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AIGC:COLOR EXHIBITION(October)投稿作品の作成過程解説【StableDiffusion】


1.AIGC:COLOR EXHIBITION(October)

先月に引き続き開催されました。
今月のテーマは「NEON×Halloween」でした。

当日の参加者による作品は運営アカウントから順次投稿されました。
X(Twitter)上で以下で検索すると探しやすいと思います。

(from:aigcinfo) until:2023-10-29

2.今回の投稿画像(10/28)

 私からは今回は以下の画像を提出しました。

【Cyborg-Zombie Girl】


3.生成手法

今回使用した拡張機能は以下の通りです。
これは前回とほぼ同じですね。Openpose系だけ追加です。

・ControlNet Tile(tile_resample) →画像合成による色・形の制御
・ControlNet Tile(colorfix +sharp)→画像合成による色・形の制御
・ControlNet OpenPose →人物のポーズ指定
・OpenPose Editor →人物のポーズ作成
・CDtuner → 書き込み量の調整
・Tiled Diffusion → 画質向上
・ADetailer → 顔の画質向上

今回はこの上に、
Inpaintでのパーツ生成と、
複数画像からのパーツ移植を多く行いました。

画像のモチーフ自体が人間・機械・ゾンビの合成のようなものですが、
生成内容も複数パーツの合成になっていました。

また、各合成後に画像全体の拡張(outpaint)も行っています。

4.パーツ合成

(1)元画像

何もパーツ修正していない、一旦の生成画像は以下です。
(拡張機能などを用いて生成した状態)
この状態も結構好き。

パーツ合成前

背景は「荒れた路地(deserted alley)」などの指定をしています。
色味や形はControlNet Tileの効果が大きいです。

女の子にはゾンビやサイボーグ関係の指定もいろいろ入れているのですが、なかなかいい感じに混在した形では生成されませんでした。
そのため、全体がいい感じになったものにパーツ修正を施すことにしました。

元画像と完成版(投稿)画像を並べるとこんな感じです。
(完成版は拡張・outpaintしているので周囲にも差分があります)

左:元画像 → 右:完成版

(2)Inpaintによるパーツ生成

体の機械化・ゾンビ化は大体Inpaintで修正しました。
具体的には、以下のような感じです。
機械化 :右肩、右腹、左足 ※両腕は元の生成時に機械化済み
・ゾンビ化:顔、左胸、左腹、右足

Inpaintの際には、ネガティブプロンプトのworst qualityなどの重みを下げると若干良い感じに変化するようになりました(1.0以下に下げたりもしています)。

ゾンビ化は過激すぎるとXのセンシティブ判定に引っかかりそうなので、
できるだけ直接的な表現(血など)は少し控え目になるようにしています。

個人的に気に入っているのは顔、右肩、左腹の口ですね。

右肩は自然に皮膚の下の機構が見えた感じになりました。
(ター〇ネーター感)

左腹の口は、厳密にはゾンビとはちょっと違う感じもしますが、
見てたらだんだん可愛くなってきた(気のせい)ので採用しました。

左:元画像(inpaint前) → 右:完成版(inpaint後)


(3)複数画像からのパーツ移植

以下については、別で生成した画像から移植してきた部分です。
・右上のオレンジの3連カボチャの一番左
・右のグリーンの大きいカボチャ
・右側のグリーンとピンクのネオン系の装飾
・女の子の頭にピンクの飾り
・左側背景の全体(壁の一部・ネオン装飾・地面)
・左側背景の中央よりやや上(ネオン装飾)

移植元の画像も以下に載せておきます。
全て同じ素材画像をTileで使用しているので、全体の色味・構図が同じ感じになっています。

右上のオレンジのカボチャの移植元
右のグリーンの大きいカボチャ
右側のグリーンとピンクのネオン系の装飾
女の子の頭にピンクの飾り
左側背景の全体(壁の一部・ネオン装飾・地面)
左側背景の中央よりやや上(ネオン装飾)

なお移植作業はPhotoshopで行いました。
元画像の上に移植したいパーツをくり抜いて乗せて、境界はペンでちょっとずつトリミングし、場所によってはGenerative fillで調整しています。
トリミングはピクセル単位で調整したので、少し根気のいる作業となりました。

ここでもう一度、完成版の画像を載せておきます。
各要素がどのように合成されているか、ご覧ください。

各要素を合成した完成版(本記事の最初の載せた画像と同じ)


おまけ:その他の候補画像

投稿作品のその他の候補画像を公開(供養)します。
今回いつもよりちょっと多めです。

光学迷彩…?!
ちょっとホラー感つよめ
ゴシックパンク風?
こわい
こわい2
かわいい

5.おわりに

今回はなかなか難しいテーマでした。
テーマ自体が難しいというより、テーマの要素をどう活かすかに迷う感じでしたね。

実は最初は違うコンセプトをイメージしてました。
ハロウィンは元々は日本のお盆のように、死者があの世から帰ってくる日というものだったらしいので、「ハロウィン vs お盆」のような画像を作れないかと考えていました。
ですがもう一つのテーマであるネオンをあまり活かすイメージがわかなかったので、見送りとしました。

またネオンの入り方をControlNet Tileで制御できないかなと考えて、
以下のような画像も実験用で作っていました


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ほぼ趣味で(※)やっているとはいえ、生成環境の維持費用(私の場合は主にColab利用料)が馬鹿にできなくなってきました。
(※仕事でも生成AI関連に関わるので、その勉強も兼ねて始めました)
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次回のCOLOR EXHIBITIONは11/26です!

そして12月にはいよいよ本イベント「紅白AI合戦」です!


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