心理学検定キーワード第2章【学習・認知・知覚】2.25(運動の知覚)★★
あれ、いきなり電車遅くなってない?
JR京都駅手前でよくある光景
線路が多いターミナル駅のホーム手前では
たまに普通列車と特急が同じ速度で並走する時があります。
速度が同じになった瞬間、電車が何かとまったような感覚になります。
こういった物体の運動に対する知覚が本日のテーマです。
それでは本日もまとめの方はじめていくぅー
→運動の知覚は2つの考え方がある
運動の知覚は、対象が物理的に動いている時はもちろんのこと
対象が実際に運動していなくても知覚が生じることがあります。
対象が物理的に動いている状態を実際運動といい
実際には運動していない対象について知覚される運動を仮現運動といいます。
→実際運動の知覚メカニズム
実際運動の知覚メカニズムは
特定の方向への運動にのみ反応する方向選択的細胞の存在によって説明されます。
ポイントは
・特定の方向への運動にのみ反応
・それは方向選択的細胞による
です。
実際運動に対する人間の知覚の感度は
運動の移動方向によって異なるとされています。
垂直方向(上下)が一番感度が良く
水平方向→奥行き方向となります。
→仮現運動(狭義)
仮現運動は2つの意味で用いられます。
狭義、せまい意味での仮現運動は
視野内で連続的に点滅する対象によって生じる見かけの運動の事を言います。
狭義の仮現運動は
・β(ベータ)運動
・γ(ガンマ)運動
・α(アルファ)運動
などがあります。
まずはβ運動から(図はコトバンク様より)
β運動は、上の図のように同一視対象の中の点を順に点滅させると
その点が移動しているように知覚することをいいます。
身近な例では踏切の警報灯がそうですね
γ運動は、同一対象を同じ空間位置(同じ場所)で点滅させることで
出現時(光るとき)は膨張(おおきく見えて)、消失時(消える時)は縮小するように見えるというものです。
例の図が見当たらないので、文章ですいません。
α運動はドイツの心理学者である
ミュラー=リヤー(Muller-Lyer,F.C.)によって発見されたものです。
有名な錯視図形であるこの図ですが
上が内向図形、下が外向図形と呼びます。
パット見た時に下の主線(横線)が長く感じませんか?
これは下の主線部分が伸びる知覚が起こり、上の主線部分が縮む知覚が起こっているからです。
→仮現運動(広義)
広い意味での仮現運動は実際に運動していない対象について知覚される見かけの運動の総称です。ですので狭義の仮現運動も含んだ考え方です。
有名なものとしては
・運動残光
・誘導運動
・自動運動
があります。
運動残光は一定方向に運動する対象を一定時間観察した後に静止対象に逆流性の運動が知覚される現象です。
下の図を10秒ほど見た後に、目を離して壁とか何もない対象を見てください
どうなりましたか?渦はうちの方に向かって動いていましたが
壁を見た時に真ん中から外に向かってモワっとした感じになりませんでしたか?
特にこの図は渦巻残光ともいい、運動方向だけではなく、拡大縮小もおこっています。
誘導運動とは、視野内に制止した対象と移動する対象が同時に存在する時、制止した対象が移動するように知覚される現象です。
例として月と電車の運動を上げようと思った時にいい感じのYouTubeを見つけましたので、一度ご覧ください。(Psychological Mini Video in Japanese様の動画)
自動運動は暗闇の中に静止した光点を提示すると、次第に光点が浮遊しているように知覚される運動の事です。
真っ暗な夜空の星を見続けると、星が次第に動いているように見えませんか?
ちょっとロマンティックな感じですがw
原因としては
・暗闇では周りの手がかりから光点の位置を空間的に把握することが難しい
・暗闇では眼球運動は緩やかで不随意的な運動になる
という2つがあります。
→本日の内容‐箇条書きまとめ
・運動の知覚は実際運動と仮現運動がある
・仮現運動はさらに狭義の意味と、広義の意味のものがある。
・狭義の仮現運動は連続の点滅する対象による見かけの運動である。
・狭義の仮現運動の例として、β運動、γ運動、α運動がある。
・β運動→踏切の警報灯、点滅によって対象が移動しているように見える。
・γ運動→出現するとき膨張、消失するとき縮小
・α運動→ミュラーリヤーの錯視図形
・広義の仮現運動として、運動残光、誘導運動、自動運動がある
・運動残光→滝の錯視、渦巻残光
・誘導運動→月、電車
・自動運動→暗闇の中の★
以上、本日は運動の知覚でした。
次回は錯視と恒常性について
これもまた面白い内容になっております。
次回もお楽しみに!
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