DQ5花嫁論争 ビアンカを選べない女の話

9月27日、ドラクエVが発売29周年ということでTwitterが盛り上がるなどしていた。「ビアンカ」「フローラ」のワードが日本トレンドに入ったのをみて思い出した「ビアンカフローラ論争」またの名を「花嫁論争」。
定期的にあがるこの話題について、いつか記事でも書きたいなと思っていたものの結局できていなかったので、思い出したこのタイミングで執筆しようと思う。
※このnoteはドラクエVをプレイ済みの方向けの内容となっているので細かい解説は省いております。


まず最初に、結論として、わたしは何度このゲームをプレイしても絶対にフローラを花嫁に選ぶだろう。
ただ、用意されたストーリーにのっとって進めていくのであれば、普通にビアンカを選ぶことになるということは十二分に理解をしており、ビアンカ派の選択を否定するつもりはない。
ビアンカは主人公の大事な幼馴染であり、小さい頃からの思い出もたくさんある。あの二者択一の名シーンの前夜も、フローラは部屋ですやすや眠っているのに対し、ビアンカは主人公との会話イベントが用意されているのである。普通にゲームをプレイしていれば「ビアンカを選びなさい」といわれているように思えるし、本来は素直にそのルートを辿るべきなのではないかと思う。

その上でわたしがフローラを選ぶ決め手となったのは、――正確にはビアンカを選ばなかった決め手という表現が正しい――結婚相手を選択する前夜のイベントだ。
これは「フローラとビアンカどちらかを結婚相手に選ぶ」前日の夜におこるものであり、決断を迫られる主人公がビアンカと2人きりで話すことができるイベントである。

部屋に入ると、ビアンカは窓の外を眺めていた。
夜にビアンカと話すドキドキのシチュエーションだったので、どんなロマンチックな会話が待ち構えているのだろうとわくわくしながらビアンカに話しかけたのである。

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「あら、きら。なんだかたいへんなことになっちゃったね。」
「でも悩むことないわ。フローラさんと結婚したほうがいいに決まってるじゃない。」
「私のことなら心配しないで。今までだって一人でやってきたんだもの。
私はもう少しここで夜風にあたってるわ。なんだか眠れなくて…」

......

ここで会話が終わり、驚愕の事実が発覚した。
なんと、わたし(主人公)はビアンカから「好き」と言われていないのである。てっきり夜風に吹かれながら愛の告白をされると思っていたのだが、「好き」と言われないどころか「フローラさんと結婚したほうがいい」とまで言われる始末。


え、フローラと結婚していいの?結婚したらもう二度と自分のものにはならないのに?


天空の装備の事情や、お嬢様であるフローラに引け目を感じるなどの理由で本当の気持ちを言いにくい部分はあるかもしれない。好きな人のために身を引くという判断をしたのかもしれない。普通に考えれば、相手にも言えない事情があるのだろうと言葉の裏や態度を読むべきということは理解している。

ただ、最終的に判断をするのは主人公(という設定)なのだから、わたしは素直にあなたの本当の気持ちを聞きたかった。
結婚したら二度と自分のものにはならないのに、楽しい思い出はすべて悲しいものになってしまうというのに、そんな最後のチャンスに戦うことができないというのなら、これから主人公と一緒に冒険をしたところで大切なものを何一つ守れやしない。

どんな事情があれど、ただ一言「好きだから行かないでほしい」と言われていれば、あなたを選んだのに。結婚相手選択の前夜、2人きりになれたあの最後の場面だけは、絶対に身を引かないでほしかった。

ビアンカに告白されなくてショックで不貞寝している当時のわたし↓

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ビアンカに本音を話してもらえず悲しみに明け暮れた翌日、いざ花嫁を選ぼうとなったシーンで、わたしはどうしてもビアンカを選ぶことができなかった。ビアンカに悪いことをしたとは思わない。ビアンカを選ばなければビアンカは一人で生きていくことになるかもしれないが、それはビアンカ自身が選択した結果なのではないかと思う。

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「まあきらさん。私は守ってもらうことしかできない女ですのよ」


フローラは「守ってもらうことしかできない」というが、それでいいんだ。わたしはフローラを守るという未来を選択するよ。

フローラを選んだあと、ゲームは結婚式の準備へと進む。
そこでさらなる驚愕の事件が起こった。

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なんと、ビアンカが「準備を手伝います」と言ったのだ。
手伝う!?!?!?!?
好きな!?!?!!!!男の!?!!!?結婚式の準備を!?!!
手伝う!!!!!!!!!?!!?!!!?

!?!?!!!!!??!!!!!?!???

自分の好きな男が目の前で他の女の人と結婚することが決まった状況で、どうしてその結婚式を手伝うことができるんだろう。ショックで思い切り泣いてくれれば、まだわたしの心も痛むことができたのに。

ここにきてわたしは一つの結論に辿り着いた。

「ビアンカは、実はそんなにわたしのことが好きではないのでは?」

ビアンカの行動からは、何をどう考えても、「そんなに私のことが好きではなかった」という結論になってしまうのである。
そもそも「好き」と言われていない以上、勝手にビアンカがわたしのことを好きだと推測するのは傲慢であり、「主人公の幼馴染は無条件に主人公のことが大好き」という刷り込みによる幻想だった。好きではないからフローラとの結婚を示唆するし、平然と結婚式の準備を手伝えるのである。
結局はビアンカの行動からしか手がかりは存在せず、勝手に期待を膨らませて勝手に失望したわたしがむしろビアンカに失礼なのである。

とても恐ろしい集団心理であるーーーー。
結婚相手が決まる日の前夜なのに、ビアンカに好きだと言われていない…

もうお分かりだろう‼︎本当は…ビアンカは主人公のことなど好きじゃないのである‼︎

というのはさておき、真面目な話をするとビアンカが自分のことが好きではないと本当に思っているわけではない。ただ、彼女のとった行動からは、フローラと結婚してもいいんだなと解釈せざるを得ないというのが自分なりの結論である。
フローラを選択したことに後悔はない。可愛くてお嬢様で素直で天然で周りをよく見て行動力のあるあなたをこれからも幸せにしていきたいと思う。

選択した時点でフローラのことを理解しきれていたわけではないが、少なくとも、幸せにしたいと、これからの人生をともに歩んでいきたいと、前向きに思える相手はビアンカではなくフローラだった、ただそれだけなのである。異論は認めます

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左から順にブルべ夏骨格ウェーブ、イエベ秋骨格ストレート、ブルべ冬骨格ナチュラル


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