心理学検定キーワード第4章【社会・感情・性格】4.2(社会的影響)★★★
サッカーをゴールを運ぶときに起きる事
サッカーやってた人あるあるなんですがw
ゴールを運ぶときに比較的人数が多い(各サイドに5人とか)と
重たそうなそぶりをして全く力入れないって事あるよねw
「重いって!力入れろや!」って言ってる自分が全く力入れてないっていうねw
集団で共同作業を行うときによく起きるんですよね。
一人一人の貢献度が落ちるからです。
逆に各サイド2名ずつ(これでもギリ運べる)場合はマジで重たいので
一人でも力抜いたら無理です。
さて、本日のテーマは社会的影響について
頻出キーワード多数ですので、気合入れていきましょう!
→社会的影響と社会的勢力
社会的影響とは
個人や集団が他の個人や集団成員の行動・態度・感情を変化させることをいいます。
他人の行いによって、自分の行動に変化が起きるのも社会的影響です。
個人間の場合は特に、対人的影響といいます。
社会的影響は、意図して影響を起こす場合と、意図しない場合とに分けることができますが
試験的に重要なのは意図して影響を起こす場合です。
例として
社会的促進と社会的手抜きがあげられます。
社会的促進とは
作業や課題を遂行している時に、そばに他者がいることで、その作業や課題の成績が高まる現象をいいます。
ただし、社会的促進が起きるのは
単純な作業、課題の場合であり、複雑な場合は逆に他者の存在によって成績が落ちるという抑制現象がおこるよと
ザイアンス(Zajonc,R.B)がいっています。
一方、社会的手抜きとは
集団で共同作業を行う場合、人数が多くなるほど一人当たりの貢献度が小さくなる現象をいいます。
集団の中で、特に匿名性が高い場合に生じやすくなりますが
課題を行う条件や、動機づけを高めたりすることで起こりにくくすることが可能です。
このように
他者の存在というのは、人がその他者の潜在的な力をどのように認知するかによって影響を受けます。
これを社会的勢力といいます。
フレンチ(French,J.R.P.)とレイヴン(Raven,B.H.)はこの社会的勢力を
・賞勢力:報酬を与える能力を基礎とした勢力
・強制(罰)勢力:罰を与えることができる勢力
・正当勢力:特定の役割についた人の指示に従うべきだという了解を共有している人に対して働く勢力
・専門勢力:専門的で正しい知識を持っているはずだという影響を与えることができる勢力
・参照(準拠)勢力:その人のようになりたいという影響を与えることができる勢力
・情報勢力:選択肢そのものが持つ情報に依拠し、受け手が持つ認識によって決まる勢力
に種類分けしました(科学辞典より抜粋)
→説得について①「説得とスリーパー効果」
意図的に社会的影響を起こすものの一つとして
説得という行動があります。
説得とは
言語的手段で他者の行動や態度を特定の方向に導くことです。
説得の要素として
送り手(説得者)、受け手(被説得者)、メッセージ、メディア(媒体)があります。
説得の効果はこれらの要素の特徴によって決まり
・魅力的かつ受け手との類似性が高い送り手
・専門的知識が高く信頼できる信憑性の高い送り手
は説得力は高いとされます。
確かに、はじめましての人よりも親族や友人の方が説得力は高いですし。
営業マンも知識が豊富で質問に対して即答できる人の方が説得力が高いですよね。
ただ、信憑性が低い送り手でも、メッセージを与えてからある程度の時間が経てば説得効果が出てくるという効果もあって
これをスリーパー効果といいます。
説得については、主張する立場のメッセージを述べるだけの
一面呈示よりも、反対の立場も併せて述べる両面呈示の方が説得力が上がるといわれています。
また、説得を受け取らない場合にひどい結果を招くという一種の脅しのやりかたを
恐怖喚起アピールといいます。
化粧品とか、健康食品とかのサイトみたら必ず出てくる恐怖喚起アピールw
「紫外線を浴びる程、あなたの肌年齢は進むことをご存じですか?」
とか
「それ、あなたの口臭が原因かもしれません」
とか。いろいろありますねw
スリーパー効果以外の説得の効果としては
・バーナム効果:占いによくある、誰にでも当てはまるあいまいな記述や発言で自分の事を言い当てられているような気になる心理、現象のこと。
・ゲイン‐ロス効果:ギャップに見られるように最初は悪い印象でもその後いい印象が起こるとよりその良さが際立つ(ゲイン効果)現象や無茶苦茶印象が良くてもその後に起こした不祥事で一気に悪さが際立つ(ロス効果)現象のこと。
・ブーメラン効果:説得者の意図とは逆に相手が反発したり態度を硬化させること。
があります。この辺りは結構よく出てくるので押さえておいた方がよさそう。
→説得について②「受け手の能力による効果の違い」
説得を受ける立場にいる場合
受け手がそのメッセージについて考える能力の高さによって
中心ルートと周辺ルートという2つの反応の仕方があります。
ペティ(Petty,R.E)とカシオッポ(Cacioppo,J.T.)の精緻化見込みモデルという考え方です。
中心ルート:能力が高い場合、論拠の質や初期態度が説得効果に影響します。
周辺ルート:能力が低い場合、送り手の魅力や専門性、論拠の数などの手がかりに反応します。
専門家!というだけで説得されてしまう人は受け手としての能力はかなり低いと考えていいと思っていますw
→説得について③「超重要!様々な要請法(頼み方)」
他者から頼まれた時にその特定の行動をとったり態度を変えることを
承諾もしくは応諾といいます。
承諾要請の手法は非常に重要ですので以下3つを確実に抑えていきましょう。
日本語と英語の2つの表記でしっかり覚えることが大事です。
①段階的要請法(フットインザドア)
誰もが承諾するような小さな要請→目的とする大きな要請
②譲歩的要請法(ドアインザフェイス)
非常に大きな要請→目的とする相対的に小さな要請
③承諾先取り法(ローボールテクニック)
有利な条件を提示して承諾させて→何らかの理由をつけてその条件を外す
以上の3つです。
→説得について④「認知的不協和理論と接種理論」
説得を受けた受け手が
行動を正当化するために自分の態度を変えることがあります。
これを自己説得といいます。
この自己説得を説明するのが
フェスティンガー(Festinger,L.)の認知的不協和理論です。
前回、社会的比較理論を紹介しましたが、それもフェスティンガーです。
認知的不協和理論とは
「自分の考えと行動が他人や社会と矛盾したときに感じる不安を解消するため、考えを変更することによって行動を「正当化」する現象」を説明した理論です。
例としては
【明日仕事があるから早く寝ないといけないのに、夜更かししてしまう場合】
早く寝ないといけない⇔夜更かしは矛盾した状態にあります。
この時、どのような行動をとるかにもよりますが
普通にやっぱり直ぐ寝よって、実際にすぐ寝れば
早く寝ないといけない=すぐ寝たは矛盾がなくなりますねw
一方で
早く寝ないといけない⇔夜更かしという状態に対して
とは言っても夜中にやってるバラエティがおもろいんやから
それ、見てまうやん。仕方ないやん。
ってしてしまうのが認知的不協和理論による正当化ですw
説得されることを望まない人も当然います。
その場合は、説得への抵抗力を高める手続きが必要となります。
マクガイア(McGuire,W.J.)が提唱した接種理論でこの説明がつきます。
接種理論とはその名の通り、予防接種の考え方から生まれた理論です。
予防接種はあらかじめ身体に弱いウイルス(ワクチン)を入れておき
それに対する抗体ができることで、実際にウイルスにかかってもそこまで重症化しない
というものですよね。
このことから説得について
「一度弱い反論に打ち勝つことで、その後の反論に対しても打ち負ける事のないような状態に持っていく」
という事になります。
ビジネスにおける接種理論をつかった例(応用)をあげますと
プレゼンなどで自社の製品を推す場合に
あえて自社製品の軽いデメリット部分を述べたうえ(これが一度目の弱い反論の部分)で
自社製品の良さを伝えるとより相手に説得力を持たせることができます。
→本日の内容‐箇条書きまとめ
・社会的影響→個人集団が他の個人集団の行動、態度を変化させること
・社会的促進→他者によって一人でやるときよりも遂行が促進する
・社会的手抜き→多数の集団で作業を行うと、一人当たりの貢献度が減る事
・ザイアンスは社会的促進は単純作業のみ、難しい作業はむしろ抑制が起きるといっている。
・フレンチとレイヴンは社会的勢力を種類分けした
・正当勢力と参照勢力が重要
・説得の効果としてスリーパー効果、バーナム効果、ブーメラン効果、ゲインロス効果がある。
・スリーパー効果は時間によるもの
・バーナム効果は占いとか誰にでも当てはまるものにハッとなること
・ブーメラン効果は説得することでむしろ逆効果になること
・ゲインロス効果はギャップ
・いう事聞かない場合に悪い事起きるよって脅すやり方が恐怖喚起アピール
・ペティとカシオッポが精緻化見込みモデル
・要請法は段階的要請法、譲歩的要請法、承認先取り要請法がある
・段階的(フットイン)は弱条件→目的の条件
・譲歩的(ドアイン)は最大条件→目的の条件
・承認先取り(ローボール)は有利な条件→条件無くす
・フェスティンガーの認知的不協和理論
・マクガイアの接種理論
以上、本日は社会的影響についてでした。
次回は対人コミュニケーションについて。
それではまた次回。
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