒む自分が居る。
ソレをどう言い表せば良いのか、私には分からない。

ゲームの感想

昨日DLsiteで見つけてプレイしてみた、ブレイカーハーツというゲーム。
一応全エンディングを見るくらいにはハマったわけですが。
まずは全体を通しての感想を。
正直、言葉に表して感想を言うのがとても難しい作品だなと感じました。
また、少女それぞれへの最終的な感想としては、
シズク:隣に座って本でも読みたい
フウカ:仲良くはなれそう
トウカ:仕事相手としてならいける
メグミ:近所のお姉さん的存在
ナル:道歩いててすれ違う人
こんな感じでした。

まとめ

少女たちがそれぞれに持っている感情、自分がその世界でどのような役割を持っているのか模索する様、シンズイにたどり着くための道中に現れる様々な敵などなど、考察出来る要素は沢山あります。
また、作中でも語られるものとして挙げられるのは、いわゆる性格診断に近いものであるという一つの要素。ただ、このゲーム、またそこに登場する少女たちをどう捉えるかはそのプレイしている個々人の性質、個性、性格、環境など、あらゆるものによって、様々に変化するものなのかなと思います。
ぜひ、読者様それぞれの感想も頂けると幸いです。

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