心理学検定キーワード第3章【発達・教育】3.10(発達検査)★★★
発達検査は無茶苦茶あります。
試験を受けるにあたって、結構苦しんだのが検査の量でした。
もちろん、全て覚えるとかはとうてい無理ですので
基本となる検査は絶対に間違わないというスタンスで臨みました。
ただ、余裕でその範囲を超えてくることもあるので
基本に加えて、名前だけは見たことあるな、くらいにおさえられたら
もう十分ではないかなと思います。
発達検査の一覧も紹介しますので、興味ある方は一読してみてください。
章をまたいで同じことが書かれてる部分は省略してきます。
そして、全てまとめが終わった後に
ピックアップまとめとしてテーマ別に出そうと思います。
それでは、本日もやっていきましょう!
→発達検査(知能検査)の原型と発展‐1
発達検査というのは
発達段階の基準を決めて(この年齢ではこの数値が基準とか)
その標準からのズレを明らかにするものです。
世界初の知能検査を作成したのが
フランスの実験心理学者ビネー(Binet,A)で
精神科医シモン(Simon,T.)の協力を得て
知能測定尺度を作成しました。
これが、ビネー式知能検査です。
ビネー式知能検査は、その後他の研究者らによって改良を加えられています。
最も標準化された検査として
・ターマン(Terman,L.M.)による「スタンフォード・ビネー知能尺度」
日本では
・鈴木治太郎の「鈴木・ビネー法」(1948年版/2007年改訂)
・田中寛一の「田中ビネー知能検査V」(2003年最新版)
があります。
田中ビネーVは
・個人面接法
・2歳0か月~成人までを対象
といった特徴を抑えましょう。
ウェクスラー(Wechsler,D.)が開発した
ウェクスラー式知能検査は成人用の知能検査を起源として対象年齢を広げたものです。
WPPSI知能診断検査:3歳~10歳
WISC‐Ⅳ知能検査:5歳0か月~16歳11か月
によって、乳児、児童・生徒の知能指数測定が可能となりました。
→発達検査(知能検査)の原型と発展‐2
ビネーとシモンの検査の他に発達検査の原型となる流れを作った
オーストリアのビューラー(Buhler,C.)という人がいます。
ビューラーの「小児検査、1歳から6歳までの発達検査」(1932)では
・6領域の観察(感覚受容、身体運動、社会性、学習、材料処理、精神的生産)によって
・発達指数(DQ)=発達年齢(DA)/生活年齢(CA)に100をかける を算出します。
また、日本においては
「乳幼児精神発達検査」(1949)として標準化されています。
米国では
ゲゼル(Gesell,A.L.)がアマツルダ(Amatruda,C.S.)と共著で
「発達診断学ー小児の正常発達と異常発達 臨床的手法と小児科での利用」
を刊行しました。
ゲゼルの発達検査の流れをくむものとして
日本では津守真・稲毛教子の
「乳幼児精神発達診断法0歳~3歳まで」(1961)
津守真・磯部景子の
「乳幼児精神発達診断法3歳~7歳まで」(1965)
以上の津守式と呼ばれる発達診断法は
運動、探索・操作、社会、食事・排泄・生活習慣、理解・言語
の5領域に対して行う質問紙調査です。
→発達検査(知能検査)の原型と発展‐3
これまで説明した
ビューラーやゲゼル、鈴木・ビネー法などから検査問題をピックアップして開発したのが
「K式発達検査」(1950~1951)です。
K式というのは京都市児童院(現京都市児童福祉センター)で開発されたから!?だと思います。
K式の発展は
「新版K式発達検査」(1980)→「新版K式発達検査2001」(2002)に改訂されています。
特徴としては
・対象年齢が0歳~成人と幅広く
・「姿勢・運動(P-M)」「認知・適応(C-A )」「言語・社会(L-S)」の3領域と全領域の発達年齢と発達指数、プロフィールが算出されます
K式に類似するテストとして
「発達スクリーニング検査」があります。
発達遅延や発達障害の早期発見や精密検査の要否を分ける検査として利用されます。
有名なものとして
「遠城寺・乳幼児分析的発達検査法」(1958、1978)があり
・0歳から4歳7か月を対象にする
・「運動(移動運動・手の運動)」「社会性(基本的習慣・対人関係)」「言語(発語・言語理解)」の計6領域の発達プロフィールがグラフ化されます。
→その他発達検査(知能検査)について
検査無茶苦茶多いですねw
基本的にはキーワード集の黒太字と上記まとめで対応してもらえたらいいと思いますが
他も知りたいという方のために発達検査の一覧を載せているページのリンクを貼っておくので
よかったら確認してみてください。
基本が完璧になったら、少しずつ増やしていったらいいかも。
(サクセスベル様のブログより)
→本日の内容‐箇条書きまとめ
・世界初の知能検査はビネーとシモン
・ビネー式を標準化したのがターマンのスタンフォードビネー
・日本版ビネーは鈴木ビネーと田中ビネーV
・田中ビネーVは0歳から成人まで対象
・発達指数を算出した検査としてビューラーの「小児検査1歳~6歳まで~」がある
・ビューラーの検査での6領域(感覚受容、身体運動、社会性、学習、材料処理、精神的生産)
・発達指数=発達年齢/生活年齢に100かける
・ゲゼルとアマツルダの共著「発達診断学~」
・津守・稲毛ペア「乳幼児精神発達診断法0歳~3歳」
・津守・磯部ペア「〃3歳から7歳」
・津守式5領域(運動、探索・操作、社会、食事・排泄・生活習慣、理解・言語)
・K式発達検査は京都発祥、京都市児童院(現京都市児童福祉センター)
・新版K式の対象年齢は0歳~成人まで(誰でも)
・K式3領域(姿勢・運動、認知・適応、言語・社会)
・発達スクリーニング検査として「遠城寺・乳幼児分析的発達検査法」
・遠城寺6領域「運動(移動運動・手の運動)」「社会性(基本的習慣・対人関係)」「言語(発語・言語理解)」
以上、本日は発達検査についてでした。
章をまたぐめんどくさい内容ですので
全部を一気にまとめたいのですが、それは後日
次回は学習と動機づけについて
それではまた次回!
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