きのこ観察のすゝめ

関東も梅雨入りしましたね。どんよりジメジメして何をするにもテンションの上がらない人も多いかもしれません。そんなあなたにとっておきのアクティビティをこっそり教えちゃいます。

きのこです

「えっ、きのこ?採って食べるんですか?」「きのこは秋のものじゃないんですか?」「きのこの何が楽しいんですか?」そんな声が聞こえてきそうですね。私はきのこの専門家でもなんでもありませんが、きのこを趣味としている一人間としてきのこと向き合っている時に感じている興奮、喜び、感動、その他諸々…そういったことを皆様に伝えることができたらな良いなぁと思います。

・きのこを探そう!

前置きが長くなりました(これ言いたかった)それでは早速きのこを探しに行きましょう!レッツゴー!

…ん?きのこは秋じゃなきゃ生えないんじゃないかって?確かにきのこのメインシーズンは秋です。しかしながら、それ以外の時期には全然生えないかといったらそういうわけでもないのです。きのこは一年中生えます。特に6〜7月の梅雨の時期は秋に匹敵するほど沢山のきのこを見つけることができるんですよ。

……え?何?今度は森まで行くのが面倒だって?まぁ、大量に収穫して楽しみたい!と言うのであれば森や山まで足を伸ばさなければいけないかもしれません。しかし、今回ここで紹介したいのであくまできのこ観察なのです。きのこって意外と都会のちょっと広めの公園や寺社、生垣の中あたりにも生えているものなのです。私自身もキノコ観察は近所の公園で楽しむことが多いです。(場所によっては許可が必要となる場合もあるかもしれません。注意。)
装備としては長袖長ズボン、虫除け、歩きやすい靴(雨上がりはぬかるんでたりするので耐水性のある靴だとgood)、場合によってカメラやメモ帳を持っていくと良いでしょう。

さぁ、近所の公園へやってきました!早速きのこを探してみましょう!きのこを探すときには日当たりの良いところを探すよりはちょっと暗くてじめっとしているところを探してみるといいです。木の周り、切り株、生垣の中、階段の傍、公衆トイレの裏…こういった場所に多くみられます。とはいえたまに「なんでこんなところに!?」みたいな所に生えているきのこもあるのでその限りではないと言うことは覚えておいてください(これが面白いところでもある)
ここかな?と覗き込んだところにきのこが生えていると嬉しくて小躍りしたくなりますよ。

・きのこを観よう!

やりました!ついにきのこを見つけることができました!ここの楽しみ方は皆さん次第です。写真に収めたり、スケッチしてみたり、許可を取って採取してみたり。思い思いに楽しんでください。きのこは色も形も個性的なものが多く、ずっと観ていても飽きません。きのこは茶色一辺倒であるイメージを持つ方も多いかも知れませんが、赤、青、黄色、紫などなど結構カラーバリエーション豊富なのです。
私はきのこを前にしたら写真を撮ることが多いので今回はきのこ写真について書いてみようかと思います。

・きのこ写真の話

投げやりかもしれませんがカメラはそんなに拘らなくても良いです。最近のスマホは綺麗に撮れるのでそれを使っても良いと思います。きのこが生えるの薄暗い場所が多いのでシャッター速度を遅くして撮影するためには三脚が必要になることがあるかもしれません(私は使ってない)
きのこは動かないし風に大きく揺られることもないので比較的撮りやすい被写体かと思います。ちょっと下からのアングルで撮るとカッコ良く撮れますよ。

・私の使ってるカメラのご紹介

・Nikon d5300
モニターが180度回転するバリアングル方式モニターが非常に優秀。地面に這いつくばらなくてもローアングルからの撮影、ひだの裏の撮影ができてとても重宝してます。レンズは導入モデルに付いてきたやつを使ってます。まぁ、この辺はこだわる人はこだわったらいいと思います。

・OLYMPUS Tough TG-6
恐ろしいほど接写ができるのでありふれたきのこを撮っても新しい発見があってとても面白いです。そして何より丈夫なので雨とか衝撃とか気にせずガンガン取り回せるのも良いところです。暗所での撮影もあるためフラッシュディフューザー FD-1をくっつけてます。

・iPhone8
不意にきのこに出会ったけどカメラ持ってない!ってときに使ってます。なんだかんだ綺麗に撮れるし、SNSにもアップしやすい点も良いですね。

・夜のきのこ

きのこを観察するのは何も日中だけとは限りません。外灯もある公園だったら森と違って夜のきのこ観察も楽しめます。暗闇のきのこにペンライト等の光を当ててみてください。胞子が飛んでいる様子がハッキリと分かりますよ。

・きのこを知ろう

せっかく見つけたきのこ。これがなんと言う名前のきのこか気になってくる人もいるかもしれません。(そういう人は私は好きです)その場で調べるのは結構大変なので特徴を記録して後で調べることにしましょう。記録しておきたいポイントをざざっと挙げてみます。

・傘
きのこのてっぺんの部分。どんな形か、ぬめりはあるか。傘の縁はどうなっているか。表面の模様はどうか。いぼはあるか。

・ひだ
傘の裏側の部分。間隔が密なのか、疎なのか、はたまたスポンジ状なのか等々。ひだと柄の接し方はどうなっているか。ひだの縁の形状はどうか。色。

・柄
傘を支える部分。そもそも柄はあるのか。どうやって地面や木についているのか。柄は中心から伸びてるかどうか。柄の表面の模様はどうか。空洞かどうか。色はどうか。

・つば
柄についた膜状のもの。有無。形。(消失しやすいものも多いので注意!)

・つぼ
根元の袋状の部分。有無。形。模様。

・におい
どんなにおいなのか。例えばニオイコベニタケというきのこはカブトムシのにおいがする

・味
どんな味なのか、ちょっと噛んでみる。食べない、噛むだけ。むやみやたらに試すのはオススメしない(よくわからないきのこを噛んでみたことがあるが、三時間ほど口の中に強い辛味が残った)が、ニガクリタケ等のきのこは噛んだ苦味で確かめることができる。

・周りの環境
周りには何の木が多いか。どこから生えているか。

この辺りを写真に撮るなりメモを取っておくなりしたら、後で種類を確かめるときに非常に便利です。面倒かもしれませんが頑張ってください!

さて。記録したデータを元にインターネットで探そうとしてもなかなか難しいものがあります。まずは紙媒体で見つけたものに近い特徴のきのこを探してみるとしましょう。オススメの図鑑のご紹介。

・山溪カラー名鑑 増補改訂新版 日本のきのこ(山と渓谷社)
とりあえずこれさえあればそれなりには同定できます。旧版でも問題なく使えますが、分類がちょっと古いので注意。

・新装版山溪フィールドブックス 7 きのこ(山と渓谷社)
またまた山と渓谷社。こちらも記載されているきのこは多いがいかんせん写真が小さいので他の図鑑との併用をお勧めします。

・日本の毒きのこ(学研プラス)
それも充実の内容だが毒キノコしか載っていないのでそれだけ注意。これも他の図鑑との併せて見るのが良いかも。

・きのこの教科書 観察と種同定の入門(山と渓谷社)
図鑑ではないですがきのこのグループごとの特徴がわかりやすく載っています。そのほか市販のキノコから見る観察のコツや標本の作り方など充実の内容なのでこんなnote見なくてもこれさえ読めばオッケーです。

図鑑を開いてこれかな?ってものを見つけたらインターネットで調べてみましょう。クロスチェックです。

・きのこ図鑑

https://www.kinoco-zukan.net/sp/index.php

「きのこ 図鑑」と調べたら真っ先に出てくるサイト。分かりやすいがちょっと量が少ない。

・oso的きのこ写真図鑑

http://toolate.s7.coreserver.jp/kinoko/index.htm
痒い所に手が届くようなきのこを写真と共に紹介してくれているサイト。きのこの擬人化も素敵。

・Twitter、Instagram
候補に挙がったきのこはとりあえず検索してみるべしです。他のきのこ屋さんが写真を上げているかもしれません。ただし、誤同定も多いのでそれだけ注意。

※他にも何か良い図鑑、サイトがあったら教えてください。

一生懸命探してこれだ!!ってものを見つけたときは脳汁出まくりですよ。(これはきのこに限った話じゃないですが)

・どうしても分からない…
どれだけ調べても分からない時もあります。特にアセタケやベニタケの仲間は分かりにくいことこの上なしです。きっちり同定できると気持ち良いですが、どうしても分からない時は適当な種を無理やり当てはめるより「〇〇属のきのこ」くらいの大まかなグループとして記録したほうが良いでしょう。

「茸を知れば知るほど、それを識別する自信が薄れていくんです。一本一本が違っていますから。それぞれの茸が本来のものであり、それ自らの中心にあるのです。茸に詳しいなどというのは無駄なことです。茸は人間の知識を裏切りますから。」(ジョンゲージ)

・きのこワンダーランド

きのこが好きと言うと大抵食べるほうだと思われます。きのこに興味がない人にとってはきのことはスーパーの野菜売り場に売ってる食材なのでしょう。知ってるきのこを挙げてみろと言ってみても食べられないきのこを挙げる人はとても少ないです。
足元をちょろっと探せば沢山のきのこを見つけることができるのにそれはちょっと寂しいじゃありませんか。
詳しくなれと言いたいわけじゃないんです。ただちょっと木の根元なんかに生えてるきのこに目を向けて、きのこについて色々と思いを巡らせて貰えたなら僕もきのこも(?)嬉しいです。
もしこれを読んできのこに興味を持った人がいたならば、私と一緒にきのこ探しに出かけましょう!🍄

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