建設中の「美女と野獣」のお城の写真で号泣した話

来春、ディズニーランドのエリアのひとつ、ファンタジーランドが大きくなる。

現在行われている大規模拡張のひとつで、2020年4月15日(ちょうど37周年)にオープンする。
この拡張(全体)には、ミニーのグリーティング施設やベイマックスのアトラクション、ディズニーランド初の屋内型シアター、初のポップコーンショップなどが含まれ、これまでオープンしてきた新エリアの中でもかなりのボリュームだ。
そのなかでもメインとされるのは「美女と野獣」のお城で展開されるトリップタイム最長のアトラクション。
ディズニーランドのシンボルと言えるシンデレラ城に続き、なんと美女と野獣のお城まで出来てしまうのである。
この大規模拡張のニュースは遡ること3年前に発表された。
プレスリリースを確認した私は、「わー!!」とか「おおおお!!!」とか「きゃー!!!!!」とかとにかく次々と湧き出る声を抑えることができなかった。
どれだけこの時を待っていたことか。

幼い頃から美女と野獣が大好きで、アンバサダーホテルで挙げた結婚式でもドレスはベルのものを、ゲストテーブル装飾はポット夫人とチップのものを選んだ。
ディズニーオンアイスも観劇して、ヤフオクで海外のグッズを落札したりもした。
それだけ大好きで、かつ日本でも高い人気を誇る作品であるのに、パーク内露出が低いことが昔から不思議でたまらなかった。
ミッキーのフィルハーマジックではルミエールの晩餐シーンが入ったが、それ以外はパレードでその姿を見ることができるくらいで、相変わらず露出は低いままだった。
それゆえ今回の拡張を知った時には興奮したし、いつもなら"人が落ち着いた頃に乗りに行けばいっか"と思う新アトラクションも「ぜってぇすぐ乗る」と即・心に決めた。

発表から3年が経ち、次の春にオープンを控えて徐々に新情報が明らかになるなか、ツイッターで現在の工事状況の写真を見つけた。
前回行った時には足場で囲われまだどんな姿かもよく分からない状態だったが、今回見つけたその写真を見ると、足場はあるもののどんな形でどんな色かはすぐに分かった。
パッと見て「お城だ」と分かるのだ。
写真だけでかなりこみ上げるものがあり、"これは生で見たらやばいぞ、泣く"と思った、その次の瞬間には号泣していた。
これには自分でもびっくりである。まさかこんな事になるとは思わなんだ。

なぜ、ここまで好きなのか。

私には大好きな伯母がいた。
優しくて、いつも一緒に遊んでくれる、それはそれは大好きな伯母だった。
母と伯母と姉と私の4人で遠出したり、伯母の家で紙風船バレーをしたり、沢山遊んだことを覚えている。
小学生になった頃、伯母は私たち姉妹にシンデレラのVHSをプレゼントしてくれた。
いざ見ようとした時に気付いたのだがそのVHSは「二か国語版」であり、我が家のビデオデッキでは再生不可のタイプだった。
(※二か国語版=日本語と英語を切り替えられるもの)
伯母は日本語吹替版と交換しようとしたものの、あいにくシンデレラの日本語吹替版は品切れ。
そこで、たまたま在庫のあった美女と野獣の日本語吹替版に交換してもらった…というのが、我が家に美女と野獣のVHSがやってきた経緯だ。
冒頭でベルや街の住人たちが歌うシーンから釘付けになり、すっかり大ファンになってしまった。
(けど何度見てもガストン一門の"ころせ!♪"には驚くよね)

それから少し時が過ぎ、私が小学校3年生のとき、伯母は胃癌で亡くなった。
進行も早くタチの悪いタイプの胃癌だったそうであれよあれよと病状は悪化し、あっという間だった。
まだ40歳という若さだった。
亡くなった悲しさを抱えつつも、まだ8歳で死をハッキリと認識しきれていなかった私は、火葬を待つ間にMAXコーヒー(チバラキ辺りで有名な激甘のやつ)を飲んでボケっとしていたことをよく覚えている。
従兄弟の悲しそうな姿はいまだに忘れられない。

それから24年間、母や姉と何度「生きてたらねえ」と言い合ったか分からない。
伯母の子供である従兄弟が結婚した時、その従兄弟に子供が生まれた時。
姉が結婚した時、姉に子供が生まれた時。
私が結婚した時、私に娘が生まれた時。
そして現在、建設中である美女と野獣のお城の写真を見た時。
「一緒に行きたかったなぁ!なんでいないのよぉ!」と思った。


年パスを買うほど大好きなパークで、ようやく美女と野獣の世界に浸ることができる。
あともう少しで、ずっと憧れ続けていた瞬間が叶う。
伯母は居ないけれど、新エリアを見てニヤニヤ嬉しそうにする私の様子を、娘(7)はきっと「お母さん、美女と野獣好きだもんねえ」とやたら冷静に言いながら見ているに違いない。

アトラクションぜってぇすぐ乗るもんねえ!!!
(シングルライダー対応と聞いて小躍りしてます)

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